twitterのタイムラインを見ていると、「環境法令検定」という文字が出てきました。そのような検定があることは全く知りませんでした。そのため、めたのさえたが大変驚いて以下のようなツイートをしていました。
環境法令検定なんて、あったんだ。#公害防止管理者 のホームページ作ってる立場からすると興味あるけど、運営母体が一会社というので、なんか微妙。eco検定は商工会議所だから、いいんだけど。
それにしもeco検定以上公害防止管理者以下の難易度って公式ホームページで言い切ってるのが
どうも(笑)— めたのさえた (@kougainet) 2018年11月2日
環境系の資格の一つである、公害防止管理者のホームページを作成している私としては、この資格に興味を持たないわけはありません。調査を開始しました。
環境法令検定とは
環境法令検定の公式ホームページによると、この資格の目的は以下のようになっていました。
「コンプライアンス」と「環境」に対する社会的要請は日に日に高まり、環境法令の遵守とそのための人材の育成が企業の急務となっています。
しかしながら、企業が遵守すべき環境法令は増加と改正を頻繁に繰り返しており、その内容も難解なため、環境法令を熟知した人材の育成は難しいのが現状です。「環境法令検定」は環境法令について学習したい方に、検定試験を通じて、実力を知り、順守を確実にする機会を提供しています(環境法令検定公式ホームページより)。
さて、この資格の特徴は以下となっております。
- 環境法令を学びたい方向けの資格
- 民間資格(株式会社パデセアという会社が運営している資格。外部から専門家を招いて試験の公平性を維持されているとのこと)
- 難易度はeco検定(エコ検定)以上、公害防止管理者未満とのこと(公式ホームページにそのように記載されているから驚き!)。
- 試験の方式はコンピューターによるCBT試験
- 試験は年2回実施(年2回(9月、3月) 各1か月 )
- 受験料が9,000円と公害防止管理者より高い!
- 合否だけでなく、獲得した点数ごとに「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」とランク訳される。
どのように感じたか
この資格について以下のような感想を持ちました。
一般の企業が開催している資格であるのが少し心配
環境系の資格でいうと公害防止管理者は「国家資格」です。ろど・すた子が保有しているeco検定は「民間資格」ですが「商工会議所」が運営母体ですので、ある信用できるイメージがあります。
これに対して、今回の環境法令検定は全くのひとつの企業による「民間試験」です。
こういう試験って今までも沢山ありますが、受験者が思ったほど多くならなかったりなんかすると、すぐに資格試験自体を継続できなくなってしまうことがあります。そのようなわけで、本当に信頼してもよいのかなぁ。。とやや心配になってきます。
公式ホームページの中には、受験者を安心させるためか、以下のような記載があります。
本検定試験は環境に関するコンサルティング、セミナー、東京都及び埼玉県の温室効果ガス排出量の検証を行っている株式会社パデセアが運営しています。株式会社パデセアはこれまでもeco検定の立ち上げ・テキスト作成、食品表示検定の企画・立上げ・テキスト作成・運営を行っています。環境法令検定を運営する組織として、運営委員会、作問委員会をパデセア内に設置し検定試験の公平・公正な運営を行っています(環境法令検定公式ホームページより)。
このように記載されると、逆に心配になるのは、少し心配しすぎでしょうか(笑)。
難易度 eco検定以上公害防止管理者未満って・・
公式ホームページ上で、環境法令検定の難易度について以下のように表記されていました。
想定する受験者:主に業務において環境法についての知識が必要となる方。
eco検定以上、公害防止管理者未満の難易度となります((環境法令検定公式ホームページより)。
実際の難易度が、eco検定以上、公害防止管理者なの理解します。
ですが、公式ホームページ上で他の資格と難易度を比較して宣言してしまう資格って今まで見たことがありませんよね。
私はこの文面から、以下のように感じました
- この資格はeco検定と公害防止管理者の「スキマ産業」を狙っているな・・・
- eco検定、公害防止管理者、環境法令検定って全く性質や目的の違う試験だと思います。それらを主催者自ら並列で比較しているのって、ちょっと微妙。
受検者データの推移
資格試験が始まった2016年9月から現在までの受験者データ(合格率等)を以下のようにまとめております。概ね40%程度が合格(認定あり)となっているようです。
まだ試験回数が少ないので、これからどのようになっていくか、興味があります。一回当たりの受験者数が100名前後ではちょっと少なすぎるような印象があります。
- 第1回(2016年9月)
受験者:109名
ゴールド認定:1名
シルバー認定:12名
ブロンズ認定:26名
認定なし(不合格):70名
合格率(ブロンズ以上):35.8% - 第2回(2017年3月)
受験者:109名
ゴールド認定:1名
シルバー認定:20名
ブロンズ認定:31名
認定なし(不合格):65名
合格率(ブロンズ以上):44.4% - 第3回(2017年9月)
受験者:87名
ゴールド認定:0名
シルバー認定:2名
ブロンズ認定:8名
認定なし(不合格):77名
合格率(ブロンズ以上):11.5% - 第4回(2018年3月)
受験者:152名
ゴールド認定:11名
シルバー認定:22名
ブロンズ認定:36名
認定なし(不合格):83名
合格率(ブロンズ以上):45.4% - 第5回(2018年5月)
受験者:121名
ゴールド認定:3名
シルバー認定:19名
ブロンズ認定:32名
認定なし(不合格):67名
合格率(ブロンズ以上):46.6%
勉強方法、教材について
勉強方法としては以下のようなものがあります。
- 公式の「検定対策セミナー」が開催されている(1日で12,000円)。
- 公式の対策本が売られている(何とKindle教材!!)。
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この資格の活用の仕方(公害防止管理者試験に向けたモチベーション維持のために3月に受ける)
この資格の想定する活用法としては、公害防止管理者試験に向けたモチベーション維持&公害総論の勉強のために3月に受験してみる。というのが最も良いような気がしています。
公害防止管理者の受験者の方で、3月頃から本格的に公害防止管理者の勉強を始めている方は少ないと思います。この時期は、あまり勉強をしなくて後悔する時期ではないでしょうか?
ですので、この時期に環境法令検定の勉強をすることで公害防止管理者試験(特に公害総論の科目)に向けたトレーニングが出来るのではないでしょうか。公害総論の中では環境に関わる法令の問題がたくさん出題されますからね。
この資格は、知名度が低くあまり保有していても価値がないと思います。そういう活用の仕方が(公害防止管理者なるためのステップアップとして活用する)、現実的なのではないかと思います。