機械工学や建設・建設の分野では、梁の力学で、以下のような公式を覚えます。
・梁の曲げモーメント
・梁のたわみ
・断面二次モーメント(I)
・断面係数(Z)・・・など
僕は高専で、「式は覚え得るだけではだめだ、自分で導入できなきゃだめだ!」と先生から教わったものです。ですから、こういう式は自分で導入できるようになっておかないとダメだ!! と思っていました。
衝撃だったこと
最近、会社の若手社員と話していて、衝撃だったことがあります。
彼らはこういう式の導入をあまりやったことがないようです。
「機械便覧を見ればわかる」
「覚えておけば大丈夫」
「いまどきFEMでしょ!」
という感じです。
たしかにそれはそうなのですが、覚えているだけでは色んな複雑なパターンに対応できません。それに、FEMするんじゃなくて自分で原理を理解して手計算でできないと、それは「技術力がついていかない」と思うのですよね。
また、技術士一次試験では、こんな問題が出ます。
式を覚えていれば、悩む必要もないのですが、覚えてなかったら、自分で導くしかありません。それに、少しひねった問題が出ると対応できないですよね。
R5年度 技術士一次試験(機械部門)の問題より
答えは②です。
簡単に導けるのでやってみてほしい
せっかくなので、この問題を導いてみました。
問題風にしてみました(笑)。
まず、一番最初に反力を計算します。
今回の場合、等分布荷重で対照に荷重がかかっているので、簡単に反力を計算することが出来ます(非対称の場合や、複雑な荷重の場合はモーメントの釣り合いなどを利用して計算します)。
特定の地点(X地点)における曲げモーメントの一般式を計算します。
この時、負方向(左回り)の曲げモーメントがポイントです!!
以下の理屈で計算できます。
最大曲げモーメントはX=L/2の時に発生しますので、代入すると以下のようになります。
ちなみに定番の「せん断力図」「曲げモーメント図」は以下のようになります。
慣れればめっちゃ簡単だし、武器になる
この様に各種計算の式を自分で導入できるようになることは、慣れれば非常に簡単だし、武器になります。なれればもっとも難しい式も簡単にとけるようになります。
式を丸覚えするのではなく、導入できるようになりましょう(笑)。
【参考】