水質概論 基本的な用語

まず、DOとBOD、CODについて学びましょう。これらはかなり基本の語句なので、必ず意味をつかんでおいてください。

DO(Dissolved Oxygen)
溶存酸素量という意味です。単位はmg/L。
水中に溶けている酸素のことです。20℃での飽和値(もうこれ以上水に溶けない値)は9.09mg/L(少し前まで8.84とされていましたが・・・改定されたようです)です。ちなみに意外と重要なのですが、常識かもしれませんが温度が下がるごとに飽和DOは上昇します。これ結構出題されているので要注意ですよ。

BOD(Biochemical Oxygen Demand)
生物化学的酸素要求量という意味です。水の有機物による汚れの程度を表しています。これは微生物が水中の有機物を分解するときに消費する酸素量で汚濁の程度を表しています。
20℃で5日間培養後の消費DO(溶存酸素量)の量がBODとなります(希釈した場合などは希釈率も考慮する)。ちなみにこの指標は環境基準としては河川でのみ使用されています。単位はmg/L。

COD(Chemical Oxygen Demand)
化学的酸素要求量という意味です。水の有機物による汚れの程度を表しています。水中の有機物などを酸化する際に消費される酸化剤の量を(有機物以外の還元性物質の分も計測してしまうことに注意)酸素量に換算したものです。河川以外の有機物の環境基準(海域、湖沼)はCODを環境基準として採用しています。測定方法としては酸化剤の種類によってCODcr、CODMnなどに分けられる。これらは測定技術の勉強のときに詳しく勉強したほうがよいと思います。単位はmg/L。

続いては用語について、ちょっとした問題から学びましょう。

問 次の水質項目の用語として、誤っているものはどれか。
(1) SS          浮遊物質
(2) TOC         全炭素量
(3) COD         化学的酸素要求量
(4) BOD         生物化学的酸素要求量
(5)TOD         全酸素消費量

答え(2)

(1)のSSは浮遊物質であっています。Suspended solid の略語でSSと言い、浮遊物質の濃度を表す用語です。
(2)は全炭素量ではありません。全有機炭素量です。気をつけてください。有機物としての炭素の量を表したものです。ゆえ(2)が誤りです。
(3)と(4)は「基本的な用語1」で解説しましたね。
(5)は正解ですその通りです。

それでは、この問題の中に登場した、TOCとTODについて詳しく述べたいと思います。

TOC(Total Organic Carbon)
有機性炭素化合物を高温触媒のもとで酸化分解させ、生成した二酸化炭素を赤外線分析計で測定し手もとめることが出来る。無機体の炭素は含まれないことに注意!(無機体炭素を予め除去するか、後から差し引きで計算)

TOD(Total Oxygen Demand)
微量の検水を酸素とともに燃焼管に送り込み、900℃、白金触媒のもとで検水中の有機物を酸化分解し、このとき消費された酸素量を測定する。液中の溶存酸素はカウントされないことに注意!(詳しくは良く分かりません。。。実は計ったことないんです。。すいません。もしよろしければどなたかか教えてください。)

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