台風19号の影響で、日本列島全体が被害を受けてしまいました。
報道されている内容をみていると、今回の台風が勢力が強く大きかっただけではなく、関東方面への被害が大きく、日本全体へ影響が残りそうですね・・。
さて今回の台風で僕が注目していたのは、令和元年度(2019年度)の技術士一次試験です。
ちょうど技術士一次試験が10月13日でしたので、まさにこの台風の影響を受けてしまったのですよね。
技術士一次試験は、中止または開始時間繰り下げ!
現時点で公式に発表されている情報によると、2019年度の技術士一次試験は以下のような結果になってしまいました。
○1時間繰り下げて実施する受験地:宮城、新潟(追加)、石川(追加)
○中止の受験地:東京、神奈川
○実施する受験地:北海道、愛知、大阪、広島、香川、福岡、沖縄
なるほど、台風の影響ならしかたないな。
と思うところではあるのですが、僕がビックリしたのは、
東京会場 および 神奈川会場が中止!!
になっていることです。延期ではなく、中止なんです。
これには、本当にびっくりしました。
技術士一次試験、延期じゃなくて、中止であることに驚き。 #技術士
— めたのさえた (@kougainet) 2019年10月11日
受験者にとって、中止である影響は計り知れない!!
僕は、
「中止」ということは受験者に対する影響は計り知れない!
と思います。
以下の理由からです。
- 年に1回しかない試験。この試験のために1年以上勉強していた受験者がいたはず。
- 今回中止になったことで、技術士としてのキャリアのスタートが1年遅れてしまう技術者がいる。業界によっては「技術士」と「技術士ではない人」の待遇は大きく異なる。人生を変えてしまうような出来事の可能性がある。
- 僕が知っている高専、大学では進学・進級の加点項目の一つとして「技術士一次試験合格」を位置づけている学校がある。こういうところの学生さんへも影響が大きい。
- 特に、全体の4割を占めるとされる「東京、神奈川」の受験者が一斉に受験できなかったということは、技術者全体として大きな問題である。
なぜ、延期にできなかったのか?
なぜ、延期に出来なかったのでしょうか?
それには以下のような理由があると推測されます。
- 全会場を延期にすると「試験会場確保」が難しくなってくる
- 東京会場および神奈川会場だけを延期にすると、新たに試験問題を作成しなければならない。それは難しいと判断した。
- そうなると、東京会場および神奈川会場を中止にせざるを得ない
以上のような判断がなされたのではないかと思います。
技術士会には何が出来るのか
このような事態に備えて「技術士会」としてできることは、何かあったのでしょうか?
僕はリスクと費用を勘案すると、出来ることと言えば、以下でしょうか。
- 最初から2パターン試験問題を作成する
- 通常の会場はパターン1の試験問題を利用する
- 天候等の理由で、当日試験できない会場は、パターン2の試験問題を利用して試験を実施する
- 全会場が予定通り開催できた場合は、パターン2の問題は無駄にせず、来年の試験問題に一部流用できる(一部、年ごとに改変は必要でしょうが・・・)
2パターンの問題を用意しておけば、今回の「中止」という決断は、回避できたのではないかと思います。2パターンの試験問題を準備する・・・というのは非常に大変です。でも、それぐらいやってくれても良かったのではないかという気もします。
技術士二次試験の口頭試験で「いかなる理由があっても、試験当日時間内に到着できな人は不合格!」という指針を出している技術士会です。
これが受験者にとっては非常に大変なんですよね。
試験開催側としても、それくらいのリスク管理をしても良かったのかもしれません。
東京会場、神奈川会場中止に対する皆さんの反応
この件について、ネット上ではいろんな意見が出ています!
そして悲痛な叫びがたくさん聞かれます。
- 自分の勉強してきた1年間を返してくれ!
- この中止は技術者倫理に反している!
- 人命にかかわることなのに対応が遅すぎ!
- 勉強し自信があったのに・・・残念。
- 試験会場ごとに中止になるリスクを排除しようと思えば、受験者としては複数会場に受験申込するかない
- 中止か、今年受験しなくて良かった。
そして、この中止と言う決定に納得できず、署名を集めて「延期」「再試験」をもとめて活動されている方もおられました。
⇒技術士一次試験(東京・神奈川)を延期に!(change.org)
この署名サイトでは、以下のように、受験者の気持ちが表現されていました。
抜粋させてもらいます。
2019年技術士一次試験が台風19号の影響により東京・神奈川だけ中止という扱いとなり、北海道、宮城、新潟、石川、愛知、大阪、広島、香川、福岡、沖縄は時間を調整して実施する方向となっています。
技術士の試験は1次・2次それぞれで年1回のみであり、今回中止になった場合、受験者は更に1年間待たなくてはならない。
資格試験とはそもそも公平性が求められるが、今回の日本技術士会の対応は東京・神奈川の受験者に対し、明らかに不公平な決断であると考えている。
そのため、我々は公益社団法人 日本技術士会に対し、2019年技術士一次試験受験(東京・神奈川)の延期を申し立てる。 change.orgより
令和初の技術士一次試験が大変なことになってしまいました・・・。
反省するところは絶対にあるはずだ!
災害だからやむを得ない、想定外のことだからやむを得なかった・・・と言うだけではなくて、技術士会としても必ず反省点があるはずです。この点を、来年度の試験に生かしていってほしいです。
だって、
自分が受験者の立場だったら・・・
と想像すると本当にショックですよね。
おそらく、技術士会の試験担当者だって「大反省」されていることと思います。
来年度からどうなるか、そして、再試験の可能性がまだのこっているのか?
これから注視していきたいなぁ・・と思います。
今回の台風は、技術士試験を通して、
「リスク管理」について考えさせられる事案だったなあ。
と思います。
結果的に再試験となりました!
この議論の結末は「再試験の実施」という決着を見ました!!
以下に技術士会のホームページで発表された内容を掲載しています。
令和元年度技術士第一次試験につきましては、台風19号の影響による交通機関の計画運休及び受験者の皆様の安全確保等の観点から、東京都及び神奈川県の試験会場における試験の中止、また、宮城県、新潟県及び石川県の試験開始時間1時間繰り下げの措置を講じて実施いたしましたが、一部受験者の方々に対してご心配、ご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。
本日(11月1日)、文部科学省の科学技術・学術審議会技術士分科会試験部会が開催され、本試験の対応策が審議されました。その結果、来る令和2年3月7日(土)に東京都及び神奈川県において再試験を実施することが了承され、併せて、再試験の受験を認める者の範囲及び再試験の合格者で令和2年度技術士第二次試験の受験資格を有する者に対しての第二次試験受験申込期間の特例措置を講じることについても了承されました。
この審議結果に基づき、指定試験機関である日本技術士会は、下記のとおり再試験を実施いたします。
また、中止した東京都及び神奈川県の試験地で受験を申込まれていた方で再試験を希望されない方に対しては、受験手数料(11,000円)を返還いたします。
これは英断! #技術士 https://t.co/bKvo0DSfyN
— めたのさえた (@kougainet) 2019年11月1日
その他の資格を受けてみるのも手
技術士一次試験を受験できなかった方は、その他の資格を受け、合格して悔しさを晴らすことが出来るかもしれません。
僕は、資格取得を目指しておられる方のためにSATさんの通信講座をお勧めしています。
以下がSATさんの通信講座へのリンクです。実際にめたのさえたは、SATさんの通信講座を利用して資格を取得したことがあります。とても内容が素晴らしくおすすめです。