僕は設計者ではないので、高価な3D CADはあまり使いません。
とはいっても全く使ったことがないわけではなくて、Pro/Eの教育を受けたことがあります。また、時々、趣味でGoogle ScketchUPを使うことがあります。
とはいえその程度のレベルですので、あまり3D CADには詳しくありません。でも、機械系の技術者ならばある程度のことを知っておかないといけないのだろうと思います。
というのも、技術士(機械部門)の過去問に以下の問題が出題されたことがあるからです。
平成27年度 技術士二次試験(機械部門) 加工・FAおよび産業機械
CADデータについて、以下の問いに答えよ。
(1)サーフェースモデルとソリッドモデルについて、それぞれのモデルを構築する技術的特徴、長所、短所を述べよ。
(2)異なるCADシステム間でデータを交換するとき、標準のCADデータを用いて交換する方法があるが、その長所、短所を述べよ。
(3)CADデータ形式の一つとしてSTL形式があるが、その特徴と主な活用事例を述べよ。
この問題を見て、まず、僕は以下のようなレベルです。
- ソリッドモデルとサーフェースモデルって何?
- 異なるCADシステム間で使用する標準のCADデータってDXFとかのこと?
- STL形式? 何それ美味しいの?
こんな状態ではいけないですよね(汗)。
ですから、少し調べてみました。
ソリッドモデルとサーフェースモデルの違いとは?
ソリッドモデルとサーフェースモデルの違いについては、ものづくりWEBさんの説明がわかりやすかったです(こちら)。是非ご覧ください。
技術士試験の問題に回答するとして、概要をざっとまとめると以下のような感じです。
ソリッドモデル
- モデルの中身が詰まっている
- 中身が詰まっているため、体積、重量、重心などを簡単にモデル上で簡単に計算することが出来る(メリット)。
- ソリッド同士の干渉チェックが用意(メリット)。
- データ量が大きい(デメリット)。
- 複雑な形状に対してのモデリング機能が劣る(デメリット)。
サーフェースモデル
- モデルの中身が詰まっていない(面のデータだけを持っている)。
- 複雑な形状をモデリングするのに向いている(メリット)。
- 中身がないので、重量や体積、重心の計算が出来ない(デメリット)。
- ソリッドの干渉チェックが困難(デメリット)。
標準のCADデータを使用するときのメリット・デメリット
僕は標準のCADデータ言えば、DXFファイルしか思い浮かびませんでした(笑)。このデータ形式(DXF)は結構よく用いられます。民間の企業で開発された様々なCADで使用可能なデータ形式です。
その他に、SXF(SCADEC eXchange Format)について覚えておく必要がありそうです。このファイル形式は、ISOに定められたものだそうです。また後述される、3DCADではSTL形式についても覚えておく必要がありそうです。
長所と短所については以下のようなものがあるでしょう。
標準のCADデータ形式を使用するメリット
比較的たくさんのCADシステムで使用することが出来る
標準のCADデータ形式を使用するときのデメリット
全ての情報がそのまま引き継げるわけではない。このため、異なるCADシステムにデータを移行した場合、見栄えが異なったり、手直しが必要な場合がある。また、他のCADシステムで使用することを想定して、簡単な作図表現としておくことが望ましいことが多い。
っでSTL形式って何なの???
まったくわからなかったので、Wikipediaで調べてみました。
以下のように記載されておりました。
STLは三次元形状を表現するデータを保存するファイルフォーマットのひとつである。名称の由来は光造形法を意味する 英: Stereolithography である。後付けだが、Standard Triangulated Language や Standard Tessellation Language の略称とされることもある(Wikipediaより)。
どのように使用されるのでしょうか?
”三次元形状を小さな三角形の集合体として表現する”のでデータ構造が簡単です。
このため、ラピッドプロトタイピングに使用されることが多いです。ラピッドプロトタイピングとは開発の初期段階で形状をは把握するために3Dプリンター等でモデルを作成することです。確かにこのような場合に3Dデータを活用しようとすると、データ構造が簡単なSTL形式が適していると思います。
最後に・・・
うーーん。3Dモデルの世界も奥が深いですね・・。
いつかもうちょっと勉強してみたいです。でも、3D CADは超高額なので設計者以外はなかなか触らせてもらえないんですよね・・・。