最近、技術者の世界で聞くことが多くなってきた「Connected Industries」という言葉。Society5.0やIndustry4.0などの言葉と一緒に登場することが多い言葉ですよね。
僕も、正直、この言葉についてあまり理解できていませんでした。
ただ、これださけばれているのですから技術者なら、そして技術士ならば絶対に知っておかないといけないだろうと思います。
ですから、一応僕は技術士です(笑)。
僕の勉強も兼ねて、この記事では、Connected Industriesについてできるだけ簡単にまとめてみたいと思います。皆さんの参考になりましたら幸いです。
Connected Industriesとは
Connected Industriesとは以下を通じて、産業競争力を強化。国民生活の向上・国民経済の健全な発展を図るものとされています。
- 様々な業種、企業、人、データ、機械などがつながって
- 新たな付加価値や製品・サービスを創出、生産性を向上
- 高齢化、人手不足、環境・エネルギーの制約などの社会問題を解決
このような内容ですから、超スマート社会を実現しようとするSociety5.0と密接に関係があります。
またこの概念は、経産省が提唱していることもポイントです。
国として推進しているんですね。
Connected Industriesの重点5分野とは
Connected Industries では、以下の5つの分野に重点的に取り組むとされています。
- 自動走行・モビリティサービス
- ものづくり・ロボティクス
- バイオ・素材
- プラント・インフラ保安
- スマート・ライフ
Connected Industriesにおける課題点
以下のような課題が挙げられています。
- セキュリティー対策(サイバー攻撃などへの防御)
- 全体最適システムの構築(部分最適を積み上げても全体最適にはならない)
- 中小企業への普及
- 担い手の不足
すこし、概略を説明したいと思います。
まずは、セキュリティー対策です。
Connected Industriesでは「つながる」ことが大前提となっています。
しかし、「つながりがあるということはサイバー攻撃などのリスクがある」ということであるともいえます。それこそ重要なインフラ設備(原子力発電所など)にサイバー攻撃が仕掛けられることだって、ありうるわけです。何らかの手を打たないといけないことは明らかです。ソフトや設備の導入だけにとどまらず、社員の教育や適切な管理体制の構築が必要でしょう。
次に、全体最適システムの構築です。
従来の改善活動というのは、自分の部署にとってメリットがあるか? 自社にとってメリットがあるか? などの狭い視点で行われていました。しかし、Connected Industriesの目指すところはサプライチェーン全体もっと言えば、社会全体の最適化です。
いままでの日本にはこのようなことを考えるという文化がなかったように思われます。ですから、人材育成を含めて大幅な転換が必要となると思います。そうなるとデータサイエンティストのような職業が重要になってくるでしょう。
3番目に中小企業への普及です。
実際問題、中小企業の経営者の多くはConnected Industriesと聞いても、
「なにそれ美味しいの?」 状態の方が多いと思います(笑)。
場合によっては、
- それって前のITブームが再来しているだけじゃない?
- そんなこと考えなくても、今、業績とってもいいしね。
という風に思われている経営者も多いでしょう。
そのような方々に、日本が国を挙げて取り組もうとしている、Connected Industriesを理解してもらって、推進してもらう・・・というのは非常に大きな課題だと思います。
最後に、人材育成です。
ただでさえ、いろんな産業で人材不足が叫ばれています。
しかしこれからは、Connected Industriesを実現できる人材はどんどん増やしていく必要がありますよね。人口が減る中で、この人材育成にどのように取り組んでいくか?非常に大きな課題になっていくと思われます。
(おまけ)技術士試験に出題されるかも??
これだけ、産学官すべてで話題になっているConnected Industries。
技術士試験で出題されるような気がします。
特に、経営工学部門、機械部門、電気電子を受けられる方は押さえておいたほうが良いと思います。
Connected Industriesって何?
自分の業界に当てはめるとしたら?
どんな課題があるか?
などを頭の中でシミュレーションしておくとよいのではないかと思います(笑)。
あくまで予想ですが、どこかの部門では必ず出題されそうです・・・(出題されなくても僕を責めないでくださいね(笑))
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