僕は技術士資格として、経営工学部門と機械部門を保有しています。
技術士は独占業務がある資格ではありません。
しかしながら、建設業法上の特典があったり、他の資格を受験するときの優遇などがあったりするものがあります。一番有名なのは、建設業法上の特典ですよね。
取得している部門に関連している「主任技術者」「管理技術者」「専任技術者」になることができるので、建設業を営む企業では非常に重宝されます。
その他にも、技術士資格による優遇については、たくさんの優遇がありますので、調べていただけたらと思います。
今回、僕は僕自身にとってとても面白い優遇制度を見つけました。
それが、
労働安全コンサルタント試験
における技術士の優遇制度です。
技術士ならば「全員」に受験資格が付与
まず。労働安全コンサルタントはどんな部門の技術士でも受験資格が付与されます。
以下が公式ホームページの受験資格に対する記載内容です。
技術士法(昭和58年法律第25号)第4条第1項に規定する第二次試験に合格した者(以下「技術士試験合格者」という。)
その他、安全にかかわる経験などでも受験することができます。
しかしながら、結構長い安全にかかわる実務経験が必要ですし、それらの証明をするのが厄介な感じです。技術士ならば「技術士である」ということだけで受験資格を得ることができますので、非常においしいのではないかと思います。
例えば、いわゆる工業高校卒業の方の場合、以下のように長い実務経験が必要のようです。
学校教育法による高等学校(旧中等学校令(昭和18年勅令第36号)による中等学校を含む。)又は中等教育学校において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後10年以上安全の実務に従事した経験を有するもの
専門科目(機械、電気、化学、土木、建築安全)の免除
労働安全コンサルタント試験では、以下の専門科目から一つを選んで受験します。
- 機械安全
- 電気安全
- 化学安全
- 土木安全
- 建築安全
ご自身の専門分野に沿って、科目を選択するわけです。
技術士資格を持っていれば、これらの科目が免除になる場合があります。
機械安全を免除にする場合
技術士資格を保有して機械安全を免除にする場合は、以下のように規定されています。
技術士試験合格者で、機械部門、船舶・海洋部門、航空・宇宙部門又は金属部門に係る第二次試験に合格したもの
以下の部門の技術士は「機械安全」が免除になるわけです。
- 機械部門
- 船舶・海洋部門
- 航空・宇宙部門
- 金属部門
電気安全を免除にする場合
電気電子部門の技術士は「電気安全」が免除になります。
技術士試験合格者で、電気電子部門に係る第二次試験に合格したもの
化学安全を免除にする場合
技術士資格を保有して化学安全を免除にする場合は、以下のように規定されています。
技術士試験合格者で、化学部門に係る第二次試験又は農業・食品(平成31年4月1日以前の農芸化学)を選択科目とする農業部門【注】に係る第二次試験に合格したもの
以下の部門の技術士は「化学安全」が免除になるわけです。
- 化学部門
- 農業部門(農業・食品、農芸化学を専門とする方のみ)
土木安全を免除にする場合
技術士資格を保有して土木安全を免除にする場合は、以下のように規定されています。
技術士試験合格者で、資源工学部門若しくは建設部門に係る第二次試験、農業農村工学(平成31年4月1日以前の農業土木)を選択科目とする農業部門【注】に係る第二次試験又は森林土木を選択科目とする森林部門【注】に係る第二次試験に合格したもの
以下の部門の技術士は「機械安全」が免除になるわけです。
- 資源工学部門
- 建設部門
- 農業部門(農村工学、農業土木を専門とする方のみ)
- 森林部門(森林土木を専門とする方のみ)
経営工学部門で「産業安全一般」も免除になる!
技術士資格を活用すれば、専門の試験に加えて、共通科目である「産業一般」も免除にすることができます。以下のように記載されています。
技術士試験合格者で、生産・物流マネジメント(平成31年4月1日以前の生産マネジメント)を選択科目とする経営工学部門【注】(昭和58年1月1日前の生産管理部門)に係る第二次試験に合格したもの
経営工学部門の技術士で、生産・物流マネジメント、生産マネジメントもしくは生産管理部門を専門としている方は「産業安全一般」が免除になります!
経営工学部門+他部門の保有で、たった1教科受験でOK
上記の理由から、以下のように技術士資格を活用できます!
技術士資格を持っている → 受験資格をゲット
経営工学部門(選択科目は限られている) → 産業安全一般が免除
一般部門(部門、科目は限られている) → 専門科目が免除
経営工学部門及び他部門の技術士であれば、筆記試験では、
産業安全関係法令のみを受験すればよい!
ということになるわけです。
これってすごくないですか?
そして、この法令の科目はたったの15問(試験時間は1時間)です。
他の科目と比較して勉強しやすいと言えます。この法令をクリアするだけで試験に合格できる・・・めっちゃおいしいです。
僕はこの制度を活用できる権利有
先ほど申しましたように、僕は経営工学と機械部門の技術士ですから、
この免除制度を活用できる権利があります。
この制度を活用すれば、かなり楽に労働安全コンサルタントの資格をゲットできる可能性があります。あまり安全にかかわる実務の経験がない僕は、仮に筆記で合格しても面接が辛そうですが・・・今後の会社人生で安全にかかわる業務経歴を積むこともあると思います。
そうなったらぜひ受けてみたいですね。
既に技術士の皆さんは「経営工学」にチャレンジするのもあり?
すでに技術士の皆さんは、この科目免除制度を狙って「経営工学部門」の取得にチャレンジするのもありかもしれませんね!