「騒音」とは 人の感覚によって小さい音でも騒音と言われる

この記事では「音」「騒音」についてまとめています。また、騒音レベルとは何なのかも記述しています。騒音に関わる仕事をされている方、関係資格(公害防止管理者、環境計量士、作業環境測定士)を受験される方の参考になれば幸いです。

音とは

物理的には空気の振動です。

音を特徴づけるものには以下の3つの要素があります(音の三要素)

  • 音の大きさ
  • 音の高さ
  • 音色

騒音とは「好ましくない音」

騒音とは「好ましくない音」の総称とされています。

ですから、音の大小に関係なく「好ましくない」と感じた時点で、それは「騒音」と扱われるわけです。ですから人の感覚、主観によって騒音かそうでないかは決定されるんです。

公害防止の技術と法規の中では以下のように書かれています。

騒音というものが、「好ましくない音」「ないほうがよい音」などと漠然とした言葉で定義されるところに騒音問題の第一の特徴があり、問題の難しさがある。

・・・(中略)・・・・

その音が特に大きくなくても、また特別な種類の音でなくても、時として騒音問題として忌避されることがある。同じ音でもあるときには必要とされ、ある時には好ましくないとされるのである。

そしてその判断はほとんど主観に任されている。

(公害防止の技術と法規より)

確かにそうですよね。

僕にも経験があります。例えば、マンションに住んでいて隣の家から「ピアノの音」が聞こえてくるとします。しかも非常に上手な方が弾いているようです。

人によっていろいろな感想を持つと思います。

「上手なピアノの男が聞こえてくるなぁ・・いいなぁ・・」

「ピアノの音うるさいなぁ」

「この音楽は今日の気分じゃない!うるさい!」

人によって、異なる感じ方をするだけでなく、その日の気分によっても、その音を「騒音」とみなすかどうかは変わってきますね。

このように、主観的な問題であるところが「騒音問題」の難しさであるようです。

人の感覚を考慮した「騒音レベル」とは

音は音圧レベル「dB(デシベル)」で表すというのはよく知られていますよね。

しかし、実際に騒音とみなすかどうかは、先ほどの「人の感覚」を反映しなければなりません。しかし、人の感覚を定量的に評価は難しいです。

そのための助けになるのが「騒音レベル」という指標です。

これは、人の感覚を考慮して音圧レベルを周波数ごとに補正したものです(A特性補正)。

  • 環境基準や規制基準はこの「騒音レベル」をベースに設定されている。
  • 通常の騒音計で計測されるのはこの「騒音レベル」である。つまり騒音計で表示される「騒音レベル」は、既に周波数ごとの補正が終わった数値が表示されている。

騒音レベルって、便利な概念ですね。一般的に○○dBの騒音という時には「騒音レベル」を基に表現されています。そして、日常生活で「静かだな」と感じるのは45dB以下の時のようです。

騒音に関わる問題を解いてみよう

それでは復習のために、公害防止管理者試験で出題された問題を解いてみましょう。

問題 (公害防止管理者試験 騒音・振動概論 平成29年 問7より)

騒音の定義と騒音公害の特徴に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 騒音とは「好ましくない音」とされる音の総称である。
  2. 特に大きな音でなくても、騒音公害は起きることがある。
  3. 騒音公害は水質汚濁や大気汚染に比べて広範囲に広がりやすい。
  4. 騒音発生者との隣付き合いがある場合には、苦情の申し立てに躊躇する結果、感情問題を伴ってこじれることがある。
  5. 音という現象は空気中で物理的変化によるものであり、騒音を減衰させても処理物質は生じない。

正解と解説

正解は3です。

1と2は今回の記事の中で説明したとおり正しいです。騒音は「好ましくない音」の総称で、人の主観に基づきますよね。

4が正しいことは、わかっていただけると思います。

5も正しいですよね。騒音を減衰させてゴミが発生する・・・なんてありえないですよね。物理現象ですから。

一方で3は誤りです。確かに、水質や大気に関わる公害と比較したら範囲が狭いですよね。例えば、水質ですと「河川全体」「湾全体」を汚染してしまいますが、騒音でそのような大規模になることはないですからね。

公害防止の技術と法規の中では、以下のように記述されています。

騒音公害の特徴は、他の公害、例えば水質や大気の汚染に比べて極めて局所的であり、多発的であるということである。

この記事の目的

僕は、公害防止管理者の資格を保有しています(大気1種、水質1種、ダイオキシン)。

しかしながら公害防止管理者(騒音・振動)の資格だけ持っていないんですよね。騒音や振動には全くなじみがありません。しかしながら、公害防止管理者のホームページの運営をお手伝いしている立場としては、少しずつでも騒音や振動について勉強しておかないといけない。そういう思いで、騒音・振動について勉強したことなどをまとめています。そして、騒音振動の資格もゲットできればいいなと考えています(笑)。

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