典型7公害をご存知ですか?7つすべて答えることができるでしょうか?
ちなみに、この七公害は環境基本法に記載されています。
この法律において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。第二十一条第一項第一号において同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。
(環境基本法第2条第3項)
そう、上の太い赤字が典型7公害です。
これら7つの公害にはそれぞれ法規制があります。それもご存知ですか?
公害防止管理者試験で出題されることもあるので、知っておくと役に立つと思います。
◎大気の汚染・・・大気汚染防止法
◎水質の汚濁・・・水質汚濁防止法
◎土壌の汚染・・・土壌汚染対策法、土壌汚染防止法
◎騒音・・・騒音規制法
◎振動・・・振動規制法
◎地盤の沈下・・・工業用水法、ビル用水法
◎悪臭・・・悪臭防止法
ちなみに、土壌の汚染の法規制にある「土壌汚染防止法」は通称であって、正式名称は「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」といいます。
同じように地盤の沈下の法規制の「ビル用水法」も通称で、正式名称は「建築物用地下水の採取の規制に関する法律」といいいます。
私は、通称の方ばかり使用していたので、それが正式名称だとばかり思いこんでいました。こんなに長い正式名称があったとは!
調べてみて始めて知り、勉強になりました。思い込みはいけないですね。
これらの法規制は、公害防止管理者等国家試験の公害総論でよく出題されるところなので要チェックです。
例えば、平成26年度試験の公害総論では以下のような問題が出題されています。
次の法律とその法律に規定されている用語の組合せとして,誤っているものは どれか。
(法律) (用語)
⑴ 大気汚染防止法 敷地境界基準
⑵ 水質汚濁防止法 指定物質措置基準
⑶ 土壌汚染対策法 要措置区域
⑷ 建築物用地下水の採取の規制に関する法律 ストレーナーの位置
⑸ 悪臭防止法 臭気指数
(1)大気汚染防止法 第18条の5に 敷地境界基準の項目がある
(3)土壌汚染防止法 第6条に 要措置区域の項目がある
(4)建築物用地下水の採取の規制に関する法律(通称「ビル用水法」)第4条に ストレーナーの位置についての記述がある
(5)悪臭防止法 第2条に 臭気指数についての記述がある
よって、正解は(2)となります。
もう1問、平成27年度試験の公害総論でも出題されています。
次の法律とその法律の定義に規定されている用語の組合せとして,誤っているものはどれか。
(1)大気汚染防止法 有害大気汚染物質
(2)水質汚濁防止法 特定物質
(3)土壌汚染対策法 特定有害物質
(4)悪臭防止法 特定悪臭物質
(5)地球温暖化対策の推進に関する法律 温室効果ガス
特定物質とは大気汚染防止法によって定められるものです!
水質汚濁防止法には特定物質はありません。
よって、正解は(2)となります。
以上のように、公害防止管理者等国家試験の公害総論でも出題される典型7公害とその法規制は、公害防止管理者試験を受験される人は要チェック項目です!