公害防止管理者試験を受験される方を支援するホームページを管理している者として、公害について簡単に説明しようと思います。
まず、公害ってなんでしょうか?
デジタル大辞泉での解説によると
事業活動などの人為的な原因から、地域住民や公共一般がこうむる肉体的、精神的、物質的な種々の被害や、自然環境の破壊。大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音・悪臭・振動・地盤沈下など。(デジタル大辞泉より)
とありました。いわゆる典型7公害の説明ですね。
ちなみに皆さんは、公害と聞かれ頭に浮かぶのは何でしょうか。
私は、小学校の社会科の授業で習った「四日市ぜんそく」や「水俣病」がまず頭に浮かびます。
これらは、四大公害病として小学校の頃に習っているのではないかと思います。
そして、この四大公害病 公害総論のKindle問題集を編集しているときに気がついたのですが、公害防止管理者等国家試験の公害総論でもよく出題されるんです。
ってことは、公害防止管理者試験は小学生でも解ける問題があるってことですね!
そこで、4大公害をおさらいしておきましょう!
・水俣病
・四日市ぜんそく
・イタイイタイ病
・新潟水俣病
これらの4つが四大公害とよばれるものです。
発生場所 | 主要な原因物質 | |
---|---|---|
水俣病 | 熊本県水俣市 | メチル水銀化合物 |
新潟水俣病(第二水俣病) | 新潟県阿賀野川流域 | メチル水銀化合物 |
四日市ぜんそく | 三重県四日市市 | 二酸化硫黄 |
イタイイタイ病 | 富山県神通側流域 | カドミウム |
上記の表は、公害の主な原因となった物質と発生場所です。
小学校の頃、習ったことを思い出してきたでしょうか?
では、公害総論でこの4大公害がどのような問題として出題されているのでしょうか?
四大公害病と称されているものとして,誤っているものはどれか。(平成29年度 公害総論より)
⑴ イタイイタイ病
⑵ カネミ油症
⑶ 新潟水俣病
⑷ 水俣病
⑸ 四日市ぜん息
この問題はすぐわかりますね。上記の表が4大公害なので、ここで誤っているのは(2)カネミ油症です。
ちなみに、カネミ油症とは
カネミ油症は、昭和43年10月に、西日本を中心に、広域にわたって発生した、ライスオイル(米ぬか油)による食中毒事件です。
事件の原因は、カネミ倉庫社製のライスオイル(米ぬか油)中に、製造の際の脱臭工程の熱媒体として用いられた、鐘淵化学工業(現カネカ)社製カネクロー ルが混入していたことでした。このため、ポリ塩化ビフェニル(PCB)や、ダイオキシン類の一種であるポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)等が、製品のラ イスオイル(米ぬか油)の中に混入しました。
症状は、吹出物、色素沈着、目やになどの皮膚症状のほか、全身倦怠感、しびれ感、食欲不振など多様です。こうした症状が改善するには長い時間がかかり、現在も症状が続いている方々がいます。(厚生労働省ホームページより引用)
よって、正解は(2)
小学生でも解ける問題が出題されていました!
環境問題とその主な原因となった物質の組合せとして,誤っているものはどれか。(平成28年度 公害総論より)
(環境問題) (主な原因となった物質)
⑴ 水俣病 有機水銀
⑵ 富栄養化 りん及び窒素の化合物
⑶ 光化学大気汚染 オゾン
⑷ 地下水汚染 トリクロロエチレン
⑸ 四日市ぜん息 窒素酸化物
これも、4大公害の主な原因物質が分かれば解けますね。
富栄養化など他のものが分からなくても、四日市ぜん息の原因物質が二酸化硫黄だと知っていれば、(5)が誤りだと分かるからです。
よって、正解は(5)
我が国における環境問題と主要な原因物質の組合せとして,正しいものはどれか。(平成23年度 公害総論より)
(環境問題) (原因物質)
⑴ 四日市ぜん息 一酸化炭素
⑵ 水俣病 六価クロム
⑶ イタイイタイ病 ひ素
⑷ 富栄養化 窒素,りん
⑸ 酸性雨 二酸化炭素
ちょっとこの問題は4大公害だけ知っていれば解けるというわけじゃないですが、正解を絞り込むことは出来ます。
正しい組み合わせを選ぶので、四日市ぜん息、水俣病、イタイイタイ病の主要な原因物質がそれぞれ二酸化硫黄、メチル水銀、カドミウムということが分かれば、(4)(5)のどちらかが答えだという所まで絞り込めます。
ちなみに、酸性雨の原因物質は硫黄酸化物や窒素酸化物、塩化水素などなので、くみあわせとして誤りです。
したがって、(4)が正解だということが分かります。
以上のように、小学校で習った4大公害を知ってるだけで1問は解けることが分かりました!小学生でも1問は解けるんです。
まぁ、毎年この4大公害が問われる問題が出ているわけではないのですが。。。
ぜひ、この4大公害の事をこの記事を読んで思い出してみてください。きっと小学生のころ習ってるはずです!