ベストセラーであるアドラー心理学の入門本「嫌われる勇気」を読んでみました。
中国出張中のホテルの中で読了です(笑)。
この本を読もうと思ったきっかけは、数々の著名人が推薦されていたから。
例えば、ホリエモンこと堀江貴文氏はこの本の内容をたびたび著書の中で紹介されています。私がtwitter上でフォローしている、かさこさんも時々この本の紹介をされています。そのほかにも、この本を推薦されている有名人はたくさんおられますし、なによりベストセラーですので、前々から読んでみたいと考えていました。
実際に購入して読んでみましたので、簡単に本の紹介と感想を書いてみたいと思います。
この本の構成
アドラー心理学に詳しい「哲人」と、「青年」の会話形式で進んでいく構成となっています。「青年」は「哲人」を議論で負かそうとしますが、うまくいかない・・。逆に哲人に説得されて行くような形です。そのうち青年がアドラー心理学を認め、人生を変化しようとする。このような流れで、本全体が構成されています。
「人がひきこもりになる理由」と「目的論」
いわゆる「ひきこもり」の人は、
「不安だから外に出られない」のではなく、
「外に出たくないから不安という感情をつくり出している」
というのがアドラー心理学の考え方です!なんか刺激的(笑)!
アドラー心理学では「目的論」という考え方で、一般的な考え方とは逆のとらえ方をしています。目的のために「感情をつくりだす」という考え方です。最初のうちは、この内容に少し違和感を感じるのですが、読み進めていくうちに納得していくんですよね。
例えば、本書の中では「自分のことが嫌い」という感情も、何かの目的のためにつくりだしているとされています。その具体例として挙げられるのが、赤面症女学生の例です。彼女は赤面症なので思いを持っている男性に告白できないという悩みを持っていました。しかし、哲人によれば、彼女は「赤面症をつくりだしている」ということです。つまり、告白してしまえば、失恋するかもしれない。それが嫌なので告白したくない。告白したくないことを自分の中で正当化するために「赤面症」という症状をつくりだしているというのです。
確かに、人間ってそういう面があると思います。
すべての悩みは対人関係の悩みである
「悩み」も「幸せ」もどちらとも「対人関係」から生じるとされています。これも、最初は分かりずらいですが、「宇宙の中で自分一人だったら・・・」とかの具体例が出てきながら、納得される説明が展開されていきます。このロジックが非常に興味深かったです。幸せは他者への貢献から生まれるという考え方も衝撃的でした。
より大きな共同体の声を聴け
誰もが共同体に属しています。例えば、家族や学校、会社など共同体に属しています。大きな意味では「宇宙に住んでいる」共同体であるといえます。哲人によれば、一つの小さな共同体の中での問題は、「コップの中の嵐」と言われています。一つ上の大きな共同体に出てしまえば、何もなかったかのようなことになります。
何か問題にぶち当たって、解決策がないように思えても、一つ上の共同体に出てしまえば、そんな悩みなんかなかったもののようになります。
この理屈は非常に説得力がありました。
縦の関係ではなく横の関係をつくる
人は「ある場面では横の関係」「ある場面では縦の関係」という風に関係性を分けて使うことは難しいとされています。つまり、上下関係(縦の関係)を意識している人はどのような場面でも「上下関係を持ち込んでいる」というわけです。
アドラー心理学では縦の関係ではなく、横の関係で人間関係をとらえるようにとされています。親子や上司と部下の関係でも横の関係でとらえるようにとされています。それは、例えば会社の社長とだって、外の世界に出てしまえば、上下関係はなくなってしまいます。
この考えは職責上の上下関係を否定するものではありません。あくまで、「意識の上」で上下関係ではなく横の関係で人間関係をとらえることが大切とされています。
僕の感想
まず、最初に感じたのは、
「あれ、この考え方っていろんな成功者が主張されている内容と一致している」
と感じました。いわゆる成功者はアドラー心理学を皆一度は学んでいるのかな・・・という風に感じました。僕も、この本に出会えてよかった!と思います。
以下、著名人の主張とアドラー心理学の類似点の具体例を挙げておきます。
かさこさん
例えば、かさこさんは自身が主催する「かさこ塾」の中で「かさこ塾は独立したオオカミの集団」みたいな表現をされていたと思います。それは、まさに、縦の関係ではなく横の関係を意識されているのだと思いました。また、かさこさんの歌の中に「承認欲求」という歌がありますが、このタイトルは本書の中の「承認欲求」という言葉からとられているのではないかと感じました。
ホリエモンさん
堀江さんは著書の中でも、アドラー心理学について一部語られています。その他にも他動力の考え方は本書の 「いま、ここ」を真剣に生きる という言葉とリンクしているような気がしました。さらに、堀江さんはよく「自分が思っているほど他者は自分のことを気にしていない」とおっしゃることが多いですが、その考え方も本書の中で説明されています。
結局、自分の人生は自分で切り開かないと!
本書の中の、ゴルディオスの結び目(アレクサンドロス)の話が心に残りました。
神殿の柱に戦車が固く綱で結ばれており、この綱をほどけばアジアの覇者になれると伝説がある。いろんな人が挑戦したが、ほどくことはできなかったそうです。しかし、アレクサンドロス大王はこの綱を剣で切ってしまったそうです。
この逸話のように当たり前のことであ、自分で人生を切り開かなければならなと思いました。過去の自分にとらわれていないで、これからを自分で作っていくしかないと思う。本書を読んで、そんな気持ちになりました。アドラー心理学って面白い!
そういえば、このゴルディオスの結び目の話を聞くと、坂本龍馬が高千穂の天逆鉾を抜いてしまうあのシーンを思い浮かべるのは僕だけでしょうか?
やっぱり後世まで名前を残す人たちはやること考えることがすごい!
アドラー心理学の思想に近いんでしょうね!
それにしても、今、中国出張中ですがVPNがありますので、
ネット環境が非常に快適!
ブログ、メール、ツイッターなんでもできて非常に快適です。
中国ではやはりVPN必須ですね!