2004年の水質1種の問題でこんなのがありましたね。
受けてない私があれですが、公害防止管理者の受験者の方にはなじみが薄いと思いますので、ちょっと解説してみます。
問 環境マネジメントに最も関連の少ない用語はどれか。
(1)レッドリスト
(2)環境報告書
(3)ISO14000シリーズ
(4)LCA
(5)ゼロエミッション
(1)○ レッドリストは絶滅のおそれのある野生生物を選定したリストで、これを基にレッドデータブックが作成されます。環境マネジメントとは関係ありません。
(2)× 環境報告書とは事業者が環境マネジメントシステム、環境パフォーマンス、環境会計情報等を取りまとめた報告書で、広く社会に公表し、消費者、投資家、取引先、地域住民等の利害関係者との環境コミュニケーションを行うためのものです。
環境報告書には環境マネジメントの状況を記載するため、非常に関連があります。
(3)× ISO14000シリーズは1992年の国連環境開発会議(地球サミット)の要請(アジェンダ21第23条及び第24条等)を受けて、組織の活動が環境に与える影響を評価し、活動を管理していこうという環境管理システムの国際標準化が国際標準化機構(ISO)によって行われ、1996年に環境管理システム(ISO14000~9)、環境監査(ISO14010~19)を国際規格として認定し、発効しています。
その後、環境ラベル、環境パフォーマンス評価、ライフサイクルアセスメント(LCA)などの規格が順次制定されました。
前記のとおり、ISO14000シリーズは環境マネジメントに関する国際規格なので関連があります。
(4)× LCAとはライフサイクルアセスメントのことで、ISO14000シリーズの一部を構成しています。内容は企業が製品やサービスの原料採取、生産、加工、消費、廃棄、リサイクルに至る過程を通じて、消費される資源、エネルギー及び発生する環境負荷や影響を算定し、環境への影響を評価する手法です。
これは環境マネジメントの手法ですので、非常に関連があります。
(5)× ゼロエミッションとは産業界における生産活動の結果排出される産業廃棄物をゼロにして、循環型産業システムを目指し、全産業の製造過程を再構成することにより、新しい産業集団(産業クラスター)を構築しようとする国連大学が提唱している構想です。今まで廃棄物や廃熱として捨てられていたモノやエネルギーを必ずリサイクルして無駄に使用しないということで、環境マネジメントが最終的に目指しているところです。