公害総論解説(平成27年度版)

公害防止管理者試験 公害総論(H27年度)の解説です。

問1 環境基本法の公害防止計画の作成に関する記述中,【ア】~【オ】の中に挿入すべき語句(a~f)の組合せとして,正しいものはどれか。

【ア】は,次のいずれかに該当する地域について,【イ】 を基本として,当該地域において実施する公害の防止に関する施策に係る計画(以下「公害防止計画」という。)を作成することができる。

一 現に公害が著しく,かつ,公害の防止に関する施策を総合的に
講じなければ公害の防止を図ることが【ウ】と認められる地域
二  人口及び 【エ】その他の事情により公害が著しくなるおそれがあり,
かつ,公害の防止に関する施策を総合的に講じなければ公害の
防止を図ることが【オ】と認められる地域

a:環境大臣     d:産業の急速な集中
b:都道府県知事  e:著しく困難になる
c:環境基本計画  f:著しく困難である

(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
(1) a c e d f
(2) b d f c e
(3) b c e d f
(4) b c f d e
(5) a d e c f

解説
環境基本法における「特定地域における公害の防止」の箇所(17条)の抜粋がそのまま問題になっている例です。
このような例の場合、「細かいところまで」覚えるのが基本だと思います。

しかしながら、【特定地域】というキーワードに着目すれば、「都道府県知事」というのは意外と覚えやすく、それ以外の文言は雰囲気で正解できちゃう問題でもあります。なので、この場合、【特定地域における公害防止】と【都道府県知事】を結び合わせて覚えておくとほとんど正解できるケースということが出来るでしょう。
正解は(4)


問2 次の法律とその法律の定義に規定されている用語の組合せとして,誤っているものはどれか。
(1) 大気汚染防止法 有害大気汚染物質
(2) 水質汚濁防止法 特定物質
(3) 土壌汚染対策法 特定有害物質
(4) 悪臭防止法 特定悪臭物質
(5) 地球温暖化対策の推進に関する法律 温室効果ガス

解説
特定物質とは大気汚染防止法によって定められるものです!
水質汚濁防止法には特定物質はありません。
よって、正解は(2)

これも覚えるしかないのですけれども、
大気or水質の区分を受験される方にとってはサービス問題ですね。
騒音振動を受けられる方には・・多少難しいかもしれません。


問3 環境基本法に規定する環境基準に関する記述中,下線部分(a~j)の用語の組合せのうち,誤りを含むものはどれか。
1 政府は,大気の汚染,水質の汚濁,(a)土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について,それぞれ,(b)人の健康を保護し,及び(c)生活環境を保全する上で維持されることが(d)望ましい基準を定めるものとする。
2 前項の基準が,二以上の類型を設け,かつ,それぞれの類型を当てはめる地域又は水域を指定すべきものとして定められる場合には,その地域又は水域の定に関する事務は,次の各号に掲げる地域又は水域の区分に応じ,当該各号
に定める者が行うものとする。
一 二以上の都道府県の区域にわたる地域又は水域であって(e)政令で定めるもの (f)政府
二 前号に掲げる地域又は水域以外の地域又は水域 次のイ又はロに掲げる地域又は水域の区分に応じ,当該イ又はロに定める者イ (g)騒音に係る基準(航空機の騒音に係る基準及び新幹線鉄道の列車の騒音に係る基準を除く。)の類型を当てはめる地域であって市に属するもの (h)その地域が属する市の長
ロ イに掲げる地域以外の地域又は水域 (i)その地域又は水域が属する市の長
3 第 1 項の基準については,(j)常に適切な科学的判断が加えられ,必要な改定がなされなければならない。
(1):
(2):
(3):
(4):
(5):
a, b
c, d
e, f
g, h
i, j

解説
(i)は正しくは「都道府県の知事」です。
これは本当に難しい。覚えるしかないです
よって、正解は(5)


問4 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律に規定する特定工場に該当しない施設はどれか。
(1) 悪臭発生施設
(2) 振動発生施設
(3) 騒音発生施設
(4) ダイオキシン類発生施設
(5) 一般粉じん発生施設

解説
特定工場の中に悪臭発生施設は含まれません。
この問題、公害総論の中では定番の”ひっかけ”問題です。
実際の試験の前までには、「悪臭発生施設=含まれない」とすぐ頭が反応するまで覚えておくとよいでしょう。絶対に取りこぼしがないようにしたい問題です。
よって正解は(1)


