公害防止管理者試験の全科目免除について

平成18年度以降の公害防止管理者試験より、科目合格制度が取られるようになりました。そのため、科目合格した場合、次年度にその科目の免除が受けられるようになりました。

科目免除についての詳しい説明は『公害防止管理者試験の科目試験免除について』をご覧ください。

そこで、全科目免除で資格が取得できる場合が出てきました。ここでは、全科目免除で資格取得できる場合について、詳しく説明しようと思います。

産業環境管理協会のホームページには、以下の説明がありました。

平成18年度以降の国家試験における区分合格に基づく免除、または、免除年限が有効な科目合格に基づく免除を利用した結果、当該年度に受験しようとする試験区分が全科目免除となり受験料が免除になります。なお、ある区分の区分合格者が、その資格で選任できる別の区分を全科目免除で受験する場合は、受験料免除の対象となりません。
(産業環境管理協会より引用)

言葉だけでは少しわかりにくいので、図も使って説明しようと思います。

区分合格に基づく全科目免除による資格取得

例①

大気2種、大気3種の資格を持っているとします。

そのため、それぞれ下の表の科目が免除の対象になります。

大気2種 大気3種
公害総論
大気概論
大気特論
ばいじん・粉じん特論
大気有害物質概論
大規模大気特論

大気1種の免除申請をすると以下のように全科目免除ができます。

大気1種
公害総論 免除
大気概論 免除
大気特論 免除
ばいじん・粉じん特論 免除
大気有害物質概論 免除
大規模大気特論 免除

このように、全科目免除申請をして資格を取得できます。このとき、受験料は免除されることも覚えておいてください。

例②
水質2種、水質3種の資格を持っているとします。

そのため、それぞれ下の表の科目が免除の対象になります。

水質2種 水質3種
公害総論
水質概論
汚水処理特論
水質有害物質概論
大規模水質特論

水質1種の免除申請をすると以下のように全科目免除ができます。

水質1種
公害総論 免除
水質概論 免除
汚水処理特論 免除
水質有害物質概論 免除
大規模水質特論 免除

このように、全科目免除申請をして資格を取得できます。このとき、受験料は免除されることも覚えておいてください。

ただし、注意してほしい点が2つがあります。

1つ目は、大気1種、水質1種の資格持っている場合に、それぞれ大気2~4種、水質2~4種を全科目免除で受験する場合は受験料免除の対象にはならないということです。

なぜなら、第1種の資格で選任できるからです。

大気に関しては、特定粉じん関係や、一般粉じん関係に関しても同じことがいえ、大気1~4種の資格で選任できるので、資格の発行はできますが受験料免除の対象とはなりません

2つ目は、2種3種とも科目合格の場合には、全科目免除の対象にはなりません。

必ず、2種3種の資格を保有しているということが大前提です。

科目合格に基づく全科目免除

水質4種の場合で説明します。

1年目 2科目合格

水質4種
公害総論 不合格
水質概論 不合格
汚水処理特論 科目合格
大規模水質特論 科目合格
区分不合格


2年目 合格科目の免除申請し忘れ欠席

水質4種
公害総論 合格
水質概論 合格
汚水処理特論 欠席
大規模水質特論 欠席
区分不合格


3年目 全科目免除で資格取得

水質4種
公害総論 免除
水質概論 免除
汚水処理特論 免除
大規模水質特論 免除
区分合格

これは、受験申込み時に免除申請を忘れてしまったことが原因でおこったパターンです。受験申込み時に免除申請を忘れてしまうとその年の受験では免除の追加は一切できませんので注意してください。

区分合格及び科目合格に基づく全科目免除

◎公害総論のみが関係する全科目免除の一例

1年目 水質4種を受験

水質4種
公害総論 不合格
水質概論 合格
汚水処理特論 合格
大規模水質特論 合格
区分不合格

2年目 ダイオキシン類を受験

ダイオキシン類
公害総論 合格
ダイオキシン類概論 合格
ダイオキシン類特論 合格
区分合格

3年目 ダイオキシン類の区分合格を利用して全科目免除で水質4種の資格取得

水質4種
公害総論 免除
水質概論 免除
汚水処理特論 免除
大規模水質特論 免除
区分合格

3年目に全科目免除の申請が必要となります。3年を過ぎてしまうと、水質4種の科目免除の有効期限が過ぎてしまい、全科目免除にはなりません。申請し忘れると、有効期限が過ぎてしまい、もう1度試験を受けて合格しなければいけないくなるので、気を付けてください。

◎共通科目が多い区分

大気関係や水質関係は共通科目が多いので、以下の方法で全科目免除ができます。

例 1年目 大気1種を受験

大気1種
公害総論 科目不合格
大気概論 科目不合格
大気特論 科目不合格
ばいじん・粉じん特論 科目不合格
大気有害物質概論 科目合格
大規模大気特論 科目合格
区分不合格

2年目 大気4種を受験し全科目合格で資格取得

大気4種
公害総論 科目合格
大気概論 科目合格
大気特論 科目合格
ばいじん・粉じん特論 科目合格
区分合格

3年目 大気1種

大気1種
公害総論 免除
大気概論 免除
大気特論 免除
ばいじん・粉じん特論 免除
大気有害物質概論 免除
大規模大気特論 免除
区分合格

3年目に全科目免除の申請が必要となります。3年を過ぎてしまうと、大気1種の科目免除の有効期限が過ぎてしまい、全科目免除にはなりません。申請し忘れると、有効期限が過ぎてしまい、もう1度試験を受けて合格しなければいけないくなるので、気を付けてください。

以上のように、全科目免除が出来る場合を説明しました。科目免除の有効期限は3年です。これは必ず覚えておいてくださいね。

そして、全科目免除の申請も必ずしてくださいね。申請しないと、資格取得にはなりません。くれぐれもお間違えのないように!!

◎補足として

科目免除した場合、当日の試験は受験できません。(入室不可)= 受験票が発送されますが、試験会場に行く必要はありません。

全科目免除専用の受験願書が必要

さて、全科目免除ですが、全科目免除には専用の受験願書が必要になります!

WEB申し込みでは全科目免除の対象にはならないので、気を付けてくださいね。

まずは、試験センターまで問い合わせてみてください。

お問合せの際は

○氏名
○生年月日
○住所
○全科目免除対象 試験区分(例:大気1種)

を記入のうえメールで連絡してください。

対象者には専用の受験願書が送信されます。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク