平成30年7月6日 国土交通省が、全国の一級河川(※1)の河川ランキングを発表しました。
(平成29年全国一級河川の水質現況 国土交通省より)
(第25回 エコラムに2006年の河川ランキングを掲載しています。「2006年 水質状況ランキング」をご覧ください。)
この報告書をみてみると、平成29年の水質調査の結果、BOD(※2)(またはCOD(※3))値が環境基準を満足している地点の割合は91%でした。
以前、エコラムに書いた2006年は87%だったので、高くなっていますね。
平成 29 年の平均的な水質(BOD 値)が最も良好な河川は!
さて、平成 29 年の平均的な水質(BOD 値)が最も良好な河川は以下のとおりです。
尻別川(北海道)、後志利別川(北海道)、沙流川(北海道)、鮭川(東北)、荒川(東北)、玉川(東北)、黒部川(北陸)、熊野川(近畿)、天神川(中国)、小鴨川(中国)、佐波川(中国)、厳木川(九州)、本庄川(九州)、球磨川(九州)、川辺川(九州)、五ヶ瀬川(九州)
以上の16河川でした。
ちなみに、「水質が最も良好な河川」の定義とは
以下の条件を満たす 163 河川のうち、各調査地点の BOD 年平均値による平均が 0.5 mg/ ℓ(環境省の定める BOD の報告下限値であるもの)かつ、各調査地点の BOD 75% 値による平均が 0.5 mg/ ℓ であるもの。
・ 一級河川(本川): 直轄管理区間に調査地点が 2 以上ある河川
・ 一級河川(支川): 直轄管理区間延長が概ね 10km 以上、かつ直轄管理区間に調査地点が 2 以上ある河川(平成29年 全国一級河川の水質現況2017より引用)
皆さんが住んでおられる場所の近くの河川は、ランキングに入っていましたか?
過去10年間の水質改善地点は!
今回の一級河川の水質現況には、過去 10 年間に BOD 値が大幅に改善されている地点、トップ5が発表されていました。
順位 | 地方名/地点名 (水系名河川名) |
平成19年 BOD年間 平均値 (mg/L) |
平成29年 BOD年間 平均値 (mg/L) |
水質改善幅 (mg/L) |
|
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1 | 近畿/利倉 | (淀川水系猪名川) | 8.2 | 2.4 | 5.8 |
2 | 近畿/中野橋 | (淀川水系山科川) | 7.4 | 2.1 | 5.3 |
3 | 関東/運河(合流前) | (利根川水系利根運河) | 9.8 | 5.3 | 4.5 |
4 | 近畿/限界橋 | (大和川水系佐保川) | 6.7 | 2.5 | 4.2 |
5 | 近畿/太子橋 | (大和川水系大和川) | 7.1 | 3.2 | 3.9 |
川がきれいになるのは嬉しいことですね!
近所の河川はランキングに入っていましたか。
自分でCODを測定できる!
自分の街の河川のCODなどを測定してみたいなぁと思われる方は、水質を簡単に測定できるパックテスト っていうものを利用すれば簡単に調べられます。
「自分の町の水質調査」って、子どもの科学研究とかになりそうですね。
注1 | 河川法において「一級河川」とは、国土保全上又は国民経済上特に重要な水系で政令で指定したものに係る河川(公共の水流及び水面をいう。以下同じ。)で国土交通大臣か指定したものをいう。 |
注2 | Biochemical Oxygen Demand 水中の有機汚濁物質を分解するために微生物が必要とする酸素の量。値が大きいほど水質汚濁は著しい。(環境白書語句説明より引用) |
注3 | Chemical Oxygen Demand 化学的酸素要求量。水中の有機汚濁物質を酸化剤で分解する際に消費される酸化剤の量を酸素量に換算したもの。値が大きいほど水質汚濁は著しい。(環境白書語句説明より引用) |