生産管理のスキルを日常生活に展開するとどうなるのか?

僕は「経営工学」の専門家、技術士(経営工学部門)です。

専門としているのは生産工場などの「生産管理」です。工場の生産活動が整然と効率的に無駄なく行えるように管理するのがメインの仕事です。

この生産管理では「効率的に、ムダなく」ということがポイントです。

このため、生産管理の業務で身に付けたスキルは、

「日常生活」など生産に関係ない分野でも適用でき、効率化できる!

のです。

そのことは、生産管理の専門家なら「うっすらみんな感じていること」ではあると思います。しかし、そのことを体系的に文章として書籍にまとめている本となるとあまり存在しませんよね。

しかし、Kindle電子版の書籍に、

一流工場のシステムを日常に 「時間」の取り扱い説明書(本へのリンク

という本が出版されていました。

表紙を見てみると、生産管理の用語である、「作業時間短縮」「工程分解」「スケジューリング」などなど・・・僕たち生産管理の専門家がよく使用するキーワードが並んでいます。

気になってきますよね。。。

そのような訳で、僕は早速読んでみることにしたんですよ。

一流工場のシステムを日常に 「時間」の取扱説明書

見える化 と 計測 することの大切さについて

本書の第一章は「見える化」と「計測」でした。

僕も以下のような記事を書いている通り「見える化」をとても重視しています。

本書でも見える化が強調されていました。

さらに、計測について「動作研究」という概念で説明されていました。

単純な「折り紙を折る」といいう作業に注目して実際に「動作研究をされた例」が紹介されていました。その動作研究を通して改善点を見つけていくという一連の改善の流れも紹介されていました。

経営工学においてこの手法(動作研究)はギルブレスさんの「サーブリッグ記号」を利用して行われたりします。技術士の経営工学部門や中小企業診断士などの国家試験でよく出題されます。

本書では、そのような学術的内容は出てきませんが、

「計測すること」「見える化すること」で改善点を見つけよう!

という、概念が伝わってきました。そういう考え方なら、普段の生活でも適用できそうです。

マルチタスクで効率化!

本書の1章の中では、

「マルチタスクの2つのコツと脳への影響」

という節がありました。

並行して出来るものは、並行してやることで「効率化しましょう」

ということが強調されていました。例えば、

  • 何かの作業をしながらメールやSNSが来たら対応する
  • 音楽を聴きながら、勉強したり本を読んだりする
  • 運転しながら会話をするなど

こうすることで、生活の中でも効率化できるものがたくさんあります。

経営工学の中で「並行作業」による効率化、リードタイム短縮の概念としてはPERT図などがよく取り上げられています。

このように、生産管理や経営工学のスキルは日常生活にも役立ちます。

僕も、以下の記事を作成して、経営工学的な考えを日常生活に役立てる手助けをしております。

5S について

製造現場には5Sという概念があります。

5Sとは、整理、整頓、清掃、清潔、しつけ(躾)の頭文字の「S」からとった言葉です。

本書の中でも、「不要なものは目に入らないようにする」「1年以上使われないものは97%は二度と使わないので、出来るだけ捨てる」など5Sにかかわる内容が強調されています。

これに似た言葉で、3Sという言葉もあります(整理、整頓、清掃)ので覚えておくとよいでしょう。

一般的に5S(3S)が出来ている会社は他の技術のレベルも高いと言われています。

なぜ、5Sが出来ている会社がレベルが高いかというと、

5Sの状態が整っていれば、物を探したりする時間がなく効率的な仕事が出来たり、在庫や要らないものが無い状態なのでそれを維持するための手間がかからなかったり・・・などなど色んなメリットがあるわけです。

しかし、この5Sの考え方は「精神論」的な部分もあるようで、

  • 外国人から見たら「不思議(変な感じ)」に見えたり、
  • 怪しい5Sビジネスをうみだしたりしています

だから、やりすぎはよくないと思う。

しかし、

家庭や日常生活でも5Sの状態が整っていることは凄くメリットがあります。

例えば、冷蔵庫の中がきれいに整っていると、

  • 冷蔵庫の中の食品が長持ちする
  • 中身を把握しやすいので、すである食材を二重に買うことが防げる
  • 効率よく食品を保管できる
  • どこにどの食材があるかわかりやすいので、料理の効率が上がる・・など

色んなメリットがりますよね。

ですから、家庭の中でも5Sや3Sを適度に心がけましょう!

そうすることで日常生活も効率化することが出来ますよね。

問題解決の考え方

本書の中では、

現状把握 ⇒ 原因分析 ⇒ 改善立案

という流れで、問題解決をしていくことが協調されていました。

これは、仕事をしていく上では当たり前のことですよね。

しかし、日常生活となるとこのようなプロセスを経ずに「感情的に」進めてしまうことが多いのではないでしょうか? 日常生活でも業務改善の流れをうまく活用したいですよね。

QCストーリーを普段の生活に生かしてみるのも良いと思います。

スケジューリングの大切さ

工場の生産管理では「スケジューリング」が大切です。

もっとも重要なところでは設定された「納期」に間に合わせるために、

  • やるべきこと(タスク)を細分化
  • タスクごとに具体的な期限を決めていく
  • タスクをひとつずつ期限内に達成していく

本書ではこのことを人生に当てはめて、

目標に向かって、期日を守って、タスクを達成し続けると

必然的に成長していく、目標を達成できる!

という趣旨の内容が強調されていました。

当たり前のことですが、そのこと常に意識して目標に向かって、具体的にコツコツと努力していく必要がありますよね。

やはり「経営工学」「生産管理」は日常でも役にたつ

本書を読んで、

「経営工学」「生産管理」は日常でも役にたつ

ということを再確認しました!

僕は経営工学の専門家なのですから、私生活にもそのスキルを投入して効率的に勉強したり、家事をしたり・・・ということをやっていく必要があると感じました。

また、それ以上に思ったのが、

経営工学の考え方をもっと一般の人にしってもらいたい!

ということです。

経営工学という学問は、理系の中でも結構「マイナー」です。

しかしながら、一般の人の生活にもとても役立つ面白い学問なので、「私生活を効率よく」という概念でもっと知ってもらえるチャンスがあると思います。

この考え方を伝えていきたいなぁ。。。と思ったのです。

それで、これからもこのブログを通して経営工学の内容を皆さんに分かりやすく伝えていける記事が書けたらいいなぁ。。と思っています。僕もそういう本を書いて、電子出版してみるかなぁ(公害防止管理者の電子書籍出版で、だいぶんやり方は分かってきましたし)。

今回読んだ本はこちら

一流工場のシステムを日常に 「時間」の取扱説明書

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク