僕が唯一(?)仕事上で役立っているのが、公害防止管理者の資格です。
水質1種、大気1種、ダイオキシンの3種類の資格を持っています。このうち僕が選任されているのは公害防止管理者(水質一種)の代理人です。
事業所の中に公害防止管理者(水質1種)の資格を持っている人が2名しかいませんので、必然的に公害防止管理者もしくはその代理人になる必要があります。公害防止管理者の設置が必要な工場には「代理人」も設置する必要があり、最低2名の公害防止管理者資格の有資格者が必要だからです。
それでは実際に、公害防止管理者の代理人として勤務している僕の日常業務を紹介したいと思います。
資格を持っていることで優遇はある?
これは正直微妙です(笑)。
まず、僕の勤務先では「資格手当」と言う概念がありません。
そのため、金銭的に得をしたことは一度もありません。逆に資格試験の受験料や勉強するための教材などを自分のお金でやりくりしているのでマイナスです。
直接的な金銭でいうと「プラマイゼロむしろマーイ(古っ)」と言ったところです。
ただここ最近、技術士、電験、公害防止管理者、施工管理技士、中小企業診断士などの資格を持っている人に昇進に必要なポイントを付けますよみたいなキャンペーンをやっているようです。
ただしこのキャンペーン、はじまったばっかりで、いまいちどんなものか分かっていません。実際に、難関資格を持っている人が優先的に出世・昇進している雰囲気もありません。
ということで、感覚的には「待遇として何か良くなったという感覚は無し!」なのです。
せめて、褒めてくれればいいのに・・・・(笑)。
僕がいなくなったら、とりあえず工場の操業に困るはずですからね(笑)。
そういう意味ではこの資格を持っていることで「転勤」や「リストラ」の対象にはなりづらいという面があるかもしれません。それは、メリットと言えるかな・・・。
実際の僕の公害防止管理者(代理人)の業務
実際にあまり直接的に業務をしていないのが現状です(笑)。
それは、僕だけでなく、公害防止管理者(正担当)の方もそんな感じだと思います。
実際のオペレーションは包括で管理会社に委託をしています。ですから委託を受けた会社がほとんどすべてのオペレーションをしています。
僕が直接オペレーションをしたことは一度もありません。
ですから、「管理はするけど、オペレーションは委託先に任せた!」と言う状態です。
こういう雰囲気ですので、何か問題が発生しなければ公害防止管理者もしくは代理人が呼ばれることはほとんどありません。実際、普段の運転上ではほとんどトラブルもなく、非常に良い水質が保たれています。ですので、僕の出る幕はほとんどありません(笑)。
しかしながら、色んなこまごまとした、相談を受けることがあります。
そういう時にはしっかり、意見を言います。そして、公害防止管理者として「判断」をしなければならない状況も時々あります。そういう意味で責任感をもって公害防止管理者の仕事に取り組めていると思います。
現在の僕の業務は生産技術や生産管理が主です。ですから、その合間を縫って公害防止管理者業務をしているというのが実態です。
でも微生物に接する機会があって楽しい(笑)
僕は自分のハンドルネームを微生物の名前(めたのさえた)とするくらいの微生物好きです(いまさらだけど僕の名前「めたのさえた」の意味について説明します(属名:Methanosaeta))。
水質関係の公害防止管理者は「微生物を扱う仕事」です。と言いますのも、有機性排水の浄化や窒素、りんの除去は微生物処理が一般的だからです。
例えば、担当している設備の中に「脱窒装置(窒素除去)」があります。
この反応は好気性微生物(酸素がないと生きていけない微生物)と嫌気性微生物(酸素が苦手な微生物)の大きく2種類の微生物群を利用した反応です。
具体的には、
アンモニア性窒素 → 亜硝酸 → 硝酸 → 窒素ガス
と言う流れで、汚水中の窒素成分を窒素ガスに変換することで除去しています。
この反応にはNitorosomonas、Nitorobactor、Pseudomonas denitrificansなどの有名な細菌達が登場してきます。
微生物好きの僕は、こういった有名な微生物さんたちを利用して処理をしていると思うと、非常に楽しくなってきます。出来れば、どんな微生物が実際に作用していいるのか同定してみたいなと思うのですが、なかなかそんなことをしている時間もお金もありません。
いつか、やってみたいなぁ・・・・とは思っています(笑)。
「就活」の時には公害防止管理者の資格を持っていることを褒められた
僕は就職活動の時、現在、勤務している会社以外はほとんど「環境系の会社」「微生物系の会社」を受けました。実はあまり就職する気はなく「博士課程に進学する!」と言う思いが強かったです。そのため、就職活動にあまり身が入らなかったのですが・・・。
就職活動の際に「公害防止管理者(水質一種)」と「技術士一次試験(上下水道部門)」を保有していることをすごく褒められてました。そして、ほとんどの会社が僕に内定を出してくれました(結局すべて辞退したのですが・・・)。
なぜか、「環境系」「微生物系」の会社の内定を辞退した僕が「博士課程」にも進学せず今の会社に入ってしまいましたが・・。これにはいろんな理由があります(笑)。まぁ、そのおかげで、4人の子どもたちに恵まれ、技術士(経営工学部門)も取得できたので良しとしましょう!
将来、環境系の仕事に就きたいと思っている学生さんがこの資格を持っていると就活で有利になることを僕の経験が実証しています。
是非、公害防止管理者の資格を就職活動をひかえた学生さんに取得してもらいたいです。