特定工場における公害防止組織の整備に関する法律に関する問題 徹底分析!

公害防止総論を解いてみると分かると思いますが、環境基本法に続いて、『特定工場における公害防止組織の整備に関する法律に関する問題』が毎年2問ほど出題されています。

(以前の記事「よく出る環境基本法 徹底分析!」も併せてご覧ください。)

この特定工場における公害防止組織の整備に関する法律に関する問題にも、よく問われる問題があることが過去問を見てみると分かってきました。

それをまとめてみたので、勉強をする際、必ず抑えておくべき点として参考にしてみてください。

ただ、その前に「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」について少し、解説しようと思います。

特定工場における公害防止組織の整備に関する法律の目的とは

特定工場における公害防止組織の整備に関する法律の第1条にはこうあります。

この法律は、公害防止統括者等の制度を設けることにより、特定工場における公害防止組織の整備を図り、もつて公害の防止に資することを目的とする。

この第1条の目的は、後にも述べますが公害総論でよく出題されます。全文を覚えておいておいた方がよいと思います。

ちなみに、特定工場における公害防止組織の整備に関する法律だけを勉強しておけば公害総論の問題が解けるわけではありません。

この法律には施行令施行規則というものがあります。この2つも併せて勉強しておかないと解けない問題がたくさんあります。

では、次に法律、施行令、施行規則の違いについて簡単に述べようと思います。

法律、施行令、施行規則の違いについて

法律とは

国会の議決を経て制定される法の一形式。
(デジタル大辞泉より引用)

施行令とは

法律に付属し、その施行に必要な細則や、その委任に基づく事項などを定める政令。
(デジタル大辞泉より引用)

施行規則とは

法令の施行に必要な細則や、法律・政令の委任に基づく事項などを定めた規則。
(デジタル大辞泉より引用)

以上から、法律をさらに詳しく補足していくのが施行令、施行規則ということですね。

ってことで、公害総論の特定工場における公害防止組織の整備に関する法律特定工場における公害防止組織の整備に関する法律に関する問題を解いていくには、

特定工場における公害防止組織の整備に関する法律
特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行令
特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行規則

この3つを併せて勉強していかないければいけないということです。

すべてに目を通し、覚えておくのはとても大変な作業だと思います。

そこで、過去問から良く出題される問題を調べ、その部分から重点的に勉強していくのも1つの勉強方法ではないかと思います。

過去5年間(平成25年度~平成29年度)に出題された試験問題からよく出題されている問題をピックアップ

1.特定工場における公害防止組織の整備に関する法律の第1条

先ほども述べましたが、この法律はよく出題されています。

この法律は、公害防止統括者等の制度を設けることにより、特定工場における公害防止組織の整備を図り、もつて公害の防止に資することを目的とする。
(法第1条)

この1文は、何も見ないでも言えるくらいになっておいたほうが良いかもしれませんね。

2.特定工場における公害防止組織の整備に関する法律に規定する「特定工場」の対象業種について

この対象業種もよく出題されています。

これは、法律の方には記載されていません。施行令の第1条に記載されています。
やはり、法律だけでなく施行令も併せて勉強していなければ解けませんね。

特定工場における公害防止組織の整備に関する法律(以下「法」という。)第二条の政令で定める業種は、次に掲げるとおりとする。
一 製造業(物品の加工業を含む。)
二 電気供給業
三 ガス供給業
四 熱供給業
(施行令第1条)

この4つの業種も必ず覚えておいたほうが良いです。

3.公害防止統括者について

公害防止統括者についても、よく出題されています。

その中でもよく出題されていたのは、法第3条2の一文です。

公害防止統括者は、当該特定工場においてその事業の実施を統括管理する者をもつて充てなければならない。(法第3条2)

この1文も暗記しておいたほうがいいでしょう。

あとは、公害防止統括者を選任する必要がない小規模事業者の常時使用する従業員の数を問う問題です。

常時使用する従業員の数が20人以下である小規模事業者は、公害防止統括者を選任する必要はない(法第3条第1項、令第6条)

20人以下という数字は必ず覚えていてくださいね。

4.届け出先や日数を問われる問題

覚えるのに1番苦労しそうなのが、この問題ではないでしょうか。でも、そういう問題こそよく出題されるんですよねぇ。

ここでは簡単にまとめておきます。

公害防止統括者 公害防止管理者
公害防止主任管理者
選任すべき事由が発生した日から 30日以内に選任 60日以内に選任
選任した日から 30日以内に
都道府県知事又は政令で定める市の長に届出
30日以内に
都道府県知事又は政令で定める市の長に届出

太文字の部分の違いに注意してください。

また、これ以外にも以下のことも出題されていました。

公害防止統括者、公害防止主任管理者、公害防止管理者を解任された日から2年を経過しない者は、これになれない。

5.罰則に関して

罰則に関してもよく出題されています。
法第16条の記載を簡単に表にまとめてみました。

課せられる罰金
50万円以下 ・公害防止管理者等の選任を怠った者
・解任命令に違反した者
20万円以下 ・公害防止管理者等の選任の届け出をせず、又は虚偽の届出をした者
・都道府県知事等の求めに対して報告せず、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み妨げ、若しくは忌避した者
10万円以下 ・承継の届出をせず、又は虚偽の届出を行った者

過去5年間でよく出題されているのは以上の5点でした。

もちろんこれ以外にも出題される可能性はあるの、勉強する際の参考程度にしてください。

補足として

公害防止統括者、公害防止主任管理者、公害防止管理者の中には、公害防止管理者資格を持っていなくてもなれるものがあります。これも覚えておくといいと思います。

公害防止管理者資格が必要 公害防止管理者資格が必要ではない
公害防止管理者及びその代理者
公害防止主任管理者及びその代理者
公害防止統括者及びその代理人

結論

5年間の公害総論の問題をまとめてみると、よく問われる問題が見えてきました。

また、その答えを調べるのに、インターネット上の法律を見ていたのですが、法律・施行令・施行規則に分かれて書いてあるので、調べるのが大変でした。

この問題を勉強するには、「新・公害防止の技術と法規」が手元にあるととても勉強しやすいということが分かりました。ちょっと、お値段が高めですが、重要法律・施行令・施行規則がまとめて書かれているので、自分で色々調べる手間が省けます。効率よく勉強するには、断然手元にあったほうが勉強がはかどると思いました。

以上のまとめを参考にして、「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律に関する問題」を勉強してみてください。

もちろん、ここに記載した問題以外にも出題されるので、あくまでも勉強をする際の参考程度にしてください。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク