製造にかかわる技術者や作業者の方は3Hという言葉を耳にしたことがあると思います。
以前の記事(3H(初めて・変更・久しぶり)についてまとめてみます)で書いた通り、3Hとは以下の意味です。
皆さんもご存知の通り、
- 初めて:初めてやる作業
- 変更:手順や方法が変更された作業
- 久しぶり:久しぶりに行う作業
の頭文字の”H”をとって3Hと称しています。
何も、難しいことを言っているわけではなくで、上記のような作業にはミスや事故がつきもの。品質や安全を考慮するうえで、3H作業は注意しないといけないですよね、ミスやトラブルの未然防止をしっかりやらないといけないですよね。。という概念を表したものです。
この考えは、特に製造現場で積極的に取り入れられています。未然防止のツールとしてとっても重要なんです。
しかしですね・・・。
僕はこの考え方を、
製造現場”以外”でも積極的に取り入れるべきではないかと思うのです。
久々にある場所に出張に向かった時に感じたこと
久々に外国のある都市に出張に行ったときに感じたことがあります。
少しそれについて振り返っておきたいと思います。
海外のある都市に数年ぶりに出張に行きました。
しかしながら数年前に何回も行ったことがある年なので安心しきっていたんですよね。ですから、あまり前もって準備することはしませんでした。
でも、やはり「久しぶり」に行ってみるといろんな変化がありました。
- 駅でのセキュリティーチェックの方法が変わっていて戸惑った
- バスの運賃が変わっていて、用意していた小銭では足りなかった(両替は嫌がられるが仕方なく、両替してもらった)
- ホテルの食事のレストランの場所が変わっていて、焦った
- 現金払いができなくなっていて焦った
- 取引先の会社に入場するときの入門管理が厳しくなっていて焦った(以前は名刺を出すだけでOKだったのに、関係者と連絡を取ったりする手続きが増えていた) など・・・
前と同じだろう、と思って準備を進めていたの得ですが、「久しぶり」だといろんなところが少しずつ変わっていたりします。たかだか、出張に行くだけなのですが、やはり前回と変更されていて、焦る部分が多かったのです。
まぁ、以前に行ったことがある都市なので対応もしやすかったですが、これがもし初めていく都市だったら・・・もっとしっかり前準備をしとかないと不安です。
目的地にたどり着けなかったり、海外特有のトラブルに巻き込まれて、盗難や事件に巻き込まれたりする可能性だってあります!
どんなことをする際にも3H(未然防止)の考え方は有用
先ほどの海外出張の話の中にも、3H「初めて・変更・久しぶり」の際にトラブルが起こりやすいことが、よく表れていると思います。そのことを考えると、
3Hによる未然防止は、
製造現場だけじゃなくて、どんな場所でもあてはまる!
と思うのです。
事例を考えてみます。
子育ての例
初めて子どもが生まれるときは、しっかり情報収集して事前にいろんなことを準備する親がい多いと思います。そして、その子が幼稚園や小学校に入るときには入園・入学説明会で一言も漏らさず話をよーく聞くでしょう。準備物もしっかり準備します。
しかし僕の場合、二人目以降になると最初の子ほど、しっかり準備をしなくなりました。でも、それが非常に危険だったのです。久しぶりに入園・入学説明会に行ってみますと、同じ園や学校でも意外にルールが少しずつ変わっている(変更)ことがあるんです。それなのに、前の子の時と一緒だろうと安心している・・・そんなときにミスは起こります。持ち物のサイズや形などの指定が変わっていたりしていて、間違えたものをもって行かしてしまったりしてしまうんですよね・・・。
そう考えると、子育てでも3Hの場合の未然防止の考え方を反映させて、ミスの防止や改善をしていくべきですよね。
車の運転の例
いつもと違う車に乗るとき(変更)、操作性が違って戸惑うことがありますよね。そういう時に限って事故をしたりしてしまうものです。特に、普段オートマしか乗らないのに、マニュアル車に乗ったりすると、坂道発進でパニックになりそうになったり(笑)。
久しぶりに車に乗るときもミスはつきものです。
車の運転の安全管理にも3Hの考え方は適用できそうですよね。
そのほかにも生活の全てで3Hの考え方は適用できる!
このように考えていくと生活の全ての分野で、3Hの考え方は適用できそうです。
- 家事(洗濯、掃除、炊事など)
- 買い物
- 旅行
- 職場
- 学校
- 子育て
- 病気になったとき ・・・など
どんな時でも3Hの場合の未然防止をしっかりと考えれば、スマートにこなして行けそうです!工場管理という雑誌の中には、以下のように3Hの未然防止に取り組むことが進められていました。
未然防止の基本ステップは・・・7段階に分割すると分かりやすい。
(1)未然防止の動機付け
(2)リスクの事前抽出
(3)リスクの事前評価
(4)リスク要因除去活動
(5)リスク発生想定の事前対策
(6)未然防止の仕組みの改善
(7)安全文化の確立
(工場管理 2019年 1月号 一部改変。こちらも参照ください)
どんな時でも”3H”を頭に入れておこう!
このように、3Hの考え方は生活の全ての分野で役立ちます。
身の回りの3Hをさがしてみて、3Hに該当する行動をとる際は、よーーく事前準備してみませんか?そうすると人生がスマートになり、大きなミスやトラブルがなく過ごしていけるのではないでしょうか?
今日はちょっと、そんな提案をしてみました(笑)。