問5 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律に規定する公害防止統括者に関する記述として,誤っているものはどれか。
(1) 常時使用する従業員の数が 20 人以下である小規模の事業者は,公害防止統括者を選任しなくてよい。
(2) 公害防止統括者は,当該特定工場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。
(3) 公害防止統括者の選任は,公害防止統括者を選任すべき事由が発生した日から 30 日以内にしなければならない。
(4) 特定事業者は,公害防止統括者を選任したときは,その日から 30 日以内に,その旨を当該特定工場の所在地を管轄する地方経済産業局長又は地方環境事務所長に届け出なければならない。
(5) 特定事業者は,公害防止統括者が旅行,疾病その他の事故によってその職務を行うことができない場合にその職務を行う代理者を選任しなければならない。

解説
届け出先が誤りです。
正しくは、当該特定工場の所在地を管轄する都道府県知事。
この問題もちょっと難しいですね。
実務に携わっている方には余裕だと思いますが。

ちなみに、
公害防止統括者について覚えておいてほしいこととして、「資格が不要」ということもあります。
イメージとしては工場長とか事業所長みたいな「工場をまとめる立場の方」が選任されると覚えておくとよいでしょう。
よって、正解は(4)


問6 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第 5 次評価報告書の内容に関する記述として,誤っているものはどれか。
(1) 陸域と海上を合わせた世界の平均地上気温は,1880 年から 2012 年の期間に0.85 ℃上昇した。
(2) 世界の平均海面水位は,1901 年から 2010 年の期間に 0.19 m 上昇した。
(3) 1971 年から 2010 年の期間に,海洋表層( 0 ~ 700 m)で水温が上昇していることはほぼ確実である。
(4) 過去 20 年にわたり,グリーンランド及び南極の氷床の質量は減少している。
(5) 北極域の年平均海氷面積は,過去 20 年にわたり増加している。

解説
これは簡単すぎでしょう。
温暖化が進んでいますので、海氷面積は減少しているに決まっています。
こういう問題は確実に取っておきたいですね。
環境省のホームページには報告書へのリンクがはられています。
この手の問題対策のため、是非活用してみてください。
(原本は英語だったりしますが。。笑)
よって、正解は(5)


問7 2014 年 5 月までに日本政府が承認したクリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクトは 777 件であるが,ホスト国別承認件数の多い順として,正しいものはどれか。
(1) 中国 > ブラジル > インド
(2) 中国 > インド > ブラジル
(3) インド > 中国 > ブラジル
(4) ブラジル > 中国 > インド
(5) インド > ブラジル > 中国

解説
CDMは発展途上国に対して、温室効果ガス排出を低減させる援助を行い、その成果の一部を自国の排出低減分として認めてもらえる問う制度です。ホスト国別承認件数は、京都議定書のホームページの中に公開されており、上から中国、インド、ブラジルとなっています。最新の状況はホームページ(http://kyomecha.org/)からチェックしてみてください。
よって、正解は(2)


問8 粒子状物質に関する記述として,誤っているものはどれか。
(1) 固体粒子やミストなどの総称である。
(2) 固定発生源から燃焼に伴って発生するものは,ばいじんと呼ばれる。
(3) 大気中に浮遊する粒径 10 μm 以下のものは,浮遊粒子状物質と呼ばれる。
(4) 浮遊粒子状物質濃度には,自然発生源由来の粒子状物質は寄与しない。
(5) 平成 24 年度における微小粒子状物質の環境基準達成率は 50 %以下である。

解説
黄砂や火山灰など自然由来の浮遊粒子状物質がありますよね!
「ない」というのは間違いです。。
よって、正解は(4)


問9 光化学オキシダント(Ox)及び揮発性有機化合物(VOC)に関する記述として,誤っているものはどれか。
(1) Ox には, 1 時間値が 0.06 ppm 以下という環境基準が設定されている。
(2) 一部の VOC について,有害大気汚染物質として環境基準が設定されている。
(3) Ox について環境基準を達成した測定局数の全測定局数に対する割合は,平成 19 年度から 24 年度の期間に 1.0 %から 1.5 %の範囲であった。
(4) VOC の固定発生源には,塗装,接着,印刷,化学製品製造,工業製品洗浄,ガソリン等貯蔵などに用いる施設がある。
(5) 平成 23 年度の環境省報告によると,平成 22 年度の発生源品目別 VOC 排出量の合計は,平成 12 年度に対して 40 %以上削減された。

解説
ほとんど”0%”付近で推移しています。
1から1.5%というのは誤りです。
よって、正解は(3)


問10 環境省の平成 24 年度地下水質測定結果(概況調査)に関する記述として,正しいものはどれか。
(1) 調査対象井戸のうち,環境基準を超過する項目がみられた井戸は 1 %以下であった。
(2) 1,4-ジオキサン及び塩化ビニルモノマーには,地下水の環境基準が定められていない。
(3) トリクロロエチレンは,依然として 2 %以上の環境基準超過率があり,汚染が改善されていない。
(4) 環境基準超過率が最も高いのは,硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素である。
(5) ひ素は,環境基準超過率が 1 %以下に低下し,汚染が大幅に改善されている。

