この言葉をこの本のなかから読んだ時、僕は衝撃を受けました。
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佐藤航陽 幻冬舎 2017-11-29
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人間は、自分が存在していた時にすでに存在したテクノロジーを、自然な世界の一部と感じる。 15歳から35歳の間に発明されたテクノロジーは、新しくエキサイティングなものと感じられ、35歳以降になって発明されたテクノロジーは、自然に反するものと感じられる。 私たちの脳は一度常識が出来上がってしまうとその枠組みの中で物事を考えたり判断するようになってしまい、新しく誕生した技術などをバイアスなしに見ることが難しいのです。
(イギリス 作家 ダグラス・アダムス)
英語版
I’ve come up with a set of rules that describe our reactions to technologies:
1. Anything that is in the world when you’re born is normal and ordinary and is just a natural part of the way the world works.
2. Anything that’s invented between when you’re fifteen and thirty-five is new and exciting and revolutionary and you can probably get a career in it.
3. Anything invented after you’re thirty-five is against the natural order of things.
僕は現時点でまさに、35歳。
よく考えてみると、まさに僕にも当てはまる内容です。
というのも、僕にとってコンピューターとか携帯電話などは目新しく感じません。これらの技術は急速に広まり始めたのは20年前くらいですが、僕が生まれたときからすでに技術としてはありました。だから、僕はこれらを自然な世界の一部と感じているのでしょう。
それに対して、スマホとかAIとか仮想通貨に使われているブロックチェーン技術とかは「エキサイティングなもの」という感じがします。これらは、まさに僕が15歳から35歳の間に発明された技術です。
この時点で、上記のダグラス・アダムスの言葉は僕にそっくり当てはまっています。
36歳以上になって見える景色はどうなのであろうか?
ダグラス・アダムスによれば、36歳以上はテクノロジーに対して以下の見方になるようです。
35歳以降になって発明されたテクノロジーは、自然に反するものと感じられる。 私たちの脳は一度常識が出来上がってしまうとその枠組みの中で物事を考えたり判断するようになってしまい、新しく誕生した技術などをバイアスなしに見ることが難しいのです。
これは非常に恐いことです。
技術者が「オヤジ化」して、最新の技術についていく気がうせてしまう可能性があります。そんな風にオヤジ化した技術者は「老害」となってしまう可能性があります。
絶対に老害技術者になってはならないのです。
歳を重ねていくのは仕方ないですが、技術の前では年齢など関係ありません。
元三菱重工業の社長の大宮英明氏は頻繁にこのようなことを言っています。
技術は決してだませない(大宮英明氏)
まさにその通りです。テクノロジーは進歩し続けていますから、第一線の技術者として生きていくためには、いつも最新の技術についていかなければなりません。それが技術者なんだと思います。
何も勉強しなければ、僕も新しい技術を受け入れることが出来ない老害技術者になってしまう年齢です。本当に、気をつけなければなりません。
歳をとっても、技術の前では謙虚でいたいです。
僕が36歳以上になって見える景色はどうなるのでしょうか?
CPD(継続研鑽)という思想がある「技術士」資格は秀逸
技術士という資格があります。
技術士(ぎじゅつし、Professional Engineer)は、旧技術士法(昭和32年(1957年)法律第124号)を全面的に改正し新たに定められた技術士法(昭和58年(1983年)4月27日法律第25号)に基づく日本の国家資格であり、有資格者は技術士の称号を使用し登録した技術部門の技術業務を行える。科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある最高位の国家資格であり、この資格を取得した者は、科学技術に関する高度な知識、応用能力および高い技術者倫理を備えていることを国家によって認定されたことになる(Wikipediaより引用)。
この資格の秀逸なところは、技術士に対して、技術士法の中で「継続研鑽」を義務としているところです。
技術士の資格に合格した時点ではみな、かなりの技術力を持っているはずです。しかし、技術力は放っておくと陳腐化してしまいます。
それではだめなので「継続研鑽が必須です」と法律の中で宣言しているのが「技術士という資格」です。技術者のオヤジ化を防ぐことを法律で防止しているのです。
現時点で、CPD(継続研鑽)を怠ったからと言って、資格が取り消されることはありません。しかしながら技術士会では、一定のCPDを満たさない技術士は資格を取り消すことが検討されているようです。これから継続研鑽の必要性がもっと認識される時代が近づいていると言えます。
僕も技術士ですから「CPD制度」をうまく活用して技術力が陳腐化した「オヤジ技術者」にならないように精進しようと思っています。そうすれば、36歳以降も老害になれることを防げるはずです!!
僕が今まで出会ってきた、優秀な諸先輩技術者はいつもこのような努力を積まれていたんだろうな・・・と感じています。
「君がオヤジになる前に」
そういえばこういう話をブログん書いていると、
僕は堀江貴文さんの著書「君がオヤジになる前に」を思い出します。
この本の中では、オヤジになるのは「年齢に依存しない」、「若くてもオヤジになっている人はいる」、「歳をとってもオヤジになっていない人もいる」ということが書かれていました。
そうなんです、年齢ではありません!
これからオヤジ化しないために、36歳を迎える僕はもっと努力しなければならない!
そんなことを感じたのでした。
よし! オヤジにならないぞ!
「僕がオヤジになる前に」いろいろとやらないといけないことが出来てきそうです(笑)。