ランドセル業界は近年の生産管理/経営工学のモデルだ!と気がついた(ラン活)

我が家の次男が来年小学一年生。ランドセルを購入するというのは、どの家庭にとっても一大イベントで、ランドセルを購入する一連のイベントを「ラン活」と呼ぶほどメジャーな行事となっているようです。

そんな「ラン活」に我が家も巻き込まれました。結構、高い買い物ですし、色や種類がたくさんあって悩んでしまいます。それに、半年以上も先に入学なのに・・・もう買うの?という感じです(笑)

その件については、うちの奥さんが記事を書いていますので是非ご一読を(笑)

2019年のランドセル事情!来年小学1年の次男のためラン活開始!
ラン活、無事終了!次男のランドセルを購入しました!

そして、ラン活をやっている最中に、気がついたんですよね。

「ラン活」って最近の経営工学や生産管理の問題をめちゃめちゃ反映している!!

ってことに。ということで、今回の記事ではランドセル業界がなぜ、近年の生産管理の課題を反映していると言えるのか・・を経営工学の技術士の目線で解説したいと思います!

ラン活は「生産管理のモデル」だ!!

ランドセルの業界は「生産管理にかかわる諸問題の縮図」と思います。

というのも、以下のような状態だからです。

  • 少子高齢化の影響をモロに受けていること
  • 色や形がたくさん増えていて、多品種少量生産、場合によっては受注生産に近い形態となってきていること
  • 昔は、小学校の入学直前にみんながランドセルを購入していたが、年々ラン活の時期が早くなり、今では春~冬まで幅広い時期に販売されるようになってきた。このため、「作りだめ」なかなかできなくなってきた。

このような、現象は様々な製品で見られることです。

でも、ランドセルは少子高齢化の影響を一番受けやすい商品の一つです。その中で、少品種多量生産から、多品種少量生産に切り替わっている・・・なんか、日本の製造業の課題を凝縮したような製品ですよね!!

そういう意味で、僕はランドセル業界は生産管理/経営工学の縮図でありモデルの業界なんだろうな・・・と思っていたのでした。

ランドセル業界も危機感を感じていた!

そんなことを思いながら、日刊工業新聞社発行の「工場管理」という業界紙を読んでいました。そうすると5月号に、まさに、ドンピシャ!!と思える記事がありました(笑)

タイトルは、

「つくりすぎのムダを退治して、需要に合わせたモノづくりへ」

というものです。この記事はランドセル製造の「セイバン」さんのモノづくりや生産管理の改善を説明したものでした。「天使のはね」で有名な会社ですよね。

まず記事の冒頭から僕の考えと同じ内容が掲載されていました。

今、ランドセルは多色・高機能化と少子化により、多品種少量が加速し、販売形態が大きく変化している。こうした課題に対して向き合う同社の取組みは他業種にも様々なヒントを示している

(日刊工業新聞社 工場管理2019年5月号より)

かつては4月の入学式に合わせて、商戦は前年の11~12月が一般的だった。近年では、販売のピークが早まり、ゴールデンウイークからお盆中にピークを迎え、12月中まで続く。

(中略)

「かつては、年末に合わせて、”つくりだめ”し、一気に出荷していました。今は従来以上に欠品を起こさないようにしつつ、売れ行きに合わせてタイムリーに供給する、需要連動型のモノづくりが必要になりました」。と説明する。

(日刊工業新聞社 工場管理2019年5月号より)

おー、まさにそうですよね。我が家もそれに巻き込まれいわゆる「ラン活」を開始しました。このように、ランドセル業界はまさに、最近の生産管理の課題を「最も抱えている」業界の一つなんですよね。

それに対して、「オーソドックス」な改善をたくさん盛り込まれているようでした。

  • 仕掛品の低減
  • ライン編成効率(ラインバランス)の向上
  • 正味作業時間の向上・・・など

課題は、最新のものですが改善内容は結構オーソドックスなやり方なんです。どちらかというと超基本的な誰でも知っている内容です。

やっぱり、経営工学の世界は「基本が大切」なんですよね。

身近な製品の生産管理の課題を思い浮かべると結構楽しい!

このように身近な製品の生産管理上の課題について思い浮かべたり考えたりすると、結構結構楽しいし勉強になります。

  • 自分がランドセルメーカーに勤めていたらどんな改善をするだろう
  • 経営工学の技術士としてコンサルティングするとしてどうするだろう

このようなことを考えているだけで、自分の中で盛り上がってきます(笑)

工場管理5月号の記事の中には掲載されていませんが、セイバンさんは今後は「AIとかIoTを導入してConnnected Industries」に取り組んでいかれることでしょう。

今後はもっと子どもが少なくなります。多品種少量生産になるでしょう。

そのような中でランドセル業界がどのように変化するか、そしてセイバンさんがどんな改善をしていくのか。経営工学の専門家としては非常に興味があります。

今後も「近年の最新の生産管理のモデル業界であるランドセル業界」に注目していきたいと思います!

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