製造現場におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)について

最近、話題になっている「デジタルトランスフォーメーション(DX)」

ワードとしてはよく聞くのですが、いまいちよく理解できていないという方も多いと思います。もちろん僕もあまりよく理解できていません(汗)。

それで、この記事では自分の勉強のために、以下の内容をまとめてみようと思います。

  • デジタルトランスフォーメーション(DX)とはなにか?
  • 製造業におけるDXで可能となることについて
  • 製造業におけるDXの課題について

AI

DXとはなにか?

DXは「デジタルトランスフォーメーション」を略した言葉です。

僕が勉強した範囲でまとめるとすると、

「ITやデータ活用などをすすめることで製品やサービス、ビジネスモデルを変革して生産性の向上および新たな付加価値の創出を進めていくこと」

という表現が、現時点で一番しっくり来ています。

Connected Industriesの取り組みにより「様々な業種、企業、設備、データ、人、機械などが繋がる」ことができます。これによって、製造工程の2つのチェーンを結びつけ、効率化や生産性の向上、付加価値の創出ができるようになります。

なお2つのチェーンとは以下のものです。

  • エンジニアリングチェーン
    研究開発-製品設計-工程設計―生産などの連鎖
  • サプライチェーン
    受発注-生産管理-生産-流通・販売-アフターサービスなどの連鎖

製造業におけるDXで可能になることとは?

製造業におけるDXで可能となることとは何でしょうか?

前述の「エンジニアリングチェーン」および「サプラ−チェーン」で分けて考えてみましょう。

エンジニアリングチェーンで可能になること

エンジニアリングチェーンで可能になることとしては以下のものが挙げられます。

  • 研究・開発支援
    強化された計算能力やAIなどを研究開発等に活用することによる
  • 設計支援
    モデルの開発などを支援することによる
  • 企画支援
    顧客の仕様データなどを分析することによる

サプライチェーンで可能になること

サプライチェーンで可能になることとしては以下のものが挙げられます。

  • 共同受注
    工場ごとに仕事の受注量に山谷があるとサプライチェーン全体として無駄が発生してしまうことがある。このケースで多数の向上を一つの工場のように扱い全体最適となるような受注活動をする等
  • 技能伝承
    熟練した技能をIT技術を使用したり、データ化して技能伝承していく等
  • 物流最適化
    サプライチェーンの最適化を図る等
  • 販売予測
    顧客データなどから需要予測をする等
  • 保全効率化(遠隔保全、予知保全
    IT技術を利用して遠隔で保全を行ったり、得られたデータを活用して予知保全をすることで効率的な保全活動を行う等

製造業でのDXの課題について

製造業におけるDXの課題については以下のものがあります。

  • 国内製造業のデータ活用の遅れ
  • 基幹系にシステムにいわゆる「レガシーシステム」を使用している

一つずつ考えていきましょう。

データ活用の遅れ

日本企業の多くは、データの①収集面②活用面で遅れています。

2020年のものづくり白書によると、

国内製造業に対して、生産プロセスに関する設備の稼働状況等のデータ収集を行っているかを尋ねたところ、データ収集を行っている企業の割合は、2018年12月調査時の58.0%よりも7%減少し、51.0%となった(2019年12月)

とのことです。

この傾向は、個別の設備やラインおよび人員に係るデータ収集についても観察されています。

また、日本の製造業は海外の生産拠点で生産活動をしているケースが多いですが、海外でのデータ収集や活用もあまり進んでいません(本当はコロナ禍で、海外にあまり行けない状況なので、これが大切なのですが・・・)。

この原因としては、

  • ITやIoT技術を使いこなせる「デジタル人材」が慢性的に不足している事
  • これらの技術に予算が割けない状況にあること

などが挙げられます。

また、IoT技術を使ってデータを取得したとしても、そのデータを利用して生産性の向上や付加価値の付与につなげることのできる「データを活用できる人材」の不足も挙げられています。

このような課題を乗り越えていくたのアイデアが必要です。

レガシーシステムを使用し続けている企業が多い

ものづくり白書2020年度版によると、

経済産業省「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」の報告書「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」(平成30年9月7日)(図131-9・10)は、日本企業の約8割が、いわゆる「レガシーシステム」(複雑化・老朽化・ブラックボックス化した基幹系システム)を抱えていると警鐘を鳴らしている。

とされています。

レガシーシステムとは老朽化、複雑化、ブラックボックス化していて新しいITやエンジニアが手を加えたり改善したりしようとしても難しくなっているシステムのことです。いまだに、いわゆる「レガシーシステム」を基幹システムとして使用している企業が多いのです。

これにはどんな不利益があるのでしょうか?

以下のものが挙げられます(ものづくり白書の内容をまとめた)。

  • 爆発的に増加するデータを活用しきれず、デジタル競争の敗者となる
  • ITシステムの運用・保守の担い手が不在になり、多くの「技術的負債」を抱えるとともに、業務基盤そのものの維持・継承が困難になる
  • サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブルやデータ滅失・流出等のリスクが高まることも予想される
  • デジタル人材の引退やサポート終了などに対応できず、経済的損失を被る

このようなことから、レガシーシステムの使用継続は非常に危険です。

一時的にITの予算が増大してしまう可能性がありますが、レガシ−システムの使用をやめて、新しいシステムを運用していく必要がありそうです。

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