このページでは、文系出身の管理人 ろど・すた子が平成28年度 公害総論の解説をしていきます。
ろど・すた子個人の考え方で解説をしているので、分かりにくい点や間違っている点などがあるかもしれません。そのような解説を発見されましたら、ご連絡を下されば幸いです。
それでは早速、平成28年度 公害総論の解説を始めます!
問1 | 環境基本法の定義に関する記述中,下線部分(a~j)の用語の組合せとして,誤っているものはどれか。 |
1 この法律において(a)「環境への負荷」とは,人の活動により(b)地球に加えられる影響であって,環境の保全上の(c)支障の原因となるおそれのあるものをいう。 2 この法律において(d)「持続的発展」とは,人の活動による地球全体の(e)温暖化又はオゾン層の(f)破壊の進行,海洋の汚染,野生生物の(g)種の減少その他の(h)地球の全体又はその(i)広範な部分の環境に影響を及ぼす(j)事態に係る環境の保全であって,人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。 |
(1) | a, c |
(2) | b, d |
(3) | e, g |
(4) | f, h |
(5) | i, j |
解説
環境基本法第2条を見てみると、
(b)は地球ではなく環境なので誤り
(d)は持続的発展ではなく地球環境保全なので誤り
正解は(2)
問2 | 環境基本法に規定する環境基準に関する記述中,ア~オの( ) の中に挿入すべき語句(a~f)の組合せとして,正しいものはどれか。 |
( ア )は,大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染及び騒音に係る環境上の( イ ) について,それぞれ,人の健康を( ウ )し,及び生活環境を( エ )する上で維持されることが望ましい( オ )を定めるものとする。 a:環境大臣 d:条件 b:基準 e:保護 c:政府 f:保全 |
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) | |
(1) | a | b | f | e | d |
(2) | a | b | e | f | d |
(3) | c | b | f | e | d |
(4) | c | d | e | f | b |
(5) | c | d | f | e | b |
解説
環境基本法第16条によると、
( 政府 )は,大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染及び騒音に係る環境上の( 条件 ) について,それぞれ,人の健康を( 保護 )し,及び生活環境を( 保全 )する上で維持されることが望ましい( 基準 )を定めるものとする。
とある。
よって、正解は(4)
問3 | 環境基準に関する記述として,誤っているものはどれか。 |
(1) | 「水質汚濁に係る環境基準について」に定める人の健康の保護に関する基準値は,年間平均値とする。ただし,全シアンに係る基準値については最高値とする。 |
(2) | 「水質汚濁に係る環境基準について」に定める人の健康の保護に関する基準値のうち,ふっ素及びほう素の基準値は海域については適用しない。 |
(3) | 「ダイオキシン類による大気の汚染,水質の汚濁(水底の底質の汚染を含む。)及び土壌の汚染に係る環境基準について」の大気及び水質(水底の底質を除く。)の基準値は,年間平均値とする。 |
(4) | 「騒音に係る環境基準について」の基準値は,航空機騒音,鉄道騒音及び建設作業騒音には適用しないものとする。 |
(5) | 「大気の汚染に係る環境基準について」は,二酸化いおう,一酸化炭素,浮遊粒子状物質,光化学オキシダントが設定されているが,これらは工業専用地域,車道の地域又は場所について適用される。 |
解説
「大気の汚染に係る環境基準について」は,二酸化いおう,一酸化炭素,浮遊粒子状物質,光化学オキシダントが設定されているが,これらは工業専用地域、車道その他一般公衆が通常生活していない地域または場所については、適用しないので誤り。
よって、正解は(5)
問4 | 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律に規定する特定工場の対象業種でないものはどれか。 |
(1) | 製造業(物品の加工業を含む。) |
(2) | 電気供給業 |
(3) | ガス供給業 |
(4) | 熱供給業 |
(5) | 産業廃棄物処理業 |
解説
特定工場の対象業種は製造業(物品の加工業を含む。) 、電気供給業 、ガス供給業、熱供給業の4業種である。
よって正解は(5)
問5 | 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律に規定する公害防止統括者に関する記述として,誤っているものはどれか。 |
(1) | 常時使用する従業員の数が 20 人以下である特定事業者は,公害防止統括者を選任しなくてもよい。 |
(2) | 公害防止統括者は,当該特定工場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。 |
(3) | 公害防止統括者の選任は,公害防止統括者を選任すべき事由が発生した日から 30 日以内にしなければならない。 |
(4) | 特定事業者は,公害防止統括者を選任したときは,その日から 7 日以内に,その旨を当該特定工場の所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。 |
(5) | 特定事業者が公害防止統括者の選任を怠ったときは,50 万円以下の罰金に処せられる。 |
解説
特定事業者は、公害防止統括者を選任したときは,その日から 30日以内に,その旨を当該特定工場の所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。
とあるので、7日以内というのは誤り。
よって、正解は(4)
問6 | 環境問題とその主な原因となった物質の組合せとして,誤っているものはどれか。 |
(環境問題) | (主な原因となった物質) | |
(1) | 水俣病 | 有機水銀 |
(2) | 富栄養化 | りん及び窒素の化合物 |
(3) | 光化学大気汚染 | オゾン |
(4) | 地下水汚染 | トリクロロエチレン |
(5) | 四日市ぜん息 | 窒素酸化物 |
解説
四日市ぜん息の主な原因物質は二酸化硫黄なので誤り
よって、正解は(5)
問7 | 現在の環境状況に関する記述として,誤っているものはどれか。 |
(1) | 平成 25 年度における我が国の温室効果ガス総排出量は,平成 2 年度のそれと比べて約 10 %減少した。 |
(2) | 成層圏オゾン層破壊に関与するクロロフルオロカーボンの大気中濃度は,減少傾向にある。 |
(3) | 二酸化窒素の大気中濃度の年平均値は,一般環境大気測定局,自動車排出ガス測定局ともに緩やかな改善傾向にある。 |
(4) | 公共用水域全体における BOD 又は COD の環境基準達成率は,この数年間,数%の範囲内でほぼ横ばいで推移している。 |
(5) | 平成 27 年版環境白書によれば,悪臭の苦情件数は,平成 25 年度までに 10年連続で減少した。 |
解説
平成25(2013)年度の温室効果ガスの総排出量は14億800万トン(二酸化炭素(CO2)換算)、平成2(1990)年度の総排出量(12億7,000万トン)と比べて、10.8%(1億3,800万トン)の増加である。
よって、正解は(1)
問8 | 地球温暖化に伴う様々な影響の予測に関する記述として,誤っているものはどれか(IPCC:第四次評価報告書(2007)による)。 |
(1) | サンゴの白化が増加して,広範囲でサンゴが死滅する。 |
(2) | 21 世紀末には平均海面水位が,20 世紀末より最大約 60 cm 低下する。 |
(3) | 高緯度地域と湿潤熱帯地域では,水利用可能性が増加する。 |
(4) | いくつかの感染症媒介生物の分布が変化する。 |
(5) | 沿岸域では,洪水と暴風雨による損害が増加する。 |
解説
海面上昇量の予測結果は、今世紀末で18〜59cmと予測されている。
よって、正解は(2)
問9 | 光化学オキシダントに関するア~オの記述のうち,誤っているものはいくつあるか。 |
(ア) | 光化学オキシダントは,大気中の NOx と非メタン炭化水素を含む VOC などが関わる光化学反応で生成する。 |
(イ) | 光化学オキシダントには, 1 時間値が 0.12 ppm 以下という環境基準が設定されている。 |
(ウ) | 光化学オキシダントの 1 時間値の年間最高値が 0.12 ppm 以上の測定局は,最近 5 年間(平成 21 ~ 25 年度)では増加する傾向にある。 |
(エ) | 光化学オキシダントの主成分はオゾンで,約 60 %を占めている。 |
(オ) | 光化学オキシダント注意報の発令延べ日数は,年によって増減している。 |
(1) 1 (2) 2 (3) 3 (4) 4 (5) 5 |
解説
(ア)は、正しい
(イ)は、光化学オキシダントには, 1 時間値が 0.06 ppm 以下という環境基準が設定されているので誤り。
(ウ)は、ほぼ横ばいで推移しているので誤り。
(エ)は、光化学オキシダントの主成分はオゾンで,90 %以上を占めているので誤り。
(オ)は、正しい。
よって、正解は(3)
問10 | 大気環境の保全のために移動発生源に関して実施されている施策として,誤っているものはどれか。 |
(1) | 軽油中の窒素分の低減 |
(2) | 船舶の排出ガス対策 |
(3) | ディーゼル重量車の排出ガス対策 |
(4) | 自動車税のグリーン化 |
(5) | 公共車両優先システムなどの交通流対策 |
解説
(1)は軽油中の硫黄分の低減なので誤り。
よって、正解は(1)
問11 | 成人 1 人が 1 日当たり排出する生活排水中の汚濁物質を原単位(g/(人 ・ 日))の大きい順に並べたとき,正しいものはどれか。 |
(1) | BOD > COD > 全りん > 全窒素 |
(2) | BOD > COD > 全窒素 > 全りん |
(3) | BOD > 全窒素 > COD > 全りん |
(4) | COD > BOD > 全りん > 全窒素 |
(5) | COD > 全窒素 > BOD > 全りん |
解説
生活排水中の汚濁物質の原単位(g/(人 ・ 日))として、BOD 40、全窒素 10、全りん 1程度排出される。
よって、正解は(2)
問12 | 騒音・振動公害に関する記述として,ア~ウの の中に挿入すべき語句,数値の組合せとして,正しいものはどれか(平成 25 年度環境省調べによる)。 |
・騒音の発生源別苦情件数では( ア ) が最も多い。 ・振動の発生源別苦情件数では( イ )が最も多い。 ・道路に面する地域における騒音の環境基準の達成状況は,約( ウ )%である。 |
(ア) | (イ) | (ウ) | |
(1) | 建設作業 | 工場・事業場 | 80 |
(2) | 工場・事業場 | 工場・事業場 | 80 |
(3) | 建設作業 | 工場・事業場 | 90 |
(4) | 工場・事業場 | 建設作業 | 90 |
(5) | 建設作業 | 建設作業 | 90 |
解説
・騒音の発生源別苦情件数では( 建設作業 ) が最も多い。
・振動の発生源別苦情件数では( 建設作業 )が最も多い。
・道路に面する地域における騒音の環境基準の達成状況は,約( 90 )%である。
よって、正解は(5)
問13 | 廃棄物に関する記述として,誤っているものはどれか。 |
(1) | 産業廃棄物とは,事業活動に伴って生じた廃棄物のうち,燃え殻,汚泥,廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物及び輸入された廃棄物をいう。 |
(2) | 平成 24 年度における産業廃棄物の総排出量は約 3 億 8 千万トンであり,ここ数年減少傾向にある。 |
(3) | 事業者は,その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。 |
(4) | 都道府県は区域内の一般廃棄物の処理責任を負う。 |
(5) | 一般廃棄物には,し尿も含まれる。 |
解説
一般廃棄物については、市町村が区域内における一般廃棄物の処理責任を負うことになっているので、誤り。
よって、正解は(4)
問14 | 化学物質の管理に関する記述として,誤っているものはどれか。 |
(1) | PRTR 制度とは,様々な排出源からの環境への排出及び廃棄物等として移動される化学物質の量の届出を行うものである。 |
(2) | PRTR 制度は,企業にとって排出量の削減や環境への配慮に対する評価手段として有効であると広く認知されている。 |
(3) | 我が国では,化学物質の製造・使用事業者に対し,第 1 種指定化学物質について事業所からの環境への排出量及び廃棄物等として外部に移動した量の月次報告を義務付けている。 |
(4) | 安全データシート(SDS)には,該当化学物質の性状及び取扱い方法を記載する。 |
(5) | 事業者が届け出る量のほかに,国自身が別途実施する届出外排出移動量等推計値を集計することで,国全体の量が把握できる。 |
解説
我が国では,化学物質の製造・使用事業者に対し,第 1 種指定化学物質について事業所からの環境への排出量及び廃棄物等として外部に移動した量の年度報告を義務付けているので誤り。
よって、正解は(3)
問15 | ライフサイクルアセスメント(LCA)に関する記述として,誤っているものはどれか。 |
(1) | LCA は,製品に付随する環境側面と潜在的影響を評価する技法の一つである。 |
(2) | LCA で考慮すべき影響として,地球や生態系への環境影響は含まれていない。 |
(3) | LCA の実施手順として,四つのステップが ISO 規格で標準化されている。 |
(4) | インベントリ分析では,対象となる製品に関わるインプット及びアウトプットのデータを収集し明細表を作成する。 |
(5) | LCA の結果は,環境調和型製品の開発や省エネルギーへの応用,生産プロセスの改善などに利用されている。 |
解説
LCA で考慮すべき影響として,地球や生態系への環境影響は含まれているので誤り。
よって、正解は(2)