解説
硝酸性窒素および亜硝酸性窒素の環境基準超過率は高いです。
最新の調査(平成25年)でも3.3%なっていました。
よって、正解は(4)


問11 環境省の平成 24 年度騒音規制法施行状況調査に関する記述として,誤っているものはどれか。
(1) 営業騒音,拡声機騒音,生活騒音等のいわゆる近隣騒音は,騒音に係る苦情全体の約 20 %を占めている。
(2) 騒音に対する発生源別苦情件数は建設作業が最も多い。
(3) 新幹線鉄道騒音の環境基準適合状況は悪化の傾向にある。
(4) 拡声機騒音については,多くの都道府県で条例が制定されている。
(5) 一般地域における騒音の環境基準の全測定地点の適合率は,航空機騒音に係る環境基準の適合率より高い。

解説
H21年度からH24年度までは環境基準適合率は向上しています。
なので、「悪化傾向にある」は誤りです。

H21年度:47.3%
H24年度:60.2%

ただし、注意点があります。
実はH25年度は適合率が低下しています(58.3%)。
今後は、最新の環境白書をチェックしなければなりませんね。
よって、正解は(3)


問12 平成 23 年度の産業廃棄物の業種別排出量として,次のうち最も排出量が多い業種はどれか。
(1) 鉄鋼業
(2) 建設業
(3) 農業・林業
(4) 鉱業
(5) 食料品製造業

解説
上記の中では、農業・林業が最も産業廃棄物量が多いです。
しかしながら、全体では、電気・ガス・熱供給・水道が一番多い。
念のため、確認しておいてください。
よって、正解は(3)


問13 化学物質に関するア~オの記述のうち,誤っているものはいくつあるか。
(ア) 化学物質は生活に利便性を提供するが,扱い方を誤れば人の健康や生態系に悪影響を及ぼすものもある。
(イ) 内閣府による「身近にある化学物質に関する世論調査(平成 22 年)」によると,化学物質という言葉の印象が「現在の生活になくてはならないもの」と答えた人の割合が 25.5 %であった 。
(ウ) 上記の調査によると,「危ないもの」と答えた人の割合は 69.7 %であった。
(エ) 化学物質が有する危険有害性(リスク)を評価して,人の健康や環境への影響(ハザード)を最小化する取組が,世界的に行われている。
(オ) SAICM とは,国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチの略称である。

(1) 1    (2) 2    (3) 3    (4) 4    (5) 5

解説
(ア):○
(イ):○
(ウ):○
(エ):×
危険有害性がハザード
人の健康や環境への影響の可能性、度合がリスク
(オ):○
よって、正解は(1)


問14 ダイオキシン類に関する記述として,誤っているものはどれか。
(1) ダイオキシン類対策特別措置法で対象としているものは,ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン,ポリ塩化ジベンゾフラン,コプラナーポリ塩化ビフェニルである。
(2) ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンには,塩素の数や付く位置によって 75種類の化合物がある。
(3) TEQ は,毒性等量といわれる。
(4) 2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(2,3,7,8-TeCDD)は,脂溶性である。
(5) 平成 24 年の排出総量は,国のダイオキシン対策推進基本指針に基づく目標を依然として達成していない。

解説
目標を達成しています。そのようなわけで、最新の環境白書によれば、今後以下の通り。となっています
基本指針及びダイオキシン法に基づき国の削減計画で定めたダイオキシン類の排出量の削減目標が達成されたことを受け、平成24年に国の削減計画を変更し、新たな目標として、当面の間、改善した環境を悪化させないことを原則に、可能な限り排出量を削減する努力を継続することとしました。
よって、正解は(5)


問15 我が国における環境ラベルに関する記述として,誤っているものはどれか。
(1) 環境ラベルは,商品(製品やサービス)の環境に関する情報を,製品やパッケージ,広告などを通じて消費者に伝えるものである。
(2) 製品に環境ラベルを表示することが,法律で義務付けられている。
(3) タイプⅠ環境ラベルは,特定の製品カテゴリーの中で,第三者が製品のライフサイクルを考慮し,包括的な環境優位性を認証した商品につけられる。
(4) タイプⅡ環境ラベルは,第三者による認証を必要としない自己宣言による環境主張である。
(5) タイプⅡ環境ラベルは,第三者による認証を必要としない自己宣言による環境主張である。

解説
表示は義務付けられていません。
そのほかは正しいです。
よって、正解は(2)

公害総論では最新の環境用語が出題されることもありますので、注意してくださいね。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク