【一挙公開!】生産管理部門でスキルアップするために必要な資格一覧!!

建築物の設計には建築士の資格が必要です。
電気工事作業者には電気工事士の資格が必要です。
ガソリンスタンドで働くには危険物取扱者の資格が必要です。

しかしこれに対して、生産管理担当者には「絶対に必要な資格」というのは無いですよね。でもだからと言って、全く資格取得をしないというのも面白くありません。資格試験の取得は「資格が必要だから受験する」という意味やメリットだけでは無いと思うんですよね。資格試験に向けた学習を通して、関連分野を体系的に学習できるという利点があります。

確かに資格を取得しなくても体系的に学習することとは可能です。
でも、格試験の出題内容は非常に体系的によくまとめられており、関連する分野
を効率よく学べるという特徴を持っていると思います。

そうです、生産管理担者がスキルアップするために

資格取得は役立つのです!!

ですから、僕は資格試験対策の学習を通して、生産管理部門の皆さんにも効率的に
生産管理の体系的な知識や知恵を身につけてほしいと思います。

僕が生産管理部門の方におすすめする資格とその理由を一挙公開したいと思います。

生産管理部門の方にお勧めの資格一覧!!

生産管理部門の方にお勧めする、資格一覧をまとめてみました!

まずは、ご覧ください。

分野 区分 資格 生産管理との関連 難易度 役立度
総合 国家 技術士(経営工学部門) 生産管理/経営管理全般 5 5
総合 国家 中小企業診断士 生産管理/経営管理全般 5 5
品質 民間 QC検定1級 品質管理/保証 4 3
品質 民間 QC検定2級 品質管理/保証 3 2
品質 民間 QC検定3級(受験体験談 品質管理/保証 2 1
総合 民間 ビジネス・キャリア検定(生産管理)1級 生産管理全般 4 4
総合 民間 ビジネス・キャリア検定(生産管理)2級 生産管理全般 3 3
総合 民間 ビジネス・キャリア検定(生産管理)3級 生産管理全般 2 2
国際 民間 TOEIC900点以上 国際化への対応 4 4
国際 民間 TOEIC800点以上 国際化への対応 3 3
国際 民間 TOEIC700点以上 国際化への対応 2 2
国際 民間 TOEIC600点以上 国際化への対応 1 1
管理 民間 PMP プロジェクトマネジメント 4 3
環境 民間 eco検定(環境社会学検定) 環境管理全般 1 1
環境 国家 公害防止管理者(全区分) 工場管理/環境管理 3 2
設備 国家 エネルギー管理士 工場管理 4 2
設備 国家 第三種電気主任技術者(電験三種) 工場管理 3 2
会計 民間 簿記検定1級 取引先/経理管理 3 3
会計 民間 簿記検定2級 取引先/経理管理 2 2
会計 民間 簿記検定3級 取引先/経理管理 1 1
調達 民間 CPP A級 購買管理/SCM 3 3
調達 民間 CPP B級 購買管理/SCM 2 2
情報 国家 応用情報処理技術者試験 生産管理システム 3 3
情報 国家 基本情報処理技術者試験 生産管理システム 2 2
情報 国家 ITパスポート 生産管理システム 1 1

*難易度、役立ち度については僕の独断と偏見でつけさせてもらいました。

上記資格のうち技術士(経営工学部門)、中小企業診断士およびビジネス・キャリア検定(生産管理)などはピンポイントで生産管理に直結している資格です。

しかしながらそのほかの分野である「品質」「環境」「会計」「調達」等も生産管理の分野の一つです。また、現在のようにサプライチェーンが国際化していますと「英語が出来ること」も生産管理者の大きなスキルとなります。

このような理由から、以上のような資格を選定しました。その他にも関連する分野資格はたくさんありますが、比較的ポピュラーなもの、受験しやすいものを選定しています。

以降、それぞれの資格の説明およびどのように生産管理に関係しているのかを具体的に記載していこうと思います。

技術士(経営工学部門)が一番おすすめ!!

1.技術士とは

技術士は科学技術の応用面に携わる技術者として最も権威のある資格とされていま
す。技術者であれば、ほとんどの人が一度はあこがれる資格だと思います。

以下に技術士のWikipedia上の説明を引用しておきます。

技術士(ぎじゅつし、Professional Engineer)は、旧技術士法(昭和32年(1957年)法律第124号)を全面的に改正し新たに定められた技術士法(昭和58年(1983年)4月27日法律第25号)に基づく日本の国家資格であり、有資格者は技術士の称号を使用し登録した技術部門の技術業務を行える。科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある最高位の国家資格であり、この資格を取得した者は、科学技術に関する高度な知識、応用能力および高い技術者倫理を備えていることを国家によって認定されたことになる(Wikipediaより引用)。

少し補足しておきます。

技術士は「名称独占資格」です。「名称独占資格」とは資格を持っていないと「名乗ることが出来ない」資格ということです。これに対して「業務独占資格」とはその資格を持っていないと業務自体が出来ない資格(医師や弁護士、建築士などがこれにあたります)です。

技術士は「名称独占資格」ですので、この資格を持っていたからといって「何か特別なことが出来る」わけではないのです。

しかし、誰もが認める技術系の最高資格です。ですので、持っていると一目置かれます。また取得までの学習で広くて深い知識を身に着けて行くことが出来ます!

2. 生産管理とのかかわり

そんな技術士資格の中に、生産管理に係る部門・科目があるんです。

それが経営工学部門です。経営工学部門の中には、生産マネジメント、サービスマネジメント、ロジスティクス、数理・情報、金融工学など生産管理に直結する選択科目があります。(2019年度からは生産・物流マネジメントとサービスマネジメントという2つの選択科目
に統合されます)

僕は経営工学門の技術士ですが、専門の科目は「生産マネジメント」です。この科目はモロに生産管理関係の科目です技術士会のホームページに技術士試験の過去問が公開されています。生産管理部門の担当者であれば、なじみのある問題がたくさんあることと思います。

技術者最高峰の資格「技術士」を持っていれば非常に自信になります。

また、勉強していく中で得ていく知識には非常に深いものがあります。

補足として、技術士試験の素晴らしいところは、各部門ごとに発生する「技術者倫理」の問題について必ず出題されます(一次試験および二次試験の口答試験の中で問われます)。技術者としての深みを増していくために、技術者倫理を学んでおくことは非常に重要だと思います

3. 技術士になるには

技術士になるには、「技術士一次試験」に合格後、一定の実務経験を積みます。そののち技術士二次試験に合格して「登録」する必要があります。

二次試験の受験には、原則として7年(総合技術監理部門は10年)の実務経験が必要である。ただし、4年以上の実務経験を有する技術士補の資格を有している者、もしくは監督者の下での4年を超える実務経験がある者も受けられる。また、大学院で学んでいた場合には最大で2年までその実務経験に算入することができる。つまり、条件を満たせば最短2年の実務経験で資格を取得することは可能である(技術士二次試験の受験資格について、Wikipediaより引用)。

僕が技術士試験に合格するまでの道のりや、使用した教材などについては別記事でまとめております。是非参考にしてください。

技術士通信講座

中小企業診断士

1. 中小企業診断士とは

中小企業診断士はコンサルタントのための資格と言われていますが、その内容は経営管理、生産管理、品質管理、プロジェクトマネジメント、会計の知識など非常に幅広いです。

中小企業診断士(ちゅうしょうきぎょうしんだんし)とは、中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則(平成12年通商産業省令第192号)に基づき登録された者を指す。この省令の根拠となる中小企業支援法(昭和38年法律第147号)では「中小企業の経営診断の業務に従事する者」とされる。 英名はRegistered Management Consultantである(中小企業診断士について、Wikipediaより引用)。

技術士試験と同等「名称独占資格」であり、資格を持っていなくてもコンサルタント業務をすることが出来ます。しかし、取得していると周りから尊敬のまなざしで見られること間違いなしの資格だと思います。

内容も生産管理部門の担当者には非常に役に立つ内容です。

この資格を取得するまでの勉強を通して、以下のように事業を冷静に見ることが出来るようになるはずです。

  • 自分の会社の状態について専門家の視点で分析・改善できる
  • 取引先の状態について専門家の視点で分析・改善できる

これは生産管理担当者にとって非常に大きな強みとなるはずです。



2. 生産管理とのかかわり

中小企業診断士の出題範囲は以下の通りです。生産管理担当者にとって必要な知識が含まれていることは一目瞭然でしょう。

  • 経済学・経済政策
  • 財務・会計
  • 企業経営理論
  • 運営管理(オペレーション・マネジメント)
  • 経営法務
  • 経営情報システム
  • 中小企業経営・中小企業政策中小企業の診断及び助言に関する実務の事例

一般的な「生産管理」という枠よりも非常に広い範囲で学ぶことが出来ます。この資格を取得する力をつけておけば、生産管理担当者として、そしてより経営層に近い視点で生産管理に携わることが出来るはずです。

僕はこの資格を持っていませんが、非常にあこがれています。

3. 中小企業診断士になるには

一次試験および二次試験に合格後、一定の要件を満たさなければなりません。

少し複雑なので、公式ホームページを参照してください。一部の試験が免除される方もおられます。しかも、免除されたことが結果的に良い方向に行くか、悪い方向に行くかも個人によって異なります。

非常に複雑です。よーーく読んでからチャレンジされることをお勧めします。

英語の勉強

QC検定(正式名称:品質管理検定)

QC検定は日本規格協会が実施する民間資格で、品質管理(QC)に特化した資格です。ご存知の通り生産管理分野において「品質管理」はとっても重要な分野の一つです。

この資格のいいところは以下の通りです。

  • 1~4級まで様々なレベルに合わせた級が設定されており、学生から本格的に品質管理に携わっている人まで挑戦し甲斐がある資格である。
  • 受検者が年間延べ10万人以上いる、結構ポピュラーな資格である。認知度が高く評価さやすい資格である。
  • 対策のための参考書や問題集がたくさん出版されていて、勉強しやすい。
  • 品質管理について体系的に学ぶことが出来る(QC七つ道具、統計分析、工程能力・・・など)。

1級ともなると、以下のような手法が扱われます。ひえーー。難しそうです。でもやりがいがありそうですよね(笑)

なお、僕のQC検定3級の受験記を公開しています。

■データの取り方とまとめ方
・有限母集団からのサンプリング《超幾何分布》
■新 QC 七つ道具
・アローダイアグラム法
・PDPC 法
・マトリックス・データ解析法
■統計的方法の基礎
・一様分布(確率計算を含む)
・指数分布(確率計算を含む)
・二次元分布(確率計算を含む)
・共分散
・大数の法則と中心極限定理
■計量値データに基づく検定と推定
・3 つ以上の母分散に関する検定
■計数値データに基づく検定と推定
・適合度の検定
■管理図
・メディアン管理図
■工程能力指数
・工程能力指数の区間推定
■抜取検査
・計数選別型抜取検査
・調整型抜取検査
■実験計画法
・多元配置実験
・乱塊法
・分割法
・枝分かれ実験
・直交表実験《多水準法,擬水準法,分割法》
・応答曲面法,直交多項式【定義と基本的な考え方】
■ノンパラメトリック法【定義と基本的な考え方】
■感性品質と官能評価手法【定義と基本的な考え方】
■相関分析
・母相関係数の検定と推定
■単回帰分析
・回帰母数に関する検定と推定
・回帰診断
・繰り返しのある場合の単回帰分析
■重回帰分析
・重回帰式の推定
・分散分析
・回帰母数に関する検定と推定
・回帰診断
・変数選択
・さまざまな回帰式
■多変量解析法
・判別分析
・主成分分析
・クラスター分析【定義と基本的な考え方】
・数量化理論【定義と基本的な考え方】
■信頼性工学
・耐久性,保全性,設計信頼性
・信頼性データのまとめ方と解析
■ロバストパラメータ設計
・パラメータ設計の考え方
・静特性のパラメータ設計
・動特性のパラメータ設計

ビジネス・キャリア検定(生産管理)

この資格は唯一、「生産管理」を銘打った資格です。生産管理の担当者ならだれもが興味を持つ資格でしょう。中央職業能力開発協会が運営する民間資格です。

出題内容を見てみますと・・・

本当にモロに生産管理の内容が出題されます。勉強し甲斐がありそうです。級の設定も豊富(BASIC~1級まで)ですので新入社員の方から部長クラスの方まで挑戦できる試験内容となっており、勉強になりそうです。

ただし、難点があります。

  • 認知度が低い
  • 対策のための参考書などがほとんど出版されていない

そういう面からすると、この資格を受けるくらいならだれもが認める技術士試験を1次試験、2次試験とクリアしていく方が効率が良いような気がしています。

TOEIC

TOEICは日本では最も人気のある英語資格です。

国際コミュニケーション英語能力テスト(こくさいコミュニケーションえいごのうりょくテスト、英語: Test of English for International Communication)、通称TOEIC(トーイック)とは、英語を母語としない者を対象とした、英語によるコミュニケーション能力を検定するための試験である。試験の開発、運営、試験結果の評価は、アメリカ合衆国の非営利団体である教育試験サービス(ETS)が行っている(Wikipediaより抜粋)。

近年では、どんな業務をしていても「海外との交流」や「外国語を使用」はに日常茶飯事ではないでしょうか(技術者に「英語」が必要である理由)?

生産管理担当者も他人ごとではありません。

  • 海外の生産拠点の管理を任される
  • 海外のサプライヤを巻き込んだサプライチェーンを構築する

などはどの会社でも当たり前になってきました。このような中、生産管理担当者も英語から逃げられる状況でありません。当然、海外での業務で苦労するのは英語だけではありません(海外生産拠点における生産マネジメントで苦労話 あるある・・・)。でも、英語は非常に重要なファクターであることも間違いないですよね。

英語の試験は、英検、TOEFL等たくさんあります。度の試験が一番良いか、なんて、こだわらなくていいと思います。

まずは、日本で一番ポピュラーと思われるTOEICにチャレンジすればいいのではないかと。TOEICなら社内でIP試験が実施されている企業も多いと思います。

僕も一生懸命、TOEICの勉強にいそしんでいます(笑)

その他の資格について

  • PMP
    PMPとは、PMI 本部が認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格です。プロジェクトマネジメントに関わる資格で、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)に基づいた資格です。プロジェクトマネジメントは生産管理のなかでも重要な項目の一つです。管理職の方にも役立つ資格です。
    余談ですが、この資格を勉強すれば技術士の総合技術監理部門の試験内容に対しても役立つそうです。僕が気になっている資格の一つで、いつかは取得したいと思います。
  • eco検定
    環境に関する全般的な知識を手に入れることが出来ます。生産管理担当者にとって「環境」は重要なキーワードです(うちの奥さんが保有しています)。
  • 公害防止管理者
    生産管理だけでなく、工場管理の一環として、環境の知識および環境装置の知識を得ることが出来ます。工場をマネジメントする意味で重要なスキルを身に着けることが出来ます(うちの奥さんが公害防止管理者のホームページを作っていますので参考にしてください)。
  • 電験三種
    向上の電気設備の管理に必要(電験三種の通信講座)。一般的な工場では3種までで十分であると言われている。
  • エネルギー管理士
    規定以上のエネルギーを使用する工場には選任必要(熱・電気)
  • 簿記検定
    自社や取引先の会計情報を読み解くことは生産管理担当者にとって非常に重要です。
  • CPP
    購買管理は生産管理の中でもカギとなります。購買に関する資格は少ないです。その中でもCPPは有名ですのでチャレンジしてみるとよいと思います。
  • 情報処理技術者試験(含:ITパスポート)
    生産管理と生産管理システムは切っても切り離せないほど密接な関係があります。ERP、EDI、POSシステムなど生産管理とのつながりは非常に強いです。情報に関わる知識が深い生産管理担当者は非常に重宝されます。

まとめ

この記事では、技術士(経営工学部門)の僕が独断と偏見で「生産管理担当者のスキルアップのための資格」を紹介しました。是非参考にしてくださいね。

これらの資格については皆さん色々なご意見があるかもしれません。ご意見等ありましたら、遠慮なくお聞かせいただけたらと思います。例えば、「もっとこんな資格があるよ」とか「この資格の方が難しいよ」、「この資格の方が役立つよ」等の意見も大歓迎です。コメント欄に書いていただけると嬉しいです。

それでは、皆さん「業務に実用ないから・・・」なんて悲しいこと言わずに、資格取得を通してスキルアップを図っていきましょう!

by カエレバ

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コメント

  1. JUN より:

    技術士経営工学部門の方がビジネスキャリア検定1級よりもむしろ簡単なのはその通りですが、技術士には7年の業務経歴がないと受験できないという大きな制約があります。

    テスト一発勝負の試験はその分難しくなっている代わりに、学生でも合格のチャンスがあるのです。実際に、中小企業診断士も学生が合格しております。

    • めたのさえた より:

      コメントありがとうございます。

      賛否両論あると思いますが、生産管理という視点で資格を捉えた記事が少ないように感じたので、書いてみました。

      まだ持っていない、受けたこともない資格の方が多いので、ちょっとずつ挑戦しようと思います。