生産管理部門の仕事とは何なの? 生産管理業務の「雰囲気」を伝える記事です

僕は、数年前に生産技術部門から生産管理部門に異動しました。

現在、就職活動や転職活動をされている方の中には、

生産管理職から募集がかかっているけど、生産管理部門ってどんな仕事をするの?

という疑問を持たれている方が多いのではないでしょうか?

僕は、生産管理部門に異動になって数年経ちました。

そして、生産管理部門に関係する資格である「技術士(経営工学部門)」を取得しました。そのようなわけで、かなり生産管理部門の仕事が分かるようになってきたと思うんです(とはいえ、まだまだ学ばなければならないことが多いですが・・・)。

このような訳で、今回は「生産管理職」の業務内容について説明したいと思います。

なお、生産管理と言う言葉の定義については「【求む!】「生産管理」という用語の「しっくり」くる定義」を参考にしてください。

また生産管理の仕事はどんなものか? 何? それって楽しいの?と言う人は「生産管理本 僕のお勧めは「THE GOAL」です!」の記事で紹介している本を読んでみてください。勉強になりますし、生産管理が好きになりますよ!

生産管理職の全体像

まずは、生産管理部門の全体像を説明したいと思います。

生産管理の仕事の内容を図にしてみました(なお、この図は日本経営工学会の経営工学読本の内容を一部改変して作成したものです)。

会社の業務や部門には、企画、情報システム、経理・財務、開発(設計)、調達、生産・物流、営業など・・色んな部門があります。

一般的に生産管理部門の仕事はそのどれにも属していません。

生産管理部門は会社全体の部門を「部分最適」ではなく「全体最適」となるように企業をコントロールします。その業務は経営者と近く、経営層と一緒にやらなければならない業務が多いです。

この「全体最適」というのが非常に難しいのです。

例を考えてみましょう。

営業部が実績を上げたいので、非常にたくさんの受注をしようとしています。

しかしながら、生産部門や調達部門はそんなに多くの受注を受けても実際には製品の製造が間に合いません。ですから、生産の一部をアウトソーシングに切り替えようとします。

しかし、アウトソーシングすることで情報システム部門はEDI(対外的にサプライヤなどとやり取りをするシステム)の改修が大変であると言います。

そして、システム改修のコストが回収できるかどうか経理部が悩んでいます。

こんな、あちらを立てればこちらが立たずの状況を「全体最適の視点」で解決していくのが「生産管理部門」です。ですから、企業の経営問題、経営者と密接に関係している部門であると言えると思います。

色んな専門家、そして「ゼネラリスト」の集まり

上記のようにいろんな分野にまたがる仕事をしますので、色んな人材が集まっています

  • ゼネラリストタイプ(浅いけど広くいろんなことを知っているタイプ)
  • スペシャリストタイプ
  • 複数分野のスペシャリストタイプ

入社した時点で「生産管理部門」に入った人に多いのが「ゼネラリストタイプ」。このタイプの方は広く浅くいろんなことを知っていて、「モロに生産管理分野の人!」という感じです。

「スペシャリストタイプ」は他の部門での業務を一通り経験した後、生産管理部門に入って来た人です。このようなタイプは確固たる「専門分野」を持っているので、生産管理部門の中で重宝され、ご意見番的な感じになることもあります。

さらに、複数の分野を経験してきた「複数部門のスペシャリストタイプ」もいます。このタイプの人は部門ごとの利害関係を理解したうえで、上手く会社を回していくのが得意なタイプです。

ちなみに、僕の場合は「複数部門のスペシャリストタイプ」かなと思います。入社時は生産技術を担当していましたが、海外生産や海外調達も経験しました。ですので、生産分野と調達分野の専門家です。

具体的にどんな仕事をしているの?

生産管理部門の仕事は非常に多岐に及びます。

ですので、その一つ一つを書いていくのは難しいです。一部の例を記載しようと思います。

「営業」情報に基づいて各部門への指示を出す

営業部門から「この製品がこれだけ売れそうだ」という情報をキャッチします。

その情報から「各部門がどんな仕事をすればいいのか」指令をするのは、生産管理部門の大事な仕事です。例えば、以下のよう指令を出します。

  • 開発部門にお客様のニーズを伝える
  • 生産部門の作業人員、設備投資計画
  • 生産量の指示
  • 在庫保有量の決定
  • 調達部門(資材部門)にサプライヤからの調達量について指示をする
  • 全部門からの情報を元に売価を決定、利益を予想する
  • 生産をアウトソーシングする場合、その具体的内容の指示
  • 部品を購入する時の物流指示
  • 部品を発送数るときの発送方法指示・・・

このように色んな指示を出します。このような業務がルーチンとして行われています。

生産管理システムの構築

生産管理は昔は「紙とそろばん」で行われていたそうですが現在では、コンピュータによって行われるのが一般的です。色んなシステムが使われます。例えば、ERP、EDI、MES、POSなど色んなシステムを扱います。

これらのシステムを構築するのも、たいていの場合「生産管理部門」の仕事です。ですから、生産管理部門には情報処理が専門の方も多く在籍していることが多いです。

この場合、各部門のニーズを適切に理解し、「全体最適」となるようなシステムを構築していかなければなりません。

生産拠点の立ち上げ・大規模設備投資

生産管理部門の担当者は「生産拠点の立ち上げ」や「大規模設備投資」参画しなければならないことが多いです。

しかも国内だけではなく、海外の生産拠点の立ち上げの場合もあります。

生産拠点の立ち上げには、色んな知識が必要です。生産管理部門の担当者は色んな経験をしていつも「全体最適」を目指していますから、このような「立ち上げ業務」のリーダに抜擢されることが多いです

この業務は自分の仕事が形になっていくので非常にやりがいがある仕事と思います。

しかしながら、外部に何年派遣されたり出張しなければならず、結構大変です。

場合によって、海外の生産拠点に駐在・・・ということも多いです。

僕もこの業務は何回か携わったことがあります。

サプライヤ、外注先、請負のサーベイ(監査、調査)、指導

生産管理の担当者は、その広い経験を活かしてサプライヤ、外注先、請負のサーベイ(監査、調査)をすることがあります。時には、技術的、経営的課題について指導しなければならない事があります。このような業務は大企業の生産管理部門担当者に多いと思います。

なんかコンサルタントの仕事をしているような気分になります。

ただ、いつもおこちらの意見を喜んで聞いてくれるわけではありません。

サプライヤなどの外部の人たちからは口に出さなくても「なんであんたたちにそこまで言われなきゃいけいないの?」と思われていることが結構あると思います。実際にそのようなことを言われたことのある人もいます。

こういう雰囲気は結構きついです。。。

僕は苦手な仕事の日一つですが、なぜか、時々やらされます。

いつか「それができないのなら、オタクとは取引できません」みたいなことを言わなければならない日が来ると思うと「ぞっ」とします。。嫌だなぁ。。下町ロケットみたいに恨まれそうです。

工場設備管理

工場設備の管理を生産管理部門の仕事にしている会社もあります。

例えば、会社内の電気設備、ボイラー設備、公害防止設備、エネルギー設備、危険物を扱う設備・・・など様々な設備を管理します。

このような管理の業務をしていくとためには電験三種、電験二種、ボイラー技士エネルギー管理士公害防止管理者危険物取扱者・・などの国家資格が必要な場合があります。

ちなみに僕は公害防止管理者の仕事をしています。

生産管理部門に入りたい人はどんな勉強をすればいい?

生産管理について学ぶ方法を紹介します。

大学、大学院で生産管理を学ぶ

生産管理部門の仕事は「経営工学」という分野に包含されています。

日本経営工学会が作成している「経営工学読本」の中では、経営工学が学べる大学が紹介されています。参考にしてくてください ⇒ 経営工学読本

資格の勉強を通して学ぶ

僕のブログの記事の中に「【一挙公開!】生産管理部門でスキルアップするために必要な資格一覧!!」という記事があります。

この記事にある資格を勉強・取得すれば、生産管理部門に配属されたときに役立つスキルが身につきます。是非参考にしてください。

全ての経験が生産管理業務では役に立つ

実は僕は生産管理部門では「全ての経験が役に立つ」と思っています。

それは生産管理部門の仕事が非常に幅が広いためです。ですから、「英語が出来る」「設計に打ち込んだ経験がある」「経理・簿記の勉強をしっかりやったことがある」「新しいプロジェクトを立ち上げたことがある」等、すべての経験が生産管理部門では役に立ちます。

現在、生産管理部門以外の部門で働かれている方で、将来的に「生産管理部門」に異動したいという方もいらっしゃると思います。そのような方は今の仕事に一生懸命取り組む」ことが一番大切なのではないかとおもいます。

生産管理部門では一つでも得意分野があれば重宝されるからです。

by カエレバ

まとめ

どうでしたか?

生産管理部門の業務ってなに? どんな仕事なの?など生産管理業務に関心がある方に少しでもお役に立ててば嬉しいなぁと思います。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク