中国は「世界の工場」と言われています。
このことから、中国での生産、調達活動を行っている企業の数は非常に多いです。
また場合によっては、個人でも中国から輸入して、日本で販売するなどの事業を行われている方もおられるのではないかと思います。
僕は、中国での仕事をはじめて10年近く経過しています。
当然、技術士・技術者でもありますので、技術的な観点、また輸入に当たっての色々なテクニックや技術、法律などに関しても学んできました。
しかし、そういう技術的なものよりも「心構え」のほうが大切なのではないかと思います。
この記事では、中国での生産・調達活動を成功させるために大切な3つの「心構え」について、僕の思うところを紹介していきたいと思います。
それが以下になります。
- 絶対に相手を見下さない
- 絶対に嘘をつかない
- トラブルがあって当然
一つずつ解説していきたいと思います。
絶対に相手を見下さない
まずは、「絶対に相手を見下さない」ということです。
例えば「こういうものを作りたい」「こういうものを買いたい」というお願いをして、サンプルを製作したり、発注することがあると思います。
そして、出来上がってきたものが、「想像以上に品質のレベルが低い」「要求したものと全く違うものができてきた」というような経験される方が非常に多いと思います。
そうなると無意識のうちに、
「こんな事もできないのか?」
「こんな事も分からないのか?」
と思うことがあると思います。
そういう気持ちって、直接、声に出して言わなくても顔色などに出てしまうこともあります。
また、日本人同士で上のようなことを小声で話して、「日本語だから相手には伝わっていないはず」と思っていませんか?
でも、そういうムードや雰囲気は必ず相手に伝わります!
そして、中国の方は、人を見下すような態度を取る日本人をめちゃくちゃ嫌います。
では、私達はそういうときどのように考えればいいのでしょうか?
自分の側に非があるのではないか、と考えてみる
そのような態度を取らないた目にいちばん重要なことは、
「自分の側に非がないのか?」 と考えてみることです。
海外との取引なのですから、日本の常識が通用しなくて当たり前です。
「日本ではこうだから」という考え方は全く通用しません。
以下のように自問してみましょう。
- 自分の要求の仕方(提示した仕様)は正確か?
- 自分の要求の仕方(提示した仕様)は自分の思いをすべて網羅できていたか?
- きちんとした図面や仕様書を提示して仕事をしたか?
- 細部に渡る条件を、事前にうちわせしていたか?
このように、自分の側に問題があったのではないか?
と考えることで、人を見下すような態度を取らなくてすみます。
また、建設的な解決策を探ることができます。
普段から「中国」や「中国の人」の悪口を言わない
普段から悪気なく、「中国」や「中国人」のことを悪くいってしまう人って多いと思います。
- どうせ中国だから・・
- 中国品質だから・・
- 中国人だから・・・
みたいなことを言ってしまっていませんか?
そういう習慣って、ふとした瞬間に「相手の前」でも伝わってしまうのですよね。
普段から中国に関して、悪口を言うのではなくて、ポジティブな会話をするようにしましょう。
絶対に嘘をつかない
中国での仕事がうまくいくかどうかは、相手が私達のことを、
友達(朋友)(中国語では”ポンヨウ”)
と思ってくれるかどうかが非常に重要です。
一度相手から「友達」と思ってもらえると多少の無理が通じますし、本音で会話をすることができます。
中国で、中国人の方の友だちになるために最も大切なことは、
絶対に嘘をつかない(本音で会話する)
ということです。
中国の方は「嘘をつく人」をとても嫌います。
なので、いつでも本音で話すようにしましょう。
相手を見下さずに、本音で話し続けていればいつか「友達」と思ってもらえることもあるでしょう(個人の相性もあるので、必ずとは言いませんが)。
当然、社内の秘密などの観点から「言えない」「言ってはいけない」こともあると思います、
そういうときでも「嘘はつかない」。そして、言える範囲で情報を正直に提供するのが良いでしょう。
トラブルがあって当然
最後に「トラブルがあって当然」という考え方をすることです。
一度、失敗したら「中国での仕事は嫌だ」と思っていては、ビジネスは成功しないと思います。もっと長期的な目で見る必要があります。
そして、
トラブルがあって当たり前だ!
と思って、事前に準備をしておく事も大切です。また、トラブルがあっても取り乱さない精神力が必要です。トラブルが合っても粘り強く対処するのです。
海外での仕事です。
文化も考え方も違います。
このため、「最初からうまくいくわけがない」と思っておきましょう。
少々のトラブルは「織り込み済みだ」「想定内だ」と思えるメンタルの強さが大事です。
そう思っていれば、少々のトラブルならなんとか解決していけます。
結果的に中国でのビジネスを成功に導くことが出来るのです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は小手先ではない「考え方」の部分について僕なりの意見を書いてみました。
みなさんも中国に行かれて色々なことを感じられると思います。
僕と違う感覚を持たれる方もおられるかもしれません。
僕の考えを参考程度に聞いていただいて、ご自分なりの「中国での仕事のコツ」を探していただければと思います。
【ご参考】中国での隔離生活では「VPN」が重要
ネット規制が厳しい中国では、たとえネットに繋がっても日本でよく使うサービス(LINE、Google、yahoo、zoomなど)が満足に使用できない状態になってしまいます。
例えば、中国では「金盾」というファイアーウォールがあり、
ネットの接続がめちゃめちゃ制限されている状態です。
いくらネットが使えてもLINEで家族や友人と連絡が取れなかったら、ストレスが溜まってしまうことでしょう。これも生理的欲求に近いくらい重要な気がします。
このような場合、Wi-Fiだけではく、日本でよく使用されるサイトやサービスが利用できるように「VPN」を契約する必要があります(これがないと僕はブログの更新さえできません・・・)。
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