皆さんは、3Hという言葉を聞かれたことがあるでしょうか?
僕は生産管理の仕事をしているので、この言葉は聞いたことはありました。
しかしながら、この言葉について真剣に考えたことはありませんでした。
その理由は、今まで僕にとって3Hとは以下のような印象でした。
「なんか現場で草の根的にやっている活動で、生産管理用語辞典に掲載されている内容でもない。技術士試験でも出題されたことがないし・・・、まぁあまり真剣に考えなくてよいでしょ。」
とそんな風に考えていたんですよね。
実際に、生産管理用語辞典に掲載されている数字の「3」がついている用語で掲載されているのは「3S」「3R」「3PL」の3つだけで、3Hは掲載れていませんでした。なので、生産管理の学問的には認められた用語ではないんでしょう。
しかし、私が購読している「工場管理」と言う雑誌の2019年1月号はこの「3H」の特集記事でした(”変化を見逃すな! ヒューマンエラー未然防止の3H” という特集記事です)。
ですから、どうしても目を通すことになりました。
目を通してみると、
「ああ、3Hってこういうことだったんだ・・・」
といろいろと勉強になりました。
と言うことで、僕がこの「工場管理」を読んで学んだことをまとめておきたいと思います。これから3Hについて学びたい、業務改善に取り入れたいという方の参考なれば幸いです。
3Hとは何なのか?
3Hはもともと古くから使用されている「安全作業標語」だったようです。
皆さんもご存知の通り、
- 初めて:初めてやる作業
- 変更:手順や方法が変更された作業
- 久しぶり:久しぶりに行う作業
の頭文字の”H”をとって3Hと称しています。
以上の3種類の作業または状況を指す。これらの作業においては、普段に比べ特にミスや失敗が発生しやすく、事故やケガといった災害につながることも多い(工場管理2019年1月号より)。
僕も工場管理の雑誌を読んで初めて知ったのですが、この3Hと言う言葉は「誰が提唱したかは明らかではない」んですね。
なお、ここに掲載されている絵が工場管理(2019年1月号)にも掲載されています。
3Hは”未然防止の技術”としての役割
僕がこの言葉について学んでいて、心に残ったのは、
3Hは未然防止の技術である
と言う点です。
災害や品質の不適合(不良)などって「再発防止をどのようにするか?」と言うことが問われるケースが多いです。何か問題があると、
- 再発防止のために調査・報告をしなさい!
- なぜなぜ分析をしなさい!
など、上司から言われて嫌になってしまうことはありませんか?
正直、僕もそのような経験はあります。
一方で、3Hは未然防止の技術です。
何かの作業をする前に、「初めての箇所はないか?」「変更点はないか?」「久しぶりのものはないか?」と問いかけることで、未然に問題を防止することを目指したものです。
このような特徴のため、「やらされている感がなく」未然に問題を防止できるため、従来の再発防止の検討と比較して「前向きな活動」ができる手法と言えると思います。
3Hの活動の定着には「仕組み」が必要
とはいえ、組織で仕事をするのですから、やみくもに、
「3Hで未然防止しよう!」
といってもなかなかうまく活動を続けていくことが出来ませんよね。
ですから、3Hを具体的な活動サイクルに落とし込んでいくことが重要です。
工場管理の中には、以下のように書かれていました。
未然防止の基本ステップは・・・7段階に分割すると分かりやすい。
(1)未然防止の動機付け
(2)リスクの事前抽出
(3)リスクの事前評価
(4)リスク要因除去活動
(5)リスク発生想定の事前対策
(6)未然防止の仕組みの改善
(7)安全文化の確立
(工場管理 2019年 1月号 一部改変。こちらも参照ください)
うーーん。確かにそうなんでしょうけど、少し話が抽象的になっているような気がします。僕なりにかみ砕いて解釈すると以下のように思っています。
- 3Hへの動機づけは大切
- 3Hを定着させるために「マニュアル化する」
- 結果を評価する
- さらに3Hマニュアルの内容を改善していく
- 上記のサイクルを繰り返す・・・
という、「PDCAサイクル」を回していかなければならないんだろうと思います。
工場管理の中では、「3H職場マニュアルの具体的な作成方法」と言う記事があり、マニュアルの作成方法、維持管理方法およびマニュアルに基づく教育訓練のやり方などが具体的に紹介されていました。3H計画シート、3H予知シート(サンプル)のサンプルも掲載されていました。これらの内容は、「なるほどなぁ」と思わされれる内容でした。
さすがに、その内容を全て掲載するわけにはいきませんが・・・
ネットを調べてみると、
以下のような3Hにかかわる面白いシートも公開されていました。
それが4Mと3Hをマトリックスにした表です。
これ、面白いですよね!!
このようなやり方で、3Hを使用して効果を出しているようですから、ぜひこの考え方を取り入れてみたいなぁと思いませんか?僕はそう思っています(笑)
まずは、4Mと3Hのマトリックスを使用していませんか?
工場管理(2019年1月号)の中で紹介されていた企業
2019年1月号の工場管理の中で、以下の企業さんが3H管理の事例と効果を紹介されていました。
色んな業界で効果があるようです(是非、見に行ってみたい(笑))。
それに薬局など医療関係での適用事例もあります。
ですから、3Hの考え方や管理方法はどんな業界にも適用可能だと思います。
皆さんもぜひ、チャレンジしてみてください!
詳しくは工場管理(2019年1月号)を読んでください
詳しくは書ききれません(笑)。
興味がある方は、工場管理(2019年1月号)にとっても詳しく書いてありますので、読んでみてくださいね(バックナンバーも購入できることがあります)!!