僕の周辺で話題の「仕掛学」の本を読んでみました!
これがとても面白かったので紹介してみようと思います。
僕が仕掛学に興味を持ったきっかけ
僕は技術士で、「日本技術士会」という組織に入っています。
技術士は「継続研鑽(CPD)」が義務付けられております。このため、継続研鑽のための講演会などの行事の案内がメールで送られてきます。
最近、その中で「仕掛学」という言葉を目にしました。
とても興味があります! 残念ながら、ほかの予定があったのでその講演会に参加することは出来ませんでした。
それで「仕掛学」について検索してみたところ「仕掛学―人を動かすアイデアのつくり方」という本があることを知りました。
そのため、この本を読んでみることにしたのです。
仕掛学とは
特に男性にとって一番わかりやすい「仕掛」の事例は、小便器にある「的」だと思います。
最近、男性の小便器には、「的(まと)」が付いていることが多いです。
的があると、なぜかその的を狙って小便をしたくなります。
では、なぜこの的があるのでしょうか?
トイレを設置する側としては、
この的を狙うことによって、トイレを汚すことなく「きれいに使ってもらえる」ようになるのです。
小便をする側は、
的があれば無意識のうちに狙ってしまいたくなります(笑)。
特に最近では「火が燃えているマーク」の的もあったりして、まるで火を消す感覚で的を狙ってしまうそうです。
このように、ちょっとした「仕掛」を用意することで、「人を動かす」アイデアが「仕掛学」なのです。
本書で取り上げられている仕掛けの例
本書にはこのような仕掛けの例がたくさん載せられていました。
具体例をいくつか紹介してみます。
- 階段をピアノに見立てて色分けすることにより、エスカレーターではなく「階段」を使いたくなる
- ゴミがポイ捨てされやす個所に「小さな鳥居」を設置することで、ごみを捨てづらくなる
- マンガ本を1巻から順番に並べるとを背表紙が絵になる(昔、ドラゴンボールの背表紙がこんな感じになっていましたね)
- 階段に消費カロリーを記載することで、階段を使いたくなる
- パン屋から「焼きたてのパンのにおい」がして、パンを食べたくなるのも仕掛けの一つ
などなど・・・色んな仕掛が載っていました。
どの仕掛も非常に面白かったです。
仕掛学は立派な「学問」
仕掛学は大阪大学の松村真宏さんが研究されている立派な「学問」です。
ですので、この本の中には具体的な仕掛けの例だけではなく、学問的な内容も記載されています。
例えば・・・
- 仕掛の定義
- 強い仕掛けと弱い仕掛け
- 仕掛の便益と負担
- 仕掛の構成要素や原理 など
です。
しかし、本書ではこれらの難しい内容は、簡単に述べられているだけです。
どちらかというと「仕掛の楽しさ、有用さ」に注目するように書かれていると思います。
というのも本書の中で筆者は仕掛学について以下のように述べています。
著者は仕掛学を学問として取り組んでいるので、本来であれば解釈の多義性を防ぐためにも厳密に定義した専門用語を使うべきである。それでも「仕掛け」という言葉にこだわるのは、親しみのある語を利用することで一般の人にも抵抗なく受け入れてもらいたいためである。本書によって一般の方々にFAD要件を満たす「仕掛け」が広まることを願っている。
このように立派な学問を、一般の人たちが分かりやすいように落とし込んでいるのが本書の特徴です。ですので、全体として非常に分かりやすい構成となっていました!
それで実際に仕掛学をどのように適用すればいいのだろう?
仕掛学が面白く、有益なのは分かるけど、
「実際にどのような仕掛けを考案しればいいの?効果が出るの?」
という疑問がわいてくると思います。
その疑問に対するヒントも本書の中にありました。
その一つが、「子どもを観察する」ということです。
子どもは好奇心が旺盛なので、自分で挑戦する課題を作って遊びにしたりします。
例えば、子供たちは影があると、それだけでオモチャにして遊んでいる様子を見ることがあります。影をよけたり、影を踏んだりなどして遊んでいますよね。
このように子供が生活の中で「課題」をみつけて「遊んでいる」ようなところに「新しい仕掛けのヒントがある」という風に考えていくことが出来ます。
そのほかにも、
- 他人の行動を観察したり、
- 自分自身を客観的に観察したりする
のも有用であるとされていました!
仕掛けを仕事や私生活に応用してみようと思った!
このようにとっても興味深い「仕掛学」。
学んだだけで終わらずに、仕事や私生活でなにか使ってみたいなぁ・・と思います。
例えば僕はブログやホームページを作っています。
その中でもなにか「仕掛け」を作ることが出来るかもしれません
そういう何かを探していきたいなぁ・・と思います。
このサイトがおすすめ
仕掛学については「「ついしたくなる」仕掛けの秘密。阪大・松村教授が提唱する『仕掛学』の奥深き世界とは?」などが分かりやすかったです! 実際に本を買って読む前に、このサイトを読んでみるのはどうでしょうか?