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水質概論
水質汚濁防止法(1) 水質汚濁防止法(2)
基本的な用語(1) 基本的な用語(2)
環境白書読んでますか? 富栄養化に関する問題
生物濃縮に関する問題 計算問題(1)
計算問題(2) 小テスト(1)
小テスト(1)の解説 環境マネジメント
窒素とリン 最近の水質汚濁の概況
水質汚濁と水質指標 計算問題(3)
水質汚濁防止法(3) まだまだ続く。。。

水質汚濁防止法(1)(ハドニスさんより問題を提供していただきました。)


初回は、ハドニスさんから提供していただいた問題を考えて見ましょう。


問)誤っているものを選べ。


(1)排出水を排出する者はその汚染状態が当該特定事業場の排出口において排出基準に適合しない排出水を排出してはならない。


(2)環境大臣は生活排水対策重点地域を指定しようとする時は、あらかじめ、関係都道府県知事の意見を聴かなければならない。


(3)都道府県知事は、公共用水域及び地下水の水質の汚濁の状況を常時監視しなければならない。


(4)環境大臣は、指定水域ごとに、当該指定水域に流入する水の汚濁負荷量の総量を把握するため、測量計画の作成上都道府県知事が準拠すべき事項を指示することが出来る。


(5)都道府県知事は、当該都道府県の区域に属する公共用水域及び当該区域にある地下水の水質の汚濁の状況を公表しなければならない。


答え(2)


水質汚濁防止法第14条の7の2
都道府県知事は、生活排水対策重点地域を指定しようとするときは、あらかじめ、関係市町村長の意見を聴かなければならない。」と書かれています。よって(2)は間違いです。(2)以外は全て正しいです。


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水質汚濁防止法(2)(ハドニスさんより問題を提供していただきました。)


問)水質汚濁防止法に定める事故時の措置に関する次の記述中、(ア)〜(エ)に入れる正しい組み合わせはどれか?


特定事業場の設置者は、当該特定事業場において、特定施設の破損その他の事故が発生し、有害物質または油を含む水が当該事業場から(ア)に排出され、または地下に浸透したことにより(イ)または(ウ)に係る被害を生ずるおそれがあるときは直ちに、引き続く有害物質または油を含む水の排出または浸透の防止のための応急の措置を講ずるとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を(エ)に届けでなければならない。


  (ア)    (イ)    (ウ)   (エ)

1.公共用水域  生活環境  自然環境  環境大臣
2.河川     人の健康  生活環境  環境大臣
3.公共用水域  人の健康  自然環境  都道府県知事
4.河川     生活環境  自然環境  環境大臣
5.公共用水域  人の健康  生活環境  都道府県知事


答え(5)


水質汚濁防止法第14条の2より
「特定事業場の設置者は、当該特定事業場において、特定施設の破損その他の事故が発生し、有害物質又は油を含む水が当該特定事業場から公共用水域に排出され、又は地下に浸透したことにより人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときは、直ちに、引き続く有害物質又は油を含む水の排出又は浸透の防止のための応急の措置を講ずるとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を都道府県知事に届け出なければならない。 」


よってDとなる。


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基本的な用語(1)


 今回はDOとBOD、CODについて学びましょう。これらはかなり基本の語句なので、必ず意味をつかんでおいてください。


DO(Dissolved Oxygen)
 溶存酸素量という意味です。単位はmg/L。
水中に溶けている酸素のことです。20℃での飽和値(もうこれ以上水に溶けない値)は20℃では8.84mg/Lです。ちなみに意外と重要なのですが、常識かもしれませんが温度が下がるごとに飽和DOは上昇します。これ結構出題されているので要注意ですよ。


BOD(Biochemical Oxygen Demand)
 生物化学的酸素要求量という意味です。水の有機物による汚れの程度を表しています。これは微生物が水中の有機物を分解するときに消費する酸素量で汚濁の程度を表しています。
 20℃で5日間培養後の消費DO(溶存酸素量)の量がBODとなります(希釈した場合などは希釈率も考慮する)。ちなみにこの指標は環境基準としては河川でのみ使用されています。単位はmg/L。


COD(Chemical Oxygen Demand)
 化学的酸素要求量という意味です。水の有機物による汚れの程度を表しています。水中の有機物などを酸化する際に消費される酸化剤の量を(有機物以外の還元性物質の分も計測してしまうことに注意)酸素量に換算したものです。河川以外の有機物の環境基準(海域、湖沼)はCODを環境基準として採用しています。測定方法としては酸化剤の種類によってCODcr、CODMnなどに分けられる。これらは測定技術の勉強のときに詳しく勉強したほうがよいと思います。単位はmg/L。


説明が下手ですいません。


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基本的な用語(2)


今回は用語について、ちょっとした問題から学びましょう。


問 次の水質項目の用語として、誤っているものはどれか。
(1) SS          浮遊物質
(2) TOC         全炭素量
(3) COD         化学的酸素要求量
(4) BOD         生物化学的酸素要求量
(5)TOD          全酸素消費量


答え(2)


(1)のSSは浮遊物質であっています。Suspended solid の略語でSSと言い、浮遊物質の濃度を表す用語です。
(2)は全炭素量ではありません。全有機炭素量です。気をつけてください。有機物としての炭素の量を表したものです。ゆえ(2)が誤りです。
(3)と(4)は「基本的な用語1」で解説しましたね。
(5)は正解ですその通りです。


それでは、この問題の中に登場した、TOCとTODについて詳しく述べたいと思います。


TOC(Total Organic Carbon)
 有機性炭素化合物を高温触媒のもとで酸化分解させ、生成した二酸化炭素を赤外線分析計で測定し手もとめることが出来る。無機体の炭素は含まれないことに注意!(無機体炭素を予め除去するか、後から差し引きで計算)


TOD(Total Oxygen Demand)
 微量の検水を酸素とともに燃焼管に送り込み、900℃、白金触媒のもとで検水中の有機物を酸化分解し、このとき消費された酸素量を測定する。液中の溶存酸素はカウントされないことに注意!(詳しくは良く分かりません。。。実は計ったことないんです。。すいません。もしよろしければどなたかか教えてください。)


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環境白書読んでますか?


毎年、水質汚濁の現状にかかわる問題が出題されます。中には「環境白書」を読んでいないと答えられないような問題が出題されることもあります。
環境白書を読んで、重要な点をまとめておくことをお勧めします。お金がかかるので、インターネットで環境白書を読んじゃいましょう。→ここ


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富栄養化に関する問題


 富栄養化に関する問題は毎年のように出題されています。富栄養化は絶対確認した方がいいです。


 ちなみに富栄養化とは、「湖沼や、内湾に栄養分が流れ込むことによって起こり、プランクトンなどが増殖し、水質を汚濁する」ことです。


以下のことを頭に叩き込んでください。
  • 富栄養化が起こると光合成によりpHが上昇する。
  • 富栄養化の主な制限因子はリンと窒素である。
  • 富栄養化はもともと自然に発生する現象である。(人の手が加わっていない場合でも発生。)
  • 富栄養化により、透明度は低下する。
  • 富栄養湖では、深水層底部で溶存酸素が消失して無酸素状態になることが多い。


練習問題


問1 富栄養化に関する記述として、誤っているものはどれか。

(1) 全リン量は、藻類現存量に影響しない。
(2) 水中の有機態窒素は、好気的条件下で微生物の作用によって硝酸塩になる。
(3) 硝酸塩は、嫌気的条件下における脱窒菌の作用によって、窒素として大気中に放出される。
(4) 窒素を体内に固定できる生物は、水中にも存在する。
(5) 淡水域では、一般に鉄よりもリンが植物プランクトンの生育の制限因子となっている。


答え (1)
富栄養化の主な要因は、窒素とリンの存在である。よって(1)は誤り。他は正しい。
(2)の選択肢の微生物群を硝化細菌という。
(3)の選択肢の微生物群を脱窒細菌という。



問2 用語に関する記述として、誤っているものはどれか。
(1) 富栄養化・・・・・・湖沼中の栄養成分の量が増えていく現象
(2) 生物濃縮・・・・・・水中の縣濁物質に生物が吸着する現象
(3) 水温躍層・・・・・・水深によって、水温が急に変わる層
(4) 塩水くさび・・・・河川の感潮域の下層部に海水がくさび状に入り込む現象
(5) 脱酸素反応・・・・好気性微生物などにより溶存酸素が消費される反応


答え (2)
(2)以外はすべて正しい。
生物濃縮とは、生物の体内に有害物質が蓄積していくこと。
よって(2)は間違い。



問3 次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 貧栄養湖のクロロフィルaの濃度は、おおよそ1mg/m3以下である。
(2) 地球全体の水のうち、利用できる淡水はその1%にも満たない。
(3) 我が国の内湾における水平方向の拡散係数は、104〜106cm2/s程度である。
(4) 富栄養化した湖沼の透明度は、10m以上である。
(5) 汚染物質の魚類における濃縮比は、100000を超すことがある。


答え (4)
富栄養化は、水が緑、又は黄緑色になり、透明度が低下する。(汚い緑の池をイメージしてください。あれが富栄養化です。)よって(4)は間違い。他は正しい。



問4 富栄養化現象に関する記述として、誤っているものはどれか。(平成17年1種試験より)
(1) 湖沼を水源としている水道水で異臭味が発生し、特にカビ臭が問題になることがある。
(2) 湖の栄養状態は透明度の程度によって分類され、透明度は生物に起因する濁りと関係している。
(3) 湖沼に栄養塩類が蓄積される機構は、湖沼を含む集水域の形状、地質、植生には影響されにくい。
(4) 湖沼内で透明度とクロロフィル量とが互いに反比例するのは、生物の生産活動によってプランクトンが増加し透明度が低下するためである。
(5) 窒素は主に硝酸塩となって溶存状で流入するのに対し、リンは土壌粒子に吸着されやすいため、土砂に伴って流入する。


正解 (3)
(3) 以外は全て正しい。例えば、水深などは富栄養化に多大な影響を与える。
(4) の富栄養化が発生すると濁度が低下する事はとても重要。また、(5) のリンが土壌粒子に吸着されやすい事なども重要。



こんな感じで出題されます。富栄養化を押さえておけば、1点は取れたも同然です。
自信をもって次に進みましょう。


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生物濃縮に関する問題


 生物濃縮に関する問題は、毎年出題されているわけではありませんが、かなり重要なポイントの一つです。これも押さえておくとよいでしょう。過去問をいろいろ調べてみました結果、「この問題が分かれば生物濃縮のほとんど全ての問題に対処可能」と思われる、よい問題を発見したので、その問題から生物濃縮について考えてみましょう。ちなみに、生物濃縮とは、環境中より高い濃度で生体内に有害物質が蓄積されていく現象のことです。


問 水域における生物濃縮に関する記述として、正しいものはどれか。
(1) 生物濃縮とは、生物が水から直接濃縮することをいい、食物連鎖を経て濃縮する場合には生物濃縮とはいわない。
(2) 生物濃縮係数は物質により異なるが、生物の種類には関係せず、すべての生物で一定である。
(3) 濃縮係数は、一般に水溶性物質で高く、脂溶性物質で低い。
(4) 難分解性で脂肪に溶けやすい性質を持った物質の濃縮比は、一般に食物連鎖の高位の消費者ほど高くなる。
(5) 生物濃縮とは、二段階以上の食物連鎖を経て濃縮することをいい、生物が水から直接濃縮する場合には生物濃縮とはいわない。


(1)は明らかに間違いですね。食物連鎖を経て濃縮する場合、さら濃縮されていく場合が多いです。例えば微生物→魚→人間といった具合です。
(2)は、なんか怪しいですよね。冷静に考えて、生物によって差があるほうが自然ですよね。
(3)これは全く逆です。水に溶けやすい物質は、尿などとなって排出されやすく濃縮性は低いでしょう。脂溶性のものは体内で脂肪等に蓄積されやすく、濃縮性が高いのです。
(4)は正しいです。食物連鎖の高位の動物が一番被害を受けます。だから、人間に被害が生じやすいんです。
(5)は間違いです。(1)の選択肢との兼ね合いからも明らかですね。


答え (4)


この問題の意味をばっちり覚えておいてください。きっと、生物濃縮に関わる問題が出ても余裕になるはずですよ。


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計算問題(1)


「計算問題」という響きだけで嫌気がする方もいらっしゃるでしょう。しかし、公害防止管理者試験において最も点を取りやすいのはなんと「計算問題」です。計算問題はこつさえ覚えてしまえば、本当に簡単に解けてしまいます。今回は計算問題を解くためのテクニックを学習してみましょう。
 そのテクニックのひとつは「単位操作」です。単位操作とは解答の選択肢に合うように(または計算しやすくするように)、問題文の単位を変化させるテクニックです。


では、まず例題を一問


BOD 2mg/L、流量 5m3/Sの河川に、ある工場がBOD 800mg/L、水量 1200m3/日の排水を放流している。この放流地点から10km先でのBOD濃度(mg/L)はいくらか。
ただし、放流地点から10km先までに完全混合するものとし、自浄作用によるBOD減少率は8%とする。
(1) 0.39  (2) 3.9  (3) 4.2  (4) 39  (5)42


この問題では最終的な単位はmg-BOD/Lです。(mg-BODとはBODの量「mg」を指します。)
最終的にこの単位にすればよいわけです。mg/Lという単位は濃度の単位ですよね。
濃度は水質の問題では基本的に、物質の量÷水の量で求めることが出来ます。


 まず、河川から流れてくる水と工場から流れてくる水の中に含まれているBODの総量(河川の中のBODと工場廃水の中のBOD)を求めましょう。単位はmg(BODという物質の量だから)になるはずです。これは物質の量(ここではBOD総量)を求めるためです。


問題文のmg/Lというのは濃度の単位なので、mgになおすためには容積の単位を掛けてやらなければなりません。
すると 
     河川については 2mg-BOD/L×5m3/S
  工場排水については 800mg-BOD/L×1200m3/日
                という式が出てきます。
しかしちょっと待ってください。これでは、時間を表す単位がバラバラです。
では、工場排水の流量の中の時間の単位の「日」を河川の流量の時間の単位の「S(秒)」にあわせましょう。(これが単位操作!!)
1日=24(h)×60(m)×60(s)=86400 S
ですね。
すると工場排水の量をm3/Sで表すと
  1200m3/日×(1日/86400S)=0.014m3/S
になりました。


これでBOD総量が以下の式で表せますね。
    

   BOD総量(mg)=(2mg-BOD/L×5m3/S)+(800mg-BOD/L×0.014m3/S)


これをトータルの水の量(L)で割れば濃度になるので
     BOD総量÷(0.014m3/S+5m3/S)=4.2mg-BOD/Lとなります。
これらは10km先までに完全混合し、8%減少するので、計算すれば、3.9mg-BOD/Lの(3)が答えになります。


* 5>>0.014なので事実上0.014m3/S(工場排水量)は上の式から省略できます。
* 数値の丸め方適当でやってます。


結構長くなりましたが、やっていることは簡単です。慣れてくれば一つの式で答えまで解けるようになりますよ。それでは。学習頑張ってください。もっとうまい解き方もあるので、ご自分で検討なさってみてくださいね。


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計算問題(2)


前回、計算問題を練習しましたが、今回も計算問題を練習してみましょう。
前回とは違うタイプの問題です。


工場が廃水処理によって90%の汚濁物質除去率を得ていたとする。これを改良して98%の除去率を得たとき、排出汚濁負荷量は何分の一になるか。
(1) 2  (2) 3  (3)  4  (4) 5  (5) 6


これはちょっと簡単すぎですね。単純に考えて(4)ですよね。
90%の汚濁物質除去率ということは、まだ、10%の汚濁物質が残っています。これが100-98=2%と減少します。このことから考えて、10%÷2%=5で、5分の1となります。
簡単すぎでしたね。。。。。。。。


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小テスト


 水質概論についての知識が深まったところで、小テストにチャレンジしてみましょう。実力を確かめてみましょう。全部で5問です。4点は必ず取ってください。簡単な問題ばかりです。


問1 水質汚濁の現状に関する記述として、正しいものはどれか。
(1) ヒ素の環境基準を超える地点はない。
(2) 海域におけるCODの環境基準達成率(達成水域数/あてはめ水域)は、ほぼ100%である。
(3) 湖沼におけるCODの環境基準の達成率は、海域の達成率より低い。
(4) 地下水の硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の環境基準超過の割合(超過数/調査数)は、他の基準項目よりも著しく小さい。
(5) 調査された環境水中からは、鉛は検出されていない。


問2 有害物質の毒性に関する記述として、正しいものはどれか。
(1) 毒性の弱い物質であれば、多量摂取しても毒性は現れない。
(2) 有害物質の毒性は、一般に水溶性物質のほうが脂溶性物質より弱い。
(3) 一般に有害物質が生活環境において体内に侵入する経路は、経口的及び経皮的経路の二つである。
(4) 暴露される純金属量が同一量であっても、一時に多量暴露した場合と、少量ずつ長期間暴露した場合では毒性が異なる。
(5) 金属化合物の毒性の強さは、その金属の化学種が異なってもほとんど同じである。


問3 水質汚濁の評価に関する記述として、誤っているものはどれか。
(1) 毒性の相乗効果とは、多種類の物質が混在すると単独であるときの作用を単純に加えた以上の効果を示すことをいう。
(2) 生物指標とは、各水域の生物の種類と個体数を調べることによって、汚濁の程度を判定する方法である。
(3) 水質は、水中に存在する物質の種類とその濃度を明らかにする方法によっても評価される。
(4) 水質汚濁物質には、環境中で長時間にわたり変化しないものと、化学変化、生物化学的変化などを受けて量や濃度が増減するものがある。
(5) 環境水中のCODとして検出されるものは、陸域から供給されるものだけである。


問4 富栄養化した水域に関する記述として、誤っているものはどれか。
(1) 藻類の光合成活動が盛んになり、pHが酸性に傾く。
(2) 藻類の異常発生が原因となって、魚のへい死を招くことがある。
(3) 藻類などの放出する物質や藻類構成成分の分解物質などによって強い不快臭が発生し、利水の上で問題となることがある。
(4) 底層部では貧酸素状態になり、鉄、マンガンなどの金属イオンが溶出しやすくなる。
(5) 富栄養湖の透明度は通常4〜5以下である。


問5 BOD1mg/L、毎秒10m3の流量を持つ河川にBOD500mg/Lの排水を毎秒0.1m3排出したとき、混合後の河川のBOD(mg/L)はおよそいくらか。
(1)  2   (2)  6   (3)  12   (4)  20   (5)  60



解答
問1 (3)
問2 (4)
問3 (5)
問4 (1)
問5 (2)



どうでしたか??
5点→かなり調子いいですね。じっくり勉強してください。
4点→間違えたところをよく考えてください。
3点→すこし冷静になって考えてみてください。
2点以下→とりあえず水質塾を最初から読み返してください。3点は取れると思います。


不明な点、質問等がございましたら、掲示板かメールにてお知らせください。


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小テスト1の解説1


問1 水質汚濁の現状に関する記述として、正しいものはどれか。
(1) ヒ素の環境基準を超える地点はない。
(2) 海域におけるCODの環境基準達成率(達成水域数/あてはめ水域)は、ほぼ100%である。
(3) 湖沼におけるCODの環境基準の達成率は、海域の達成率より低い。
(4) 地下水の硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の環境基準超過の割合(超過数/調査数)は、他の基準項目よりも著しく小さい。
(5) 調査された環境水中からは、鉛は検出されていない。


なぜ、この答えは(3)なのでしょう。答えは簡単です。
湖よりも海のほうが水が多いからです。水が多い方が効果希釈が働きやすいですよね。だから、環境基準を達成しやすいのは水が多い「海」なのです。結構、こういう問題多いので要チェックですよ。


問2 有害物質の毒性に関する記述として、正しいものはどれか。
(1) 毒性の弱い物質であれば、多量摂取しても毒性は現れない。
(2) 有害物質の毒性は、一般に水溶性物質のほうが脂溶性物質より弱い。
(3) 一般に有害物質が生活環境において体内に侵入する経路は、経口的及び経皮的経路の二つである。
(4) 暴露される純金属量が同一量であっても、一時に多量暴露した場合と、少量ずつ長期間暴露した場合では毒性が異なる。
(5) 金属化合物の毒性の強さは、その金属の化学種が異なってもほとんど同じである。


なぜ、この答えは、(4)なのでしょう?
考えてみてください、結構当たり前なことなのですが、健康に関する害には「急性のもの」と「慢性のもの」がありますよね。トータルで摂取した量が同じでも、摂取の時間、量などの要因が変化すれば、健康への害の形も変わってくるはずです。


問3 水質汚濁の評価に関する記述として、誤っているものはどれか。
(1) 毒性の相乗効果とは、多種類の物質が混在すると単独であるときの作用を単純に加えた以上の効果を示すことをいう。
(2) 生物指標とは、各水域の生物の種類と個体数を調べることによって、汚濁の程度を判定する方法である。
(3) 水質は、水中に存在する物質の種類とその濃度を明らかにする方法によっても評価される。
(4) 水質汚濁物質には、環境中で長時間にわたり変化しないものと、化学変化、生物化学的変化などを受けて量や濃度が増減するものがある。
(5) 環境水中のCODとして検出されるものは、陸域から供給されるものだけである。


なぜ、この答えは(5)なのでしょう?
 水の中でも、光合成などによって有機物が合成され、COD(有機物の汚れの指標)として検出されることがあります。藻類だって光合成してますしね。


問4及び5は、以前の水質塾のなかから簡単に答えることが出来ます。じっくり考えてみてください。
それでも分からなければ、掲示板などで質問するのもいいかもしれませんね。


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環境マネジメント(つばめさん提供)


去年(2004年)の水質1種の問題でこんなのがありましたね。
受けてない私があれですが、公害防止管理者の受験者の方にはなじみが薄いと思いますので、ちょっと解説してみます。


問 環境マネジメントに最も関連の少ない用語はどれか。
(1)レッドリスト
(2)環境報告書
(3)ISO14000シリーズ
(4)LCA
(5)ゼロエミッション


(1)○ レッドリストは絶滅のおそれのある野生生物を選定したリストで、これを基にレッドデータブックが作成されます。環境マネジメントとは関係ありません。


(2)× 環境報告書とは事業者が環境マネジメントシステム、環境パフォーマンス、環境会計情報等を取りまとめた報告書で、広く社会に公表し、消費者、投資家、取引先、地域住民等の利害関係者との環境コミュニケーションを行うためのものです。
 環境報告書には環境マネジメントの状況を記載するため、非常に関連があります。


(3)× ISO14000シリーズは1992年の国連環境開発会議(地球サミット)の要請(アジェンダ21第23条及び第24条等)を受けて、組織の活動が環境に与える影響を評価し、活動を管理していこうという環境管理システムの国際標準化が国際標準化機構(ISO)によって行われ、1996年に環境管理システム(ISO14000〜9)、環境監査(ISO14010〜19)を国際規格として認定し、発効しています。
その後、環境ラベル、環境パフォーマンス評価、ライフサイクルアセスメント(LCA)などの規格が順次制定されました。
 前記のとおり、ISO14000シリーズは環境マネジメントに関する国際規格なので関連があります。


(4)× LCAとはライフサイクルアセスメントのことで、ISO14000シリーズの一部を構成しています。内容は企業が製品やサービスの原料採取、生産、加工、消費、廃棄、リサイクルに至る過程を通じて、消費される資源、エネルギー及び発生する環境負荷や影響を算定し、環境への影響を評価する手法です。
これは環境マネジメントの手法ですので、非常に関連があります。


(5)× ゼロエミッションとは産業界における生産活動の結果排出される産業廃棄物をゼロにして、循環型産業システムを目指し、全産業の製造過程を再構成することにより、新しい産業集団(産業クラスター)を構築しようとする国連大学が提唱している構想です。今まで廃棄物や廃熱として捨てられていたモノやエネルギーを必ずリサイクルして無駄に使用しないということで、環境マネジメントが最終的に目指しているところです。


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窒素とリン


Mさんの質問
湖沼や貯水池における藻類量と栄養塩との関係で、リンの方が窒素よりも相関が高いのはなぜですか?
基本的な質問ですみません・・・。


管理人 めたのさえた の回答
とっても難しい質問ですね。言葉の表現が難しいというか。。。
個人的な考えですが、窒素とリンはどちらとも生体必須元素なので「どちらが相関が高い」とは言うには論理性が無いような気がします。どちらかが無ければ
生物は生きることができないのですから。
しかし、確かに、リンは窒素より重要になる場合があります。ここで重要なポイントは微生物が増殖するのに乾燥重量でリンは1%前後、窒素は5%前後必要
ということです。
環境と微生物(産業図書) 」にはこのような記載がありました。


窒素制限環境では1mgの窒素があればその20倍の菌体を合成できるし、リン制限環境では1mgのリンがあればその50〜100倍の菌体を合成すること
ができることになる。各種水域で増殖した藻類等の菌体は最終的には死滅し従属栄養細菌によって分解されることから、増殖した藻類は有機汚濁物質と見なす
ことができる。すなわち、閉鎖性水域には1mg/Lの窒素が流入した場合には約20mg/Lの有機物が、1mg/Lのリンが流入した場合にはおよそ
50〜100mg/Lの有機物が流入した場合と等価になる。


このような考え方をすれば、確かに、リンの方が相関性が高いとも言うことができます。


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最近の水質汚濁の概況


最近の公共用水域の水質汚濁の概況に関する記述として、誤っているものはどれか。(平成17年1種試験より)
  • (1) 総量規制3海域のうち、CODの環境基準達成率が最も低いのは瀬戸内海である。
  • (2) 平成13年度全国公共用水域水質測定結果によると、カドミウム等の健康項目の環境基準達成率は99%以上と、ほとんどの地点で達成している。
  • (3) 健康項目のうち、環境基準を超過したものには、鉛、ヒ素、フッ素、ホウ素などがある。
  • (4) BOD又はCODの環境基準の達成率は、河川>海域>湖沼の順である。
  • (5) 健康項目のうち、アルキル水銀では環境基準を超過した地点はない。


正解 (1)
平成17年度の環境白書より (1) は誤り。達成率が最も低いのは伊勢湾である。
(2) は正しい。
(3) その他の健康項目のうち、環境基準を超過したものにはジクロロメタン、1,2 ジクロロエタンや硝酸及び亜硝酸性窒素が含まれる (平成15年度) 。ホウ素は平成15年度は環境基準を超過しておらず、平成14年は超過していた事に注意 (平成17年度環境白書) より。
(4) は正しい。平成9年度以降この傾向が見られている。
(5) 正しい。


 この手の問題は、毎年のように出題されている。環境白書を読んでいればなんて事の無い問題である。


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水質汚濁と水質指標


水質汚濁物質と水質指標に関する記述として、誤っているものはどれか。(平成17年1種試験より)
  • (1) 環境水中のCODには、植物プランクトンなどの繁殖に由来するものも含まれる。
  • (2) 水を介して感染する病気として、消化器病、皮膚疾患、眼病、寄生虫病があり、病原性の細菌、ウイルス、寄生虫卵などの存在がその原因である。
  • (3) 生活環境項目のうち有機物の汚濁指標として、BOD、COD、TOC及びTODが水質汚濁防止法で規制されている。
  • (4) 金属元素や難分解性物質などは、環境中で長時間にわたって変量しないため、保存性指標という。
  • (5) 健康項目には、1,1,1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンが含まれている。


正解 (3)
生活環境項目のうち、有機物の汚濁指標として、水質汚濁防止法で規制されているのはBODとCODだけである。
(1) は正しい。光合成などによる内部生産もCODの中に含まれる。
(2) (4) (5) も正しい。


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計算問題(3)


BOD2mg/L、毎秒5m3の流量の河川に、BOD500mg/Lの排水を日量800m3排出したとき、河川のBOD濃度(mg/L)はおよそいくらか。
  (1) 2   (2) 3   (3) 4   (4) 5   (5) 10


正解 (2)
= 河川のBOD濃度 (mg/L)

となる。ただし単位の扱い方には要注意である。上の式は単位がバラバラで計算しにくい。
単位の扱い方を考慮して上の式を表すと以下のように記す事ができる。
これを解いてやると約3mg/Lとなる。


この手の問題は、単位にさえ注意していれば簡単に解く事ができる。答えのmg/Lにうまく単位をあわせるように計算すれば、ほとんど何も考えなくても解く事ができる。


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水質汚濁防止法(3)(平成17年1種試験より)


水質汚濁防止法に関する記述として、誤っているものはどれか。
  • (1) 汚濁防止を図る根本の対策は、水域へ排出される汚濁負荷量を減少させることである。
  • (2) 水質に係る環境基準は、水質保全行政の目標として公共用水域の水質について達成し、維持することが望ましい基準を定めたものである。
  • (3) 生活環境項目については、河川、湖沼、海域ごとに利水目的等に応じた水域類型を設けている。
  • (4) 健康項目については、全公共用水域一律に定められている。
  • (5) 水生生物の保全に係る水質環境基準は、健康項目に位置づけられ、鉛に係る環境基準が定められている。


正解 (5)
(5)以外は全て正しい。
正しくは「水生生物の保全に係る水質環境基準は、生活環境項目に位置づけられ、亜鉛に関する環境基準が定められている。」


これは環境業界ではホットなトピックスで、技術士等の試験にも出題されている。


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これから数を増やして行きますのでどうぞよろしくお願いします。


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