技術士たちの間で話題になっている「総合技術監理 キーワード集 2019」を読んでみた

僕は技術士(経営工学部門)です。

技術士には21の技術部門がありますがその中でも一風変わっているのが「総合技術監理部門」です。

この部門は単独で取得することは出来ません。ですから、総合技術監理部門の技術士は「必ず他の一般部門技術士でもある」というのが特徴です。

正直言って僕はあまり「総合技術監理部門」に興味はありませんでした。

でも、今この「総合技術監理部門」があわただしくなってきました。

今までの総合技術監理部門向けのバイブル「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系(通称:青本、2017年2月に絶版になっていた)」の代わりに「総合技術監理 キーワード集 2019」と言うのが公開されることになったのです。

これが技術士たちの間で非常に話題になっています(笑)。

僕もさっそくダウンロードして読んでみましたよ ⇒ ダウンロードはこちらから(総合技術監理部門の技術体系(キーワード)について

総合技術監理 キーワード集 2019 の構成

このキーワード集は「総合技術監理とはなんなのか」という説明と「総合技術監理における総合技術管理技術(5つの管理)」のキーワード集から構成されています。5つの管理とは(1)経済性管理、(2)人的資源管理、(3)情報管理、(4)安全管理、(5)社会環境管理です。

よって大項目は以下の、6章から構成されています。

  1. 総合技術監理
  2. 経済性管理
  3. 人的資源管理
  4. 情報管理
  5. 安全管理
  6. 社会環境管理

5つの管理については細かい説明はなく、基本的にはキーワードのみが記されています。

例えば、(1)経済性管理のキーワードは以下のようなものが羅列されています。

  • 事業投資計画
  • 事業投資評価
  • 現在価値
  • 正味利益法
  • 回収期間法
  • 投資利益率法
  • ライフサイクルマネジメント
  • リスク評価
  • PDCAサイクル
  • 投手回収計画
  • 環境評価
  • 事業継続計画(BCP)
  • 信頼性設計
  • 保全性設計
  • コンカレントエンジニアリング  ・・・・など

このようにひたすらキーワードのみが羅列されています。

そして、前書きには以下のような注意事項が記載されています。

  • それぞれの管理分野のキーワードは各管理分野の基本となるキーワードを整理したものであり、すべての関連キーワードを網羅しているわけではない。(総合技術監理部門の概念及び技術体系を示すものであり、試験範囲を示すものではない。)
  • 各キーワードの示す概念や内容については、利用者自ら参考書・専門書・資料などを通じて調べ把握することを前提としている。
  • 法律等の名称は、いわゆる通称を用いた。

まぁ、簡単に言うと「キーワード集を作ったからあとは勝手に勉強してね」という感じですね(笑)。このように、今後は総合技術監理部門の技術士になるためには、このキーワード集を頼りに勉強したり、総合技術監理部門の技術士としてふさわしい業務をしていかなければいけないだろうと予想がつきますね。

読んでいると面白そうなキーワードがたくさん出てきます。

特に経営工学生産管理に関係するキーワードが非常に多いような気がします。

こういうのを見ると、将来的には「総合技術監理部門の技術士になってみたいなぁ・・・」と言う気持ちになりました。うん、いつかはなろう!

「5つの管理」はトレードオフの関係にあることが多い

業務そしてしてく中で、「5つの管理をすべて完璧に満たすことが出来る」のが良いに決まっています。でも、現実的にそんなことはありません。

あちらをとれば、こちらが立たず・・いわゆるトレードオフの問題に直面するんですね。

「5つの管理のトレードオフ問題をどのように調整していくか」

これが総合技術監理部門の技術士に求められる能力なのでしょうね。

以下のような記載がありました。

総合技術監理では,5つの管理を独立に行うのではなく,互いに有機的に関連づけて,あるいは統一した機軸の下で行うことが望ましい。しかし個別の管理から提示される選択肢は互いに相反するものであったり,トレードオフの関係にあったりすることが多い。そこで,それらを調整し統一的な結論の提示,もしくは矛盾の解決・調整を行うための総合管理技術があると望ましい。

おお。深い。

こんな管理と調整力、今の僕にはないかな(笑)。

でも、こういう視点でマネジメントできる技術者になっていきたいですね。ですからこのキーワード集を使って勉強したり、実際の業務に当てはめたりして、少しずつ総合技術監理部門の技術士になるのにふさわしい力を身に着けていきたいなぁと思いました。

まとめ

  • 2019年度 技術士(総合技術監理部門)を受験予定の方は「総合技術監理 キーワード集 2019」を使って勉強しましょう。
  • 「5つの管理のトレードオフ問題」を日ごろの業務から意識することが総監技術者への第一歩。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク