セレンの測定に関わる問題
セレンの測定に関連する次の記述のうち異なるものを一つ選べ。
- セレンを吸光光度法で測定する時は、水酸化鉄(Ⅲ)と共沈濃縮させた後、3、3-ジアミノベンジジンを加えて、錯体を生成させる。
- 吸光光度法では、錯体生成後溶液のpHを調整し、トルエンで錯体を抽出して波長420nm付近の吸光度を測定する。
- 水素化物発生吸光法で測定するときは、セレンをセレン化水素とし、水素-アルゴンフレーム中に導き定量する。
- 水素化物発生原子吸光度法では、鉄(Ⅲ)は、セレンの1000倍量程度共存すると妨害する。
- 水素化物発生原子吸光法では、ひ素(Ⅲ)やバナジウム(Ⅴ)はセレンの10倍程度まで許容できる。
(ハドニスさん提供)
解答(4)
1.は○
2.は○
3.は○
5.は○
鉄(Ⅲ)の場合、セレンの約10000倍程度共存すると妨害する。なお銅(Ⅱ)は50倍程度共存すると妨害します。
化合物A を含む排水40mL からヘキサンで抽出して10mL としたヘキサン溶液をガスクロマトグラフに2μL 注入して分析したところ,A のピーク面積が6.4× 106であった。標準として作製した化合物A のヘキサン溶液各2μL では以下のような結果が得られたとすると,排水中の化合物A の濃度(mg/L)はおよそいくらか。
(化合物A の標準溶液,mg/L) (ピーク面積) 5 7.9× 105 25 4.1× 106 50 8.0× 106 (1) 10 (2) 15 (3) 20 (4) 30 (5) 40
(H21年度 問15より)
解説
排水40mLから10mLに濃縮しているので、計測結果×1/4が答えとなるはずです。
本来なら、ピーク面積から直線をグラフ用紙に書いて求めるべきです。
すでに濃度が分かっている物質(標準物質)を打ち込み、そのときの波形を記録しておきます。簡単に言うと、この波形は濃度に比例します。この波形をここでは「ピーク面積」と読んでいます。
濃度とピーク面積をグラフ用紙にプロットしていくと、曲線が出来上がります。この曲線の範囲なら、おおむね測定可能であるといえます。
今回の問題では、頭の中でグラフを描くと、おおむね濃度が40くらいになるはずです。4倍に濃縮していますので、もともとの濃度は10であるといえます。
(1)以外は4倍すると50mg/Lのときのピーク面積(8.0×106)を超えてしまいます。つまり確実に6.4×106のピーク面積を超えてしまいます。
だから、(1)の10以外は選びようがありません。