MRPを任天堂switchを例にして簡単に解説してみたよ!

何らかの製造業にかかわっている方なら、一度は、

MRP(material requirements planning)

という言葉を聞かれたことがあるでしょう。
しかしながら意外とこの言葉について説明するのって難しいなぁ・・・と感じられている方も多いと思います。
この記事では、製造の専門家である技術士(経営工学部門)の僕が任天堂の製品
NINTENDO Switch)の例を取り上げて、MRPについて説明していきますよ!

MRPと言う言葉はJISに定義されている!

MRPについてはJISの定義が以下のように記載されていました。

生産計画情報、部品構成表情報及び在庫情報に基づいて、
資材の必要量と時期を求める生産管理体系(JIS Z 8141-2101)

MRPを簡単に説明すると・・・

JISの定義は少しわかりづらい(固い表現)になっていますよね。

僕風に説明すると、

①何かの製品もしくは製品群の生産計画に基づいて、
②部品構成表より必要な部品とその数や時期が決定します。
③それと現在持っている在庫量の関係から、
④実際の手配計画までつなげていく生産管理手法 のこと

と言うことが出来ると思います。

NINTENDO SWITCHの例で考えてみよう!

例えば、1か月で任天堂のswitchを1000個作る計画があるとします 。
「独立需要品目」であるswitch本体の生産計画が決定すれば、自ずと、switchを構成する「従属需要品目」である本体に組付けられる部品の数が決定します。

これらの情報と実際に在庫として持っている、在庫部品の量を照らし合わせれば、
部品を「いつ」「どれだけ」製作すべきかが計画できますよね!

そのような生産管理の手法をMRPと呼ぶ、と覚えてくださればいいと思います。

ここで、「独立需要品目」「従属需要品目」という言葉が出てきました。
この言葉は、MRPを語るうえで重要なので、簡単に解説しておきます。

(1)独立需要品目

他の品目とは無関係に需要が発生する品目

(2)従属需要品目

製品など上位品目の独立需要品目の生産計画をもとに、
従属して需要が決定する品目

nintendo switchに置き換えて考えてみよう!

nintendo switch 本体  : 独立需要品目
Joy-Con(コントローラー、通称:ジョイコン) : 従属需要品目

ゲーム機本体はほかの部品の需要によらず、必要な量が決定しますね。

しかしながら、コントローラーはどうでしょう。

ゲーム機1台を製作するごとに必ず、

コントローラー(右)が一つ、コントローラー(左)が一つ

必要になってきます。

コントローラーは本体の需要に基づいて従属的に需要が変動するわけです。

このような理由から上述の通り、本体は独立需要品目、コントローラーは従属需要
品目ということができます。

もっと細かく紐解いていくと、ゲーム機に使用されている部品はほぼ、従属需要品
目といえるでしょう。
従属ゲーム機には同じボルトが何本か使用されていることでしょう。
このように、ゲーム機本体には単数使用されている、もしくは複数使用されている
部品があります。そのどちらも従属需要品目に分類することができます!

MRPの考え方は製造業では超重要!

MRPの考え方は製造業において非常に重要です。
各種資格試験でも、以下のように出題された実績があります。英工学部門

MRP(material requirements planning)システムにおける基本情報を
3つ挙げ内容を説明せよ。また、独立需要品目と従属需要品目について
説明するとともに、これらの生産計画を基本情報に基づいて策定する手順を説明せよ。

令和元年(2019年度)
技術士 機械部門 加工・生産システム・産業機械)過去問より

製造業に携わっている方ならどなたでも、MRPはたしなむ程度(?)に知っておきたい情
報だと思います。この記事が皆さんの参考になれば幸いです!!

なぜニンテンドースイッチを題材にしたのか?

我が家では子どもが四人いるため、任天堂のゲームにお世話になっています

それでMRPの記事を書くためにも、やっぱり任天堂のゲームを題材にしました。

このように、日々の生活で経験したことを結びつけて考えられるのも、

生産管理分野の面白いところですね。

参考文献

生産管理の基本としくみ
by カエレバ

生産管理用語辞典
by カエレバ

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