大気特論 燃焼計算について(発展バージョン)

ここでは、「燃焼計算って難しい?」で説明したことから、さらに1歩踏み込んだ説明をしようと思います。

燃焼問題の発展問題を解くためには、もう少し覚えなければならないことがあります。覚えなくてはならないと言ってもごくごく基本的なことなので特に焦る必要はありません。それでは、今回は覚えなくてはいけないことについて説明したいと思います。

  • 燃焼問題では空気の組成は窒素(N2)が79%、酸素(O2)が21%であると計算する(二酸化炭素は空気中に358ppm程度しか含まれておらずほとんど無視できます)。
  • 湿り燃焼ガス量とは
    燃焼反応で生成した全ての気体(酸化物、例えばCO2、SO2等に加えて生成した水蒸気H2Oも含まれる)の量と燃焼のために使用した空気中に含まれる窒素の量及び余剰空気量を合計したもの。つまり燃焼後の総ガス量のことと言えると思います。
  • 乾き燃焼ガス量
    湿り燃焼ガス量から水蒸気(H2O)の量を引いたもの。
  • 一般的な燃焼ガスの組成
    これを覚えておかないと、燃焼式をたてることができません。
    メタン→CH4
    エタン→C2H6
    ブタン→C4H10
    プロパン→C3H8
    エチレン→C2H4

今までに出題されたものをざっとまとめてみるとこんなものでした。。。結構多いですね(かくいう管理人もエチレンとエタンを混合して間違えてしまうことがありました)。化学系出身の方はイメージで簡単に思い浮かぶかもしれませんね。問題を解いているうちに覚えることができると思います。

以上のことを覚えたら実際に問題を解いてみましょう。次回は実際に問題を解く方法を説明したいと思います。

燃焼問題には、かなりのバリエーションがあります。例えば未知数となるものが変化したりします。しかし、基本はほとんど一緒です。なので、心配する必要は全くありません。それではその例の一つを考えてみましょう。

 エタン1m3Nを空気比1.17で完全燃焼させたとき、湿り燃焼ガス量(m3N)はおよそいくらか(平成14年度 大気一種)。
(1) 20    (2) 30    (3) 40    (4) 50    (5) 60

この問題を解くには、まずエタンの化学式を覚えておかなくてはなりません。ちなみに先ほども説明した通りエタンの化学式はC2H6でしたね。それでは完全燃焼式をたててみましょう。
エタンの完全燃焼式は
C2H6 + 7/2O2 → 2CO2 + 3H2O となりますね。
この式のたて方が分からない方は以前の記事(燃焼計算問題って難しい?)を読んで確認してください。
この式よりエタン1m3Nあたりを燃焼させるために必要な理論酸素量は7/2 = 3.5m3Nとなることが分かります(分子の数と体積は比例する)。湿り燃焼ガス量なので生成した物質の総量と、燃焼に使用した空気中の窒素の量、水蒸気の量を合計しなければなりません。このうち分かっていないものは窒素の量だけです。それでこの窒素の量を求めます。
窒素の量を求めるためには、まず、必要な理論空気量と、実際に消費した空気量を求めなければなりません(一気に窒素の量を求めるという方が簡単ですが、セオリーとしては空気量から算出した方が良いと思います)。
空気中の酸素の割合は約21%なので
3.5m3N ÷ 0.21 = 16.7m3Nの空気が理論的には使用されることになります。
しかし、この場合空気比が1.17なので、
16.7m3N × 1.17 = 19.5m3N
の空気が実際に使用されたことになります。
このうち窒素の量は79約%なので、19.5 m3N×0.79 = 15.4 m3N
が窒素量となります。
これより以下の式が導けます。
湿り燃焼ガス量(m3N)= 2(CO2) + 3(H2O) + 15.4 = 約20 m3N

よって、解答は (1) となります。

どうでしたか?
少し複雑ですが簡単だと思います。

続いての問題です。

問 プロパン60vol%、ブタン40vol%の混合ガスを空気比1.1で完全燃焼させたとき、乾き燃焼ガス中のCO2濃度(%)はおよそいくらか。
(1) 12.0  (2) 12.5   (3) 13.0   (4) 13.5   (5) 14.0

(平成17年度1種より)

まずは、燃焼式を立てます。
●プロパン
C3H8 + 5O2 → 3CO2 + 4H2O
●ブタン
C4H10 + 13/2O2 → 4CO2 + 5H2O

燃焼ガス全体を1m3Nとすると。。
必要な理論酸素量は
0.6×5+0.4×13/2=5.6m3Nとなります。

空気中に含まれる酸素は約21%なので、
5.6/0.21=26.7m3Nが必要な理論空気量となります。

空気比を1.1としているので、使用した空気は
26.7×1.1=29.3m3Nとなります。

このうち、燃焼に関わりのないN2ガスが79%を占めています。
よってN2量は
29.3×0.71=23.2m3Nとなります。

発生したCO2量は
3×0.6+4×0.4=3.4m3Nとなります。

また、余った(余剰)酸素量は
5×0.1×0.6+13/2×0.1×0.4=0.56m3N

発生した乾きガスは
3.4(CO2)+23.2(N2)+0.56(O2)=27.2m3N
3.4/27.2=0.125

よって12.5%の(2)が答えになります。

発熱量

燃焼の計算をするために、代表的な燃焼ガスの分子式を覚えておかなければならないことはお話ししました。それに加えて、実際、自分が勉強してみて分かったんですが、発熱量も覚えておいた方がよさそうです。
過去問を見る感じ「正確にすべてを暗記する必要はなく」一番大きな桁を覚えておいて「エタンとエチレンを比べたら、エタンの方が高発熱量は多いよ」ということをイメージできればOKなのではないかと思います。

成分 分子式 高発熱量
MJ/M3N
質量
kg/m3N
メタン CH4 39.8 0.715
エタン C2H6 70.7 1.341
プロパン C3H8 101.3 1.966
エチレン C2H4 62.4 1.251
プロピレン C3H6 92.5 1.877
アセチレン C2H2 57.8 1.161
一酸化炭素 CO 12.7 1.249
二酸化炭素 CO2 1.963
水素 H2 12.8 0.09
酸素 O2 1.429
窒素 N2 1.25

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク