塑性加工については素人の僕ですが、機械系技術者としての資質を向上を図るために、技術士(機械部門)をめざすために、勉強してみました。皆さんの役に立つかもしれませんので共有しておきたいと思います。
塑性とは
金属材料は一定の力が変形しても、力を除いたときに元に戻る性質があります。しかしながら、降伏点と呼ばれる力を超えると変形が残留する。この性質の事を塑性と言います。
塑性加工の種類
塑性加工には以下のようなものがあります。
- 圧延(熱間圧延、冷間圧延)
- 鍛造
- 曲げ加工
- 転造
- 押し出し加工
- 引き抜き加工
圧延、鍛造、曲げ、転造の4つについて簡単に説明してみます。
圧延とは
圧延とは、圧力をかけた2つのローラの間に金属を入れることにより、塑性変形させ目的の厚みと幅を得ることが出来る塑性加工方法です。
熱間加工および冷間加工の2種類に分けられます。
熱間加工:材料の再結晶温度以上で加工する
冷間加工:常温のまま加工する
この使い分けとしては、以下のように言われていました(キーエンスさんのHPより)。
金属は加熱することで熱膨張を起こして変形することから、可能な限り冷間塑性加工で対応し、被加工材の材質の硬度が高い場合などに熱間塑性加工を用います。
鍛造加工とは
鍛造とは、金属材料を叩いて力を加えることで塑性加工するものです。この際に、材料の中の空隙がつぶれたり、結晶が整えられるので強度が向上します。加治屋さんがハンマーで金属を叩いて刃物を作っているイメージです。鍛造にも熱間と冷間があります。
ちなみに、機械の仕事をしているとよく「鍛造比」と言う言葉が出てきます。
これは、鍛造によってどれだけ材料が縮んだかを示す数値です。これが分かれば、材料がどれほど緻密になったかが分かります。
曲げ加工とは
曲げ加工とは、板材をパンチ(上側の金型)とダイ(下側の金型)挟み込み力をかけることで塑性変形を起こして目的の形状を得る方法です。ブレーキプレスなどを使って行う手法で、よく見ることがってなじみがある手法ですよね。
転造加工
転造とは、素材に強い力を加えて盛り上げて成形する塑性加工です。
「ねじ」等の転造で製作されています。材料が無駄にならない、素材材質が改善される・・・などの特徴にも注目できます。
機械部品を作るうえでの塑性加工の特徴
金属材料をつかって機械部品を製作するうえで、塑性加工の特徴はどのようなものがあるでしょうか? 他の機械部品の製作方法としてよく使われる「機械加工」と比較してどのような違いがあるかまとめてみました。
- 塑性加工は生産量が多い場合、機械加工よりコストが安い(金型の作成などの初期費用が必要であるため、少量では割高になることも)。
- 塑性加工の方が加工時間が短い
- 部品の寸法精度などは機械加工の方が高い。
技術士試験にはこんな感じで出ています
僕は技術士(機械部門)の取得を目指しています。
技術士試験の中でも以下のような形で出題されたことがあります。技術士(機械部門)を目指されるかたは、塑性加工というワードは抑えておきたいですね。是非、以下の問題について原稿用紙1枚でまとめてみるとよいでしょう。
金属を必要な形状、寸法に加工する方法に曲げ加工がある。これは塑性加工法と言われ、汎用的な加工法の1つである。この塑性加工法とは、どのような加工か説明し、曲げ加工以外で原理が異なる代表的な塑性加工法の名称を3種類挙げよ。また、曲げ加工の様式について1種類の名称を挙げ、その加工原理について絞り加工との違いを含めて説明せよ。I
2019年 技術士二次試験(機械部門) 加工・生産システム・産業機械