生産管理や現場にかかわる仕事をしていると「かんばん方式」という言葉をよく聞きます。
これは、トヨタがジャストインタイムを実現する、また部品の作りすぎを防止するためなどの目的に開発した手法です。現場系のエンジニアなら絶対に知っておきたいな内容です。
経営工学部門の技術士の僕が簡単に解説していきます。
一般的な生産方式の考え方(プッシュ生産)
前工程が製作した部品を後工程に供給する方式。
当たり前のように思えますが、以下の時に部品を作りすぎてしまいます。
- 後工程と比較して前工程の生産能力が高いとき
- 後工程でトラブルがあり生産が止まったとき
このモノづくりの方法をしていると、生産ライン内に仕掛かり(在庫)が増加してしまうことになります。トヨタ生産方式で言うと「つくり過ぎのムダ」と「在庫のムダ」を発生させてしまうことになります。
かんばん方式の考え方
それに対してトヨタにおけるかんばん方式の考え方は、「後工程が必要な部品を前工程に引き取りに行く」というものです。プル生産方式の一つです。
主に2つのかんばんを活用します。
- 仕掛けかんばん
- 引き取りかんばん
かんばんを使用した製造の流れ
かんばんを利用した製造の流れを「前工程」と「後工程」に分けてみてみましょう。
後工程
(1)部品を使うときに「引き取りかんばん」を外す
(2)「引き取りかんばん」を持って前工程に部品を取りに行く
(3)「仕掛けかんばん」を外し、「引き取りかんばん」をつける
(4)「引き取りかんばん」をつけた部品を後工程に運ぶ
前工程
(1)引き取られると「仕掛けかんばん」が外れる
(2)「仕掛けかんばん」に指示された数だけ部品を製作する
(3)「仕掛けかんばん」を製作した部品につけて現場に置く
こうすることで「つくり過ぎのムダ」を防ぐことができますよね!
上記の内容を手描きで書いてみました!
(汚くてすいません。ちょこちょこっと自分の専門の内容を絵や図にできるといいのですが・・・なかなか難しいですね)
ポイントは以下の通りです
- 前工程は「仕掛けかんばん」が外れた(部品が引き取られた)ことがトリガー(引き金)になって製作を開始する。このため部品が引き取られ、「仕掛けかんばん」が手元にあるときしか生産着手できない。
- 仕掛けかんばんを外れるのは、後工程が引き取りに来たことによる。このため、後工程が引き取る形が構築できる(プル生産方式となる)
- 作りすぎることを防ぐことが出来る生産方式である。
かんばん方式の流れを説明したYOUTUBEの動画がありましたので参考に・・・。
トヨタ生産方式における7つのムダ
今回の記事ででてきた「7つのムダ」はトヨタ生産方式において非常に重要です。
トヨタ生産方式では以下のムダに注目します。これを「7つのムダ」と言います。
- つくり過ぎのムダ
- 手待ちのムダ
- 運搬のムダ
- 加工そのもののムダ
- 在庫のムダ
- 動作のムダ