以前、「生産管理本 僕のお勧めは「THE GOAL」です!」で書いた通り、僕のお気に入りの生産管理本はTHE GOALです。この本は、生産管理において重要な理論の一つである。制約条件の理論(TOC:Theory of constraint)を物語を通して学ぶことができます。
この度、この本の「コミック(マンガ)版」を読んでみました。
この記事ではコミック版の特徴とその感想などについて書いていきたいと思います。
大まかなストーリー
ユニコ社の神奈川工場の工場長を務める主人公「新城吾郎」は子ども二人の4人家族。ある日、本部長の「比留間昇」から3か月以内に工場を立て直すことが出来なければ工場が閉鎖されると伝えられます。
そのことについて悩んでいるときに、学生時代の恩師「ジョナ」に出会い、工場の問題点を指摘されます。しかし、ジョナは直接、答えを教えることはせずに吾郎に自分の頭で考えさせるようにします。
吾郎は工場の社員の助言や、子どもたちとのかかわりの中で改善のための「答え」を見つけていきます。その内容が「TOC」に直結しているのです。
なお、吾郎は仕事に没頭しすぎて家族の中で問題を起こしたりするのですが・・・その辺のドラマを含めて楽しめる構造となっています。
もちろん、最後はハッピーエンドですよ!
ドキドキしながら物語を楽しむことができます。「半沢直樹」を見ているみたいなノリで楽しむことが出来ますよ!!
コミック版ならではの特徴で読みやすく、話に引き込まれる
やはりコミック版ということで読みやすく、ストーリーで話の内容に引き込まれていきます。
なぜそうなのか考えてみると、
- 絵があるのでわかりやすく、感情移入しやすい
- 原作とは異なり「日本」が舞台となっており、日本人にとってイメージしやすい
- 登場人物も「ジョナ先生」以外は日本人なので感情移入しやすい
- 文字が少ないので要点のみが頭に入ってくる
- 短時間(1~2時間)でTOCについて学ぶことができ、集中力が持つため効率が良い
などの理由があると思います。
このような特徴から、分厚い原作を読むのは億劫だという方にお勧めできる内容になっているのではないかと思います。
ところどころに「エッセンスのまとめ」がありわかりやすい!
コミックは、ただただマンガになっているだけではありません。
ところどころに今まで学んできたことのまとめがシンプルにまとめられています。
どんなまとめがわかりやすかったかを以下記載してみます。
「まとめ」とマンガの内容をでTOCについてしっかり学ぶことだ出来るのです。
生産活動の効率の指標
TOCでは生産活動の効率の指標を「スループット」「在庫」「業務費用」としています。わかりづらいこの指標について、コミック版では以下のように「ずばっと」定義しています。
スループット
販売を通してお金を作り出す割合のこと
在庫
販売しようとするものを購入しようとするために投資したすべてのお金
業務費用
在庫をスループットに換えるために費やすお金
TOCの5つの集中プロセス
TOCにおける5つのプロセスについては以下のようにまとまっています。
分かりやすいです。
ステップ1
制約を見つける
ステップ2
制約をどう徹底活用するか決める
ステップ3
他のすべてをステップ2の決定に従わせる
ステップ4
制約の能力を高める
ステップ5
ここまでのステップで制約が解消したらステップ1に戻る
まとめ
このように、THE GOAL コミック版は非常に楽しめますし、勉強にもなります。
このため、
- 生産管理の仕事をこれから始める方
- 生産管理の仕事をしているが、その楽しさが分からない方
- 就職活動等をされている方で、生産管理の仕事に興味がある方
- 設計・開発者等で、現場のことを学んでみたい方
- 生産管理の勉強をしている学生さん
などに非常に役に立つと思います。
特に生産管理部門に配属された新入社員にはぜひ読んでいただきたいですね!!
漫画版を読んでます。生産管理に興味がある方、生産管理の仕事がつまらない方、にぜひ読んでほしいです。https://t.co/5zWEFUfQtN
生産管理本 僕のお勧めは「THE GOAL」です! https://t.co/hpbEaaIAwJ#生産管理 #経営工学 pic.twitter.com/77Us2P9IQJ— めたのさえた(英会話×筋トレ) (@kougainet) September 4, 2020