設備の稼働率評価に使用される「設備総合効率」とは

生産管理の分野で設備の使用効率を評価するためによく使用されるのが、

「設備総合効率」です(英語:overall equipment efficiency)。

この用語は技術士の分野で言いますと「経営工学」「機械工学」などで出題事例があります。さらに、技術士の総合技術監理部門の「キーワード集」にも掲載されており、「技術者ならだれでも知っておきたい基礎知識」の一つだと思います。

技術者の皆さんにぜひ知っておいていただきたいので紹介いたします

設備総合効率の計算式

まずは、この式を頭に入れておいてください。まず、式を覚えていただいたほうがイメージをしやすいと思います。

以上のように、

設備総合効率とは、時間稼働率、性能稼働率および良品率をかけたものです。

設備総合効率の言葉の定義(JIS)

JISの中の「生産管理用語」の中で設備総合効率は以下のように定義されています。

設備の使用効率を表す指標

備考:生産効率を阻害する停止ロスの大きさを時間稼働率、性能ロスの大きさを性能稼働率、不良ロスの大きさを良品率で示すと、設備総合効率は次の式で示される。

設備総合効率 = 時間稼働率 × 性能稼働率 × 良品率

具体的にどういう意味なの???

皆さんなら、生産設備の効率をどのように評価しますか?

設備が動いている時間だけで評価してよいでしょうか? それだと一面的な設備の稼働率評価になってしまいます。どうしてでしょうか?

設備が動いている時間だけを「稼働率評価」に使用してはいけない理由

以下のような事例を考えてみるとわかりやすいと思います。

【例1】

本来1時間に100個生産できる設備Aがあるとします。1時間ずっと設備が動いていたのにもかかわらず実際は80個しか生産できていません。なぜでしょうか? 現場の生産状態を調査してみると設備の調子が悪いので、生産速度を落として運転しているようです。

【例2】

上記の設備Aの調子が回復して、1時間に100個生産できるようになりました。しかしながら、100個中に1個は不良品が混ざっています。この時に稼働の評価を100%とするのには問題があるのではないでしょうか?

そのために登場したのが「設備総合効率」

設備の7大ロスは以下であると言われています。

すべてのロスを適切に反映した評価指標が求められています。

  • 故障
  • 段取り・調整
  • 刃具交換
  • 立上がり
  • 空転・チョコ停
  • 速度低下
  • 不良・手直し

これらのロス時間を総合的に評価して、設備の効率として扱おうとしたものが「設備総合効率」です。

概念としては以下の図で表すことが出来ます。

「時間稼働率」とは

負荷時間における稼働時間の割合です。

稼働時間は負荷時間から停止ロスをひいたものです。

停止ロスの中には7大ロスのうち以下のロスが含まれます。

  • 故障
  • 段取り・調整
  • 刃具交換
  • 立上がり
  • 空転・チョコ停

「性能稼働率」とは

稼働時間におけ正味稼働時間の割合です。

稼働時間から性能ロスの時間をひいたものです。7大ロスで言うと「速度低下」ロスをひいたものです。

「良品率」とは

正味稼働時間における価値稼働時間の割合です。

正味稼働時間から不良ロスをひいたものです。7大ロスで言うと「不良・手直し」をひいたものです。

設備総合効率はすべてのロスを評価できる!

設備総合効率は 時間稼働率×性能稼働率×良品率で表されます。

ですから、今までの7つのロスをすべて評価することが出来ます。このような特徴から生産管理の分野で頻繁に使用されます。

どんな感じで出題されたの? 出題されるの?

この記事を書いている時点で一番最近の事例で言うと、以下のような問題が技術士に次試験(機械部門)で出題されていました。

生産設備の使用効率の度合いを表す指標の一つに設備総合効率がある。これについて以下の問いに答えよ。

(1)設備総合効率について説明し、そうした総合的な指標を導入することの意義を述べよ。

(2)設備総合効率を阻害する代表的な要因(ロス)を4つ挙げ、説明せよ。

(3)上記(2)で説明した要員(ロス)のうち2つに関して、それらを改善するための方法をそれぞれ具体例とともに述べよ。

(2018年度 技術士二次試験(機械部門)過去問より)

経営工学部門ではこんな問題が出題されていました!

(2015年度 技術士二次試験(経営工学部門)過去問より)

どうでしたか?

どうでしたか? ご理解いただけましたか?

僕もこの記事を書くことで、勉強になりました。次も設備の管理指標について書いてみようかなぁ・・・と思っています。

設備管理の用語としては、管理指標として、設備総合効率の他にもMTBF(平均故障時間)、MTTR(平均修復間隔)、可用率(稼働率)等があります。また、寿命特性曲線(バスタブカーブ)なども重要ですからね・・・次の機会に説明したいと思います。

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