生物学的硝化-脱窒の基礎的な考え方

富栄養化の原因となる「窒素」。
この除去の方法として、一般的なのが「生物学的硝化-脱窒」という方法です。
このページでは、その基本的な考え方について紹介したいと思います。

硝化脱窒反応の基本的な流れ

基本的な流れは、以下のようになっています。

(カッコ)内の単語は「反応」を指しています。

カッコがついていない単語は「物質」を指しています。

(主な流れ)

アンモニア性窒素→(硝化)→亜硝酸→(硝化)→硝酸→(脱窒)→窒素ガス

以下に、分子式で表現しています。

覚えておいた方が良いこと

硝化脱窒反応にて出題されることが多い内容を以下にまとめています。

  • 硝化は好気反応
  • 脱窒は嫌気反応
  • 硝化にかかわる細菌群(Nitrosomonas, Nitrobactor)の名称
  • 硝化工程では水温を15℃以上、溶存酸素濃度(DO)は2mg/L程度。汚泥滞留時間(SRT)は7~10日
  • 脱窒工程では水素供与体として、メタノールを使用することが多い。
  • 脱窒工程の酸化還元電位(ORP)は-200~-300mV程度とする。

Annamoxにご注意を!!

なお、従来の硝化-脱窒反応に加えて「Annamox反応」という経路についても最近出題されるようになってきています。注意が必要ですね。

嫌気性アンモニア酸化 (anammox) は無酸素条件下において、亜硝酸性窒素を電子受容体として用いることにより、アンモニア性窒素を直接窒素ガスに変換することのできる生物学的プロセスである。anammoxプロセスは従来の窒素除去法に代わる新規のプロセスとして期待されている。従来の窒素除去プロセスである硝化・脱窒法と比較すると、部分硝化及びanammoxプロセスを組み合わせた複合プロセスを窒素除去に適用することによって、酸素曝気及び外来電子供与体の供給により発生する費用を大幅に削減することが可能となる。

北海道大学 水変換工学研究室 HP中の研究紹介より抜粋

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