投資業界ではよく、
①「買いは家まで」、②「売りは命まで」
という言葉をつかいます。これは、投資業界では標語や格言みたいなもの、セオリーだと思っていたんですが、意外と知らない人が多いらしい!
今回は、言葉その意味を解説してみようと思います。
そして、僕はこの格言を「人間関係」にも当てはめています。
この言葉を人間関係に当てはめてみると「人の不幸を願ってはダメな理由」が分かるんです(笑)。その理由も解説します。
投資における「買いは家まで、売りは命までの意味」
話を単純化するために「株式投資」にターゲットを絞って考えてみましょう。
1. 買いは家まで
A社の株を100万円分買ったとします。ある日、A社は倒産し、株は紙切れとなってしまいました。この時の損した金額はいくらですか? 当たり前ですが、100万円で済みます。つまり、買い付けに使った金額(出資額)にリスクが制限されているということなんです。
命までとられるような大損をすることはありません。
買いの場合の「リスクは有限」 ← これがポイントなのです。
2. 売りは命まで
次に「売り」の例を考えてみましょう。「売り」は投資をされたことがない方にはちょっとイメージが難しいかもしれません。簡単に言いますと、「株を持っている人から株を借りて売る」のが売りです。
例えばA社の株を100万円分友達から借りてきて、売ったとします。
翌日、A社の株は80万円になりました。本来なら、20万円損をするところでしたが、前日に売っていたので損せずに済みました。
この株を、80万円の時に買って友達に返せば、20万円手元に残りますよね。
逆に120万円に株価が上がってしまうと、20万円損してしまいます。
こういった取引のことを「空売り」とか「信用売り」と言います。
下落相場の時に儲けたい人が、よく使う手法です。
ただし、この方法には大きな欠点があります。
それは、株価の上がる可能性は無限にあるということです。
株価が、3倍、4倍・・・仮に100倍になってしまったとしましょう。どうなりますか? ものすごい損失になってしまいますよね。本当に自殺者が出るそうです。
売りの場合の「リスクは無限」←これがポイントです。
つまり、「売り」は危険ですよ!!ということを表現するために、
「買いは家まで」「売りは命まで」という言葉で表現しているわけです。
ちなみに今流行りのFXも売りから始めた場合、リスクは大きくなります。さらにレバレッジを大き目に設定してたりなんかして、値段が上がってしまうと・・・地獄絵図です(汗)
しかし、こんな程度の初歩の知識もないのに、「売り」やってしまう人もいるんですよねー。リスクの大きさをきちんと把握していなかったりすると、大変です!!
人間関係に当てはめたらどうなるの?
「株」を誰か他人という風に例えてみます。
今回はBさんとしましょう。そして以下のように置き換えて考えます。
①株が上がる:Bさんが幸せになる
②株が下がる:Bさんが不幸になる
1. 僕がBさんに幸せになってほしい!と心から思っていたとします
つまり、Bさんという株を「買った」と仮定します。
そうすると、Bさんの幸せ度合いによって以下のようになります。
①Bさんが幸せになった場合 : 僕も幸せ Bさんといい関係
②Bさんが不幸になった場合 : 残念・・・
Bさんが幸せになっても、幸せにならなくても「命まで取られる」ことはないですよね。僕の不幸度合いには上限があります。
2. 僕がBさんに不幸になってほしい!と心から思っていたとします
つまりBさんという株を「売った」と仮定します。
するとBさんの幸せ度合いによって以下のようになります。
①Bさんが幸せになった場合
僕は不幸。Bさん大成功者になりました。権力も地位も持っています。そして、自分の不幸を願った僕のことを恨んでいます。何とかして、僕に復習してやろう・・・と思っています。
②Bさんが不幸になった場合
僕は幸せです。
どうでしょうか?
Bさんの幸せ度や出世度合いには上限がありません。
Bさんが大出世して、世界の王様になったしましょう(極端な例ですが・・・)。
僕は打ち首にされるかもしれません。命を取られるかもしれません。
そうなんです。
人の不幸を願った場合のリスクは無限大!ですよね。
「売りは命まで」と同じですね。
だから僕たちは、人の幸せを願う人間になるべきです!
人の不幸を願うような人間にはなっていけないのです!
とはいっても、難しいよね
とはいっても大人の世界。
嫌いな人も出てきますし、ライバルを蹴落としたい・・・というケースもあると思います。
他人の幸せを純粋に願うって難しいですよね。
そういう時には「黄金律」を思い出してほしいですね。
黄金律とは聖書の中の原則で「イエス・キリスト」が言った言葉。
①「自分にしてほしいと思うことを、他の人にもしなさい」
というもの。
この言葉って日本人にはあまりなじみがないかもしれません。
日本人は、
②「自分にしてほしくないことには、他の人にしてはいけない」
と教わってきた人が多いと思います。
それで僕が思うのは、②って苦しくない?と思うのです。どちらかというと「我慢する」というネガティブな言葉に聞こえます。
それより素直に、①のように、自分にしてほしいと思うことを人に出来るようになれば、「他人の幸せを願うこと」も出来るようになるのではないかと思うのです。こっちのほうがポジティブですよね。
結論
買いは家まで、売りは命までの意味とは、
- 買いのリスクは有限
- 売りのリスクは無限
- だから売りには気を付けてください
これを人間関係に当てはめると、
- 人の幸せを願うリスクは有限
- 人の不幸を願うリスクは無限
それならもっと、ポジティブに「黄金律」に従って、
自分にしてほしいと思うことを人に出来るような人間になりたい!
ですね!
投資の話から、人生を語ってしまいました(笑)