以前、アドラー心理学の本「嫌われる勇気」を読んで、「アドラー心理学入門本 「嫌われる勇気」を読んでみた」と言う記事を書きました。
引き続き、今回は「マンガでやさしくわかる アドラー心理学」を読んでみました。
この記事ではまず、本書の解説とまとめをしてみたいと思います。
その後、僕が役立った点を紹介したいと思います。
アドラー心理学とは
本書の中ではアドラー心理学は「自己決定性」、「目的論」、「全体論」「認知論」、「対人関係論」という理論から構成されるとされています。
それぞれの内容が以下のように紹介されています。
アドラー心理学の理論
- 人間は環境や過去の出来事の犠牲者ではなく自ら運命を創造する力がある(自己決定性)
- 過去の原因ではなく、未来の目標を見据えている人間の行動には、その人特有の意思を伴う目的がある(目的論)
- 人は心の中が矛盾対立する生き物ではなく、一人ひとりかけがえのない、分割不能な存在である(全体論)
- 人間は、自分流の主観的な意味づけを通して物事を把握する(認知論)。
- 人間のあらゆる行動は、相手役が存在する対人関係である(対人関係論)。
そして、以上の理論を理解したうえで、
「つながりや絆の感覚」である「共同体感覚」に向けて自分自身および他者に対する「勇気づけ」が出来ることを目指している
とされています。
あー、もう全く意味が分かりませんね(笑)。
でも本書は、そのよく分からないアドラー心理学を分かりやすく説明しているのです。
本当に助かります。
本書のマンガの流れ
この本の流れを簡単に説明したいと思います。
主人公の前島由香里
本書は洋菓子店のエリアマネージャーに抜擢された28歳の女性「由香里」が主人公です。
この子は三人きょうだいの真ん中です。
兄:勉強がよくできて父から褒められらる
妹:父に上手く甘えられる
自分は兄に追いつきたい、だから頑張る、でも追いつけない・・・
という幼少時代を過ごしてきました。
アドラー心理学によれば、誕生順位によっておおよそ性格の傾向があるとされています。本書の中では誕生順位による性格の違いについても「第一子」「第ニ子」「中間子」「末子」「単独子」にわけて解説してあります(あくまですべてに当てはまるわけではないと注意書きがかいてありますが)。この理論も大変おもしろかったです。
由香里は「第ニ子」と「中間子」の典型的な特徴を持った性格をしている設定です。
さらに、幼少時代の人間関係を現在の職場での人間関係に照らし合わせて捉えてしまっているので、なかなか上手く人間関係が築けません。上司=父、同期のライバル=兄 のように問題をとらえてしまっているのです。
こういう背景をもった女性が主人公です。
物語の流れ
由香里はエリアマネージャーに昇格後、同期のライバルに負けないように頑張りますが、業績を抜くことが出来ません。それで、各店舗の店長たちに厳しくあたってしまいます。
そんな困った由香里の前に「アドラーのお化け(幽霊?)」がでてきて、アドラー心理学を指導してくれるようになります。
そんな中、由香里の厳しさに腹を立てた、店長たちが一斉に由香里に反旗を翻してきます。
この難局を、由香里はアドラー心理学を通して乗り切ることが出来ます。
この時に、
- 「原因論」と「目的論」があること
- 「建設的対応」と「非建設的な対応」があること
- パーソナリティーの違いを認めること
等について学んでいきます。
次に、海外出店の担当者をめぐって由香里は同期に対して過剰な競争心を持つようになります。そのために色んな失敗をします。
しかし、この難局も由香里はアドラー心理学を通して乗り切ることが出来ます。
この時に、
- 共感:他人の立場になって感じること
- 認知論と思い込み
- 対人関係論
- 短所を長所とみなすこと
等について学んでいきます。
最終的にはどんな終わりが待っているのかは、ネタバレになるのでやめておきます。興味がある方は是非読んでみてくださいね。
岩井 俊憲 日本能率協会マネジメントセンター 2014-07-04
売り上げランキング : 20023
|
僕にどんなふうに役立つだろうか?
僕にどのように役立つだろうか? と 仕事の視点 と 家庭での視点 で考えてみました。
仕事でどんな風に役立つだろうか 【人間関係】
やはり仕事をしていく上で、一番難しいのは「人間関係」。
でも、この本を読んで、
人間関係の難しさは自分自信が作り出しているんではないかな?
と思うようになりました。特に自分の「ライフスタイル」「認知の仕方」によって、自ら難しい人間関係を作り出してしまっているかもしれません。
そういう時は、相手のパーソナリティーを認めることや「共感」することで問題を解決することが出来ると思います。
仕事でどんな風に役立つだろうか? 【原因を探りすぎない】
本書の中では「原因を探ることは解決につながらない」と書かれていました。
「原因を探ることは”解説”にはつながるが解決にはつながらない」そうです。
僕は技術士なので、どうしても不具合があった時は原因究明をしたくなります。それが技術者の習性です(笑)。 それに、不具合の真の原因を探ることは非常に重要なタスクであり、経営工学でも重要な課題だと思います。
ですから、
「原因を探ることは解決につながらない」
という考えには「???」というう感じがしました。
でも、これ「人間関係の問題」に置き換えるとどうでしょうか?
人間関係の問題の原因を探りすぎて、その理由が分かって、解説できたとして、問題が解決する出ようか? おそらく、もっと状況が悪くなっているケースの方が多いのではないかと思います。
それよりも目的論で建設的対応をした方が結果的に上手く行きそうですね!
家庭でどんなふうに役立つだろうか? (子どもの個性編)
先ほど書いたように、生まれた順番や育ち方によって子どもには個性があって当たりまです。
子どものパーソナリティーを認めてやりながら「勇気づけ」出来る親にならなければなりません。親に悪気がなかったとしても、主人公の由香里のように「頑張っても認めてもらえない」「お父さんは他のきょうだいの方が好きなんだ」という気持ちにさせてしまうかもしれません。
子どものパーソナリティーを認められる親になりたいです!
家庭でどんなふうに役立つだろうか? (子どもの言動の真の意味を理解できる親になりたい)
目的論から考えると、子どもの言動には理由があります(もちろん大人にもですが)。
例えば、子どもが「喧嘩」をしたり「悪いことをする」理由が、
- 親から注目されたい
- 他のきょうだいより際立っている所を一つでも作りたい
などということがあり得ます。目的を「非建設的な方法」で達成しようとしているのです。
こういう状況は、子育ての中で沢山経験します。
子どもの気持ちを理解して、建設的に目的に近づいていけるようにサポートするのが親の仕事だなぁ・・・と感じました。
まとめ
同じアドラー心理学の本でも「嫌われる勇気」より読みやすかったなぁ・・と言うのが正直な感想です。そして、マンガなので具体的にイメージしやすかったのが良かったです。そのようなわけで、嫌われる勇気を読む前に本書(マンガでやさしくわかる アドラー心理学)を読んでみるのもおすすめです。
すこしずつですが、アドラー心理学の考え方で「自分」と「他者」を勇気づけできるような人間になっていきたいと思います! 頑張ります!
岸見 一郎,古賀 史健 ダイヤモンド社 2013-12-13
売り上げランキング : 43
|
マンガでやさしく分かる アドラー心理学の本を読んでます!! 嫌われる勇気とは違うよさがあるように感じます。#アドラー心理学#嫌われる勇気 pic.twitter.com/V15u3ByzOO
— めたのさえた (@kougainet) 2018年12月